2024年12月12日
香港
(ビジネスワイヤ) -- 日本の世界的な化粧品・化学メーカーである花王株式会社(4452 JT)(以下「花王」または「同社」といいます)の株式を実質的に所有するファンドの運用会社であるオアシス・マネジメント・カンパニー・リミテッド(以下「オアシス」といいます)は、花王への出資比率を5%超に引き上げたことを発表しました。これにより、オアシスは同社の最大の機関投資家の一つとしての地位を強化し、花王の持続可能な成長を推進するというコミットメントを再確認しました。
花王は日本の日用消費財(FMCG)市場をリードする企業であり、皮膚用化粧品(キュレル、フリープラス)、大衆向けカラー化粧品(ケイト東京)、スキンケアおよびボディケア製品(ビオレ、ジャーゲンズ)、高級ヘアケア・スキンケア・ボディケア製品(オリベ、カネボウ、センサイ、モルトンブラウン)など、世界的に成長著しいカテゴリーで展開する世界トップクラスのブランド ポートフォリオを有しています。
国内での存在感と高品質な製品で高い評価を得ているにもかかわらず、花王は国際的な成長の潜在能力を十分に活かしきれていません。オアシスは、花王がそのブランドを活用して力強い国際的成長を推進することで、バイヤスドルフAG、ロレアルSA、ユニリーバ、プロクター・アンド・ギャンブルなどの企業と競り合い、グローバル・リーダー企業となる可能性があると確信しています。
オアシスによる花王への投資拡大
2024年4月に「より良い花王」というビジョン(www.ABetterKao.com参照)を発表して以来、オアシスはさらに詳細な調査と分析を行ってきました。これには、花王の経営陣との直接的な対話、サードパーティの分析を活用したブランド パフォーマンスの詳細なモニタリング、顧客および投資家へのアンケート調査の実施、業界の専門家や同業者との広範なインタビューが含まれます。
こうした取り組みにより、花王には大きな成長機会があるという確信が深まりました。しかし、経営陣が効果的なグローバル展開を推進する意欲と集中力を欠いているため、その機会は未だ活かされていません。
オアシスは花王への投資を5%以上に引き上げました。これは、当社の積極的なアプローチが花王の潜在能力を最大限に引き出し、FMCG業界におけるグローバル・リーダーとしての地位を確立する手助けになるという信念を裏付けるものです。
12月2日の花王発表後のガバナンスに対する懸念
より積極的な資本参加に加え、オアシスの確信は、花王の成長可能性を実現するための外部取締役の選任にも動機づけられました。このプロセスでは、取締役会の弱点を厳しく評価し、複数のエグゼクティブ サーチ会社の支援を受け、数十人の候補者との面接と審議を何時間にもわたり行った結果、非常に経験豊富な独立取締役候補5名が選ばれました。オアシスは取締役会との関わりをさらに深めることを目指し、これらの候補者の名前と詳細な履歴書を指名委員会に提出し、検討を求めました。
この提出を受けて、花王は12月2日に2025年定時株主総会(以下「AGM」といいます)の取締役候補者を発表しました。この発表は、通常のスケジュールより約3か月も前倒しで行われ、花王の指名委員会がオアシスが推薦した候補者と面接(あるいは接触)することなく行われたため、非常に残念なものでした。12月2日の発表後、指名委員会とのフォローアップ会議において、取締役*は、自社の取締役候補者の選定プロセスについて透明性を示すことを拒否し、候補者たちの現在および将来の役割について明確に説明することも、時期尚早な情報開示を行う前に候補者たちと面接することさえしなかった理由を説明することも拒否しました。取締役候補者の公表後に候補者たちと面接する機会を設けるという花王の申し出は、誠意のないものであることは明らかです。
花王の急な発表と指名プロセスに関する透明性の欠如は、ガバナンスに関する深刻な懸念を引き起こしています。オアシスは、これらの行動が、公開企業に期待される適正なプロセスに大きく反していることを示していると考えています。
オアシスはさらに、取締役会および経営陣の変更の発表と並行して、花王がガバナンス構造におけるさらなる重要な変更、すなわち取締役会議(以下「取締役会」といいます)から経営陣への「大幅な権限委譲」を明らかにしたことを指摘しています。これらの発表を総合すると、取締役会が監督機能を放棄し、ガバナンスにおける曖昧さが生じ、企業としての進展が妨げられていることがわかります。
提案した独立取締役候補者
オアシスは、花王とそのステークホルダーにとって、変革を推進し、世界規模で競争するために成長していくには、FMCGおよび国際的な経験が豊富な独立取締役を、厳格な選考プロセスを経て取締役会に任命することが不可欠であると考えています。
花王の指名プロセスに問題があり、候補者を早期に公表したことを踏まえると、花王にはオアシスが提示した候補者を客観的に評価し、指名する意図がないことは明らかです。そのため、オアシスは2025年3月に開催予定の株主総会において、これら5名の候補者を指名することを決定しました。これらの候補者は、FMCG業界における国際成長、デジタル変革、マーケティング、戦略的転換の分野で市場をリードする専門知識を有しており、これらのスキルは現在、花王の取締役会には欠けているか、十分に活かされていないものです。
候補者は以下のとおりです。
FMCGサプライ チェーン スペシャリスト – この候補者は、世界有数のFMCG多国籍企業で35年近く勤務し、そのうち約10年間、グローバル サプライ チェーン組織で5万人以上のチームを統括していました。在職中には、輸送、材料、梱包、物流、在庫削減などの分野で、サプライ チェーン機能における60億ドル以上の構造的コスト削減を実現しました。
これらの取り組みの具体的な成果として、わずか10年足らずで在庫回転率が20%以上改善され、キャッシュ・コンバージョン・サイクルも同期間に1か月半以上短縮されました。
消費財業界の商業リーダー – この候補者は、マーケティング、財務計画・分析(FP&A)、戦略・変革の分野に焦点を当てた消費財業界で20年以上の経験を有しています。直近では、世界150の市場で事業を展開する世界的に有名なブランド企業で、グローバル最高財務責任者(CFO)兼戦略部門責任者を務めていました。それ以前は、世界最大級の化粧品会社で指導的な役割を担い、長期的な財務戦略の策定を担当。さらに、グローバル戦略価格設定機能を構築し、この機能は現在もデジタル化と自動化によるプロセス改善を促進しています。
美容・化粧品部門の最高マーケティング責任者 – この候補者は、以前、国際的な高級化粧品ブランドのグローバル最高マーケティング責任者(CMO)を務め、製品開発・イノベーションやマーケティング業務を監督し、収益成長を促進しました。事業再編やブランド ポートフォリオ管理において豊富な経験を有しています。キャリアのスタートは、米国の消費財コングロマリットで、ブランド ポートフォリオを各製品カテゴリーにおける成長機会へと転換することを任務とする社内戦略チームの一員としてでした。その後、世界有数の化粧品グループのブランド開発部門で、ポートフォリオ内の既存ブランドおよび新規買収ブランドの刷新と成長に貢献し、さらに経営コンサルティング業界で消費財企業向けの消費者インサイトと分析業務を担当しました。
デジタル変革のリーダー – この候補者は現在、世界有数のビジネス スクールで客員講師を務めています。以前は、世界最大級のタバコ会社で最高デジタル責任者(CDO)を務め、デジタル変革戦略を主導しました。同社では2年間のグローバル デジタル変革戦略を策定・実行し、消費者データを活用してEコマースへの移行を円滑に進めるための新しいデジタル事業部門を設立。また、研究開発、サプライ チェーン管理、販売の効率向上を図るプログラムの監督も行いました。それ以前には、世界最大級の食品・飲料会社数社で上級管理職として、B2CおよびB2Bのオンライン チャンネルの成長を目指すグローバルEコマースおよびデジタル戦略を策定・実行しました。
FMCG事業再建戦略家 – この候補者は、米国の大手FMCG企業で消費者製品部門を統括する副社長として15年以上にわたり、ブランドの再建と収益成長戦略の実施に特化していました。複数のブランドを復活させ、ある小規模なブランドの収益を3年間で10倍以上に成長させたなどの実績があります。また、日本での大規模な事業運営も担当し、別の企業では数十億ドル規模の事業分離におけるブランド戦略の管理を行い、B2BおよびB2Cの両チャンネルにおけるデジタル マーケティング、顧客獲得、分析業務の構築にも貢献しました。
これらの人材は、合計で100年以上の経験と、世界的なFMCG市場での利益成長を実現してきた実績を持っています。オアシスは、彼らの卓越した資格により、花王の戦略的監督能力と国際展開力が一層強化されると確信しています。
花王の株主の皆様へ - エンゲージメントのお願い
現在および将来の株主の皆様は、オアシスにご連絡いただき、これらの取締役候補者との面談を調整することができます。また、花王の取締役会に対し、オアシスの候補者を支持するように働きかけることも可能です。オアシス(directors@abetterkao.com)までご連絡ください。
オアシスの創業者で最高投資責任者のセス・フィッシャーは次のように述べています。
「花王は世界的に優れたブランドを擁しており、そのため、グローバル・リーダーとなることができ、またそうあるべきです。しかし、その潜在能力を最大限に引き出すためには、独立した有能な取締役会が主導する、野心的で成長志向の戦略が必要です。当社の出資比率の引き上げは、花王の未来に対する大きな可能性への確信の表れです。そして、当社が提案した5名の独立取締役候補の専門知識を取締役会が取り入れることを強く求めます。花王が本当にふさわしいリーダーシップ、焦点、戦略を実現すべき時が来たのです」
オアシスは、花王の経営陣および取締役会と建設的に関わり、企業価値を高め、「より良い花王」の持続的成長を推進していくことに引き続き取り組んでまいります。
すべてのステークホルダーの皆様は、info@ABetterKao.comまでご連絡ください。また、オアシスの提案の全詳細については、www.ABetterKao.comをご覧ください。
* 指名委員会を構成する社外取締役は、桜井恵理子(委員長)、篠辺修(委員長)、西井孝明、高島誠の各氏で、監査役会からは岡伸浩氏が就任いたします。
オアシス・マネジメント・カンパニー・リミテッドは、国やセクターを問わず、幅広い資産クラスの投資機会に焦点を当てた私募投資ファンドを運用しています。オアシスは、2002年にセス・H・フィッシャーによって設立され、現在は最高投資責任者(CIO)として彼が率いています。 オアシスの詳細については、https://oasiscm.com をご覧ください 。 オアシスは、日本金融庁の「責任ある機関投資家の諸原則」(日本版スチュワードシップ・コード)を採用し、これに基づき投資先企業を監視し、積極的に関与しています。
本プレスリリース(以下「本文書」といいます)に記載された情報および意見は、オアシス・マネジメント・カンパニー(以下「オアシス」といいます)が、情報提供または参考の目的でのみ提供するものです。本文書は、金融商品取引法に基づく大量保有報告規則の開示義務が適用される特定の会社の株式またはその他の証券に関して、株主がオアシスと共同で取得または譲渡し、議決権その他の株主権を行使することを勧誘したり、求めたりすることを意図したものではありません。議決権を共同して行使する契約を締結している株主は、日本の大量保有報告規則上、共同保有者と見なされ、金融商品取引法に基づき、その株主の保有状況を日本の関係当局に届け出る必要があります。オアシスが共同保有者としてそのような開示義務を負う契約を明示的に締結する場合を除き、オアシスは共同保有者として報告義務を引き起こす行動を取る意図はありません。本文書は、オアシスの意見、解釈、および推定を示すものであり、その他の目的を持つものではありません。
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