KPMGモビリティ研究所、「スマートシティ 2024年版 わが国の主要5都市における意識調査」を発表
KPMGジャパン
「交通機関/モビリティ」をはじめスマートシティに関する6つの分野で調査
KPMGジャパン(東京都千代田区、共同チェアマン:山田 裕行、知野 雅彦)の、国内外のモビリティに関わる研究・調査を行うKPMGモビリティ研究所は、スマートシティに関する住民の意識調査をまとめたレポート「スマートシティ 2024年版 わが国の主要5都市における意識調査~住みやすい街づくりのためにできること」を発表しました。
本レポートは、日本の主要5都市である東京23区、大阪市、名古屋市、札幌市、福岡市の18歳以上約2,600人の住民に、スマートシティに関する「交通機関/モビリティ」「教育・将来の労働力の育成」「住環境」「医療サービス」「エネルギー/資源」「テクノロジー」の 6つの分野について意識調査を実施したもので、2022年の発行に続く第3回目となります。
近年、国や自治体、大学や企業が中心となって進めるスマートシティの実証実験や構想・計画が発表・推進されているものの、デジタルテクノロジーの活用を中心とする内容が多数を占めています。スマートシティの発展にあたっては、規制緩和・新ルールの設定、ユーザーのリテラシー向上・意識改革、産官学民のコラボレーションなど、さまざまな課題を乗り越えていく必要があります。何より、スマートシティ化が住民主体であり、生活の維持・向上に繋がっていく取組みであることが重要です。
なお、本調査はリモートワークなどコロナ禍を経て経験した日常生活でのテクノロジーの便利さ・不便さを体験したうえでの住民意識の変化を浮き彫りにするとともに、住民が各都市の現状をどのように評価し、豊かに生活するために何に期待しているのかについて考察しています。
<主な調査結果>
・スマートシティという言葉を聞いたことがあると回答した割合は、5都市全体で約58%と過半数を超える。一方、内容も知っていると回答した割合は14%にとどまる。
・スマートシティへの期待は全体的に低下傾向。なかでも、「雇用機会の増加」の下がり幅が大きく、前回比4.6ポイント減少している。
・パーソナルデータを活用すべきであるという回答が50%を超え、スマートシティ推進にあたってのパーソナルデータの活用に肯定的な傾向がみられる。
・スマートシティに関して期待する分野として、期待値の高い順に、「医療・ヘルスケア(54.4%)」「防犯・安心(49.8%)」「防災・減災(49.0%)」が挙げられる。
・生活の豊かさにつながるサービスとして、スマートシティ関連で話題になっている取組みは「AI防犯カメラ」の回答が49.1%と最多となった。
<注目すべき調査結果>
【スマートシティの認知度】
スマートシティという言葉を聞いたことがあると回答した割合は、5都市全体で約58%となり、過半数を超えています。しかし、スマートシティという言葉を「聞いたことがあり、内容も知っていた」と回答した割合は14%となっており、スマートシティは「多くの住民は何となく聞いたことがあるが、よくわからない言葉」と認識されていると言えます。
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【スマートシティへの期待】
スマートな都市の発展に期待することについては、「公共サービスの改善(80.0%)」「資源の無駄遣いの削減(77.4%)」「治安の改善(77.0%)」が最も高くなっています。しかし、2020年の前回の調査結果と比較するとスマートシティへの期待は全体的に期待値が低下しています。なかでも、「雇用機会の増加」の下がり幅が大きく、前回比4.6ポイント減少しています。
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スマートシティに関して期待する分野としては、「医療・ヘルスケア(54.4%)」を選択した人が最も多く、次いで「防犯・安心(49.8%)」「防災・減災(49.0%)」となっています。「医療・ヘルスケア」への期待度が高い理由は、スマートウォッチでの健康管理等、すでに生活の一部にデータ活用が入り込んでいることなどから、住民が自分の問題として捉えているためと考えられます。また、災害の多い日本らしく「防災・減災」に対する期待も高くなっています。
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【パーソナルデータの活用】
パーソナルデータの活用に関しては、活用範囲にかかわらず「活用すべき※」との回答が50%(「そう思う」「どちらかといえばそう思う」の合計)を超えており、パーソナルデータの活用に肯定的な傾向がみられます。
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【生活の豊かさにつながるサービス】
生活の豊かさにつながるサービスとしては「AI防犯カメラ」を選択した人が最多で全体の49.1%となっています。他方でさまざまな地域で取り組まれている「グリーンスローモビリティ(7.6%)」や「電動キックボード(5.8%)」「MaaS(5.5%)」の回答割合が10%未満と、モビリティ関連サービスへの関心が低くなっています。
大都市である5都市圏に居住する住民を対象としたものであることから、交通に不便を感じないことなどの理由により、交通に対する取組みへの回答が少ないものと推察されます。また、2023年7月1日より電動キックボードなどに関する改正道路交通法が施行されたものの、乗車経験のある住民がまだ限られることなども生活の豊かさにつながるとは捉えられていない理由と考えられます。
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「スマートシティ 2024年版 わが国の主要5都市における意識調査」について
[表:
https://prtimes.jp/data/corp/141127/table/37_1_b2eeb5f29300d079521ffbeb8516b230.jpg ]
(※)本レポートでは、小数第2位で四捨五入をしているため、合計値が100%にならない場合があります。
本レポートの全文は
こちらからダウンロードできます:「スマートシティ 2024年版 わが国の主要5都市における意識調査~住みやすい街づくりのためにできること」
KPMGモビリティ研究所について
KPMGモビリティ研究所は、KPMGグローバルの各関連研究グループと連携し、社会構造の変化を1つの切り口=モビリティで捉えて産業横断的に研究しています。国内外のモビリティに関わる動向の情報収集や調査研究、モビリティ関連分野の専門家の育成、内外の知見に関する情報発信、そして将来的に産学官連携のハブとしての役割を果たしながら、日本のモビリティ発展に寄与することを目指しています。
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