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【岡山大学】精神的ストレスがアトピー性皮膚炎を悪化させるメカニズムを解明-ストレスは免疫細胞を狂わせる!-

国立大学法人岡山大学

【岡山大学】精神的ストレスがアトピー性皮膚炎を悪化


[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/72793/2794/72793-2794-35746d51565bcdba82cafa3702c24595-1948x1108.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


順天堂大学と岡山大学の共同研究成果プレスリリースです。


2024(令和6)年 12月 23日
国立大学法人岡山大学
https://www.okayama-u.ac.jp/


<本研究成果のポイント>
- 精神的ストレスによる皮膚アレルギーの悪化には交感神経と抗炎症性マクロファージのβ2アドレナリン受容体(Adrb2)が関与することを明らかにしました。- 抗炎症性マクロファージのAdrb2にストレスホルモンが作用すると抗炎症機能が弱まるため、皮膚アレルギーが悪化していることがわかりました。- このメカニズム解明によりストレス性の皮膚アレルギー炎症に対する新規治療法開発が期待されます。


◆概 要
 順天堂大学大学院医学研究科 環境医学研究所の吉川宗一郎 准教授、冨永光俊 先任准教授、高森建二 特任教授、順天堂大学医学研究科 免疫学の三宅幸子 教授ら、および岡山大学大学院医歯薬学総合研究科の浦上仁志 大学院生、同大学術研究院医歯薬学域(医)の森実真 教授らの共同研究グループは東京科学大学、長崎大学、鳥取大学との共同研究により、精神的ストレスが皮膚アレルギーを悪化させるメカニズムを解明しました。

 ストレスは古くからアレルギーのリスクファクターであることが知られていたものの、その分子メカニズムは長らく不明でしたが、本研究により交感神経由来のストレスホルモンが抗炎症性マクロファージ(免疫細胞の一種)のβ2アドレナリン受容体を介して抗炎症機能を低下させ、炎症を悪化させていることを突き止めました。

 本成果は、従来、治療が困難であったストレス性の皮膚アレルギー炎症に対し、新規治療薬開発の可能性を示すものです。

 本論文はJournal of Allergy and Clinical Immunology誌に、2024年11月18日にオンライン版で発表されました。

 なお本件は、2024年12月23日に順天堂大学と岡山大学から公開されました。


[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/72793/2794/72793-2794-39387174addb059442d9ae59debcd7e0-800x601.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図1:精神的ストレスが皮膚アレルギーを悪化させるマウスに精神的ストレスを負荷させる(ストレス)、または、ストレスをかけないマウス(コントロール)の耳に皮膚アレルギーを誘導したところ、アレルギー炎症による皮膚の腫れや炎症組織に浸潤する好酸球(アレルギーに関与する免疫細胞)の数が増えていた。


[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/72793/2794/72793-2794-77812b5d1ba12faa3588ac5bc87cf5d5-800x601.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図2:本研究で明らかになった精神的ストレスが皮膚アレルギーを悪化させるメカニズムのイメージ図精神的ストレスにより活動亢進した交感神経末端からノルアドレナリンが放出され、これがAdrb2を発現している抗炎症性マクロファージに作用することで細胞の性質が変化し、抗炎症機能に関連する遺伝子(死細胞を除去する分子)の発現が低下する。これにより、死んだ細胞を除去する機能が抗炎症性マクロファージで低下してしまい、死んだ細胞が炎症組織で除去されずに蓄積し、死んだ細胞から放出されるDAMPが炎症をさらに惹起することで皮膚アレルギーの炎症が増悪してしまう。


[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/72793/2794/72793-2794-59f8869f226856ad38f0be25ac542400-800x601.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図3:炎症抑制が弱くなることで炎症が強くなることを示す模式図一般的に、アレルギーには炎症を起こす反応(アクセル)と炎症を抑制する反応(ブレーキ)が同時に起こっています。アクセルの強さがブレーキの強さを上回ると炎症が現れます。この時、さらにブレーキの力が強くなる時(右最上段)炎症は弱くなり、反対にアクセルの力がさらに強くなれば(右中段)炎症が悪化します。しかし、本研究のストレス負荷時のようにブレーキ役を担うマクロファージの抗炎症の力が弱くなると相対的にアクセルの力が強くなり、炎症が強くなって現れると考えられます。



◆研究者のコメント
 「ストレス社会」と称される現代社会では、仕事や人間関係、生活環境から生じるストレスが私たちの心身に大きな影響を及ぼしています。こうしたストレスは我々に疲労感を与えるだけでなく、性格をもしばしば変えてしまいます。でも実は、ストレスで疲弊し、性格が変わってしまうのは免疫細胞も同じなのです。性質が変わってしまった免疫細胞は本来の働きができなくなってしまい、病気につながったり、症状の悪化を招いたりする恐れがあります。病気になりにくい体を作るためにも、ストレスを溜め込まない生活を心がけましょう。


◆原著論文
 本研究はJournal of Allergy and Clinical Immunology誌のオンライン版で(2024年11月18日付)先行公開されました。
 タイトル: Stress-experienced monocytes/macrophages lose anti-inflammatory function via β2-adrenergic receptor in skin allergic inflammation
 タイトル(日本語訳):精神的ストレスは単球・マクロファージのβ2アドレナリン受容体を刺激して抗炎症機能を低下させ皮膚アレルギー炎症を増悪させる
 著者:Hitoshi Urakami, Soichiro Yoshikawa, Kei Nagao, Kensuke Miyake, Yuki Fujita, Ayaka Komura, Miho Nakashima, Ryusuke Umene, Shuhei Sano, Zheyu Hu, Emi Nishii, Atsushi Fujimura, Takeshi Y. Hiyama, Keiji Naruse, Hajime Karasuyama, Tsuyoshi Inoue, Mitsutoshi Tominaga, Kenji Takamori, Shin Morizane, Sachiko Miyake
 著者(日本語表記): 浦上仁志1)2)、吉川宗一郎1)4)、長尾圭1)4)、三宅健介5)、藤田悠紀 1)、小村彩可1)、中島美穂1)、梅根隆介6)、佐野修平3)、胡哲宇3)、西井慧美3)、藤村篤志1)、檜山武史7)8)、成瀬恵治9)、烏山一5)、井上剛6)、冨永光俊4)、高森建二4)、森実真2)、三宅幸子3)
著者所属:1)岡山大学細胞生理学講座、2)岡山大学皮膚科学講座、3)順天堂大学免疫学講座、4)順天堂大学環境医学研究所、5)東京科学大学総合研究院、6)長崎大学内臓機能生理学、7)鳥取大学統合生理学講座、8)鳥取大学国際乾燥地研究教育機構、9)岡山大学システム生理学講座
 DOI: 10.1016/j.jaci.2024.10.038
 URL: https://www.jacionline.org/article/S0091-6749(24)01231-4/fulltext


◆研究費
 本研究はJSPS科研費JP22K07119, JP19K07620、順天堂大学環境医学研究所プロジェクト研究助成、公益財団法人ホーユー科学財団研究助成、公益財団法人大下財団研究助成、および文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成事業の支援を受け多施設との共同研究の基に実施されました。
なお、本研究にご協力いただいた皆様には深謝いたします。


◆詳しい研究内容について
 精神的ストレスがアトピー性皮膚炎を悪化させるメカニズムを解明― ストレスは免疫細胞を狂わせる! ―
 https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r6/press20241223-2.pdf


[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/72793/2794/72793-2794-ca25cefce8486301120cb6ed93557af3-3556x440.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]




◆本件お問い合わせ先
<研究内容に関するお問い合せ先>
 順天堂大学大学院医学研究科 環境医学研究所 准教授 吉川 宗一郎 (よしかわ そういちろう)
 TEL: 047-353-3171
 URL:https://www.juntendo.ac.jp/graduate/laboratory/labo/kankyo_igaku/jirc/

 岡山大学 学術研究院 医歯薬学域(医)教授 森実 真 (もりざね しん)
 TEL:086-235-7282
 URL:https://derma.hospital.okayama-u.ac.jp/


 <取材に関するお問い合せ先>
 順天堂大学 総務局 総務部 文書・広報課(担当:中村)
 TEL: 03-5802-1006
 大学HP:https://www.juntendo.ac.jp

 岡山大学 総務・企画部 広報課
 TEL:086-251-7292 
 大学HP: https://www.okayama-u.ac.jp/


<岡山大学病院との連携等に関する件(製薬・医療機器企業関係者の方)>
 岡山大学病院 新医療研究開発センター
 〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
 下記URLより該当する案件についてお問い合わせください
 http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/ph_company/


<岡山大学病院との連携等に関する件(医療関係者・研究者の方)>
 岡山大学病院 研究推進課 産学官連携推進担当
 〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
 TEL:086-235-7983
 E-mail:ouh-csnw◎adm.okayama-u.ac.jp
     ※ ◎を@に置き換えて下さい
 http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/medical/


<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
 岡山大学研究・イノベーション共創機構 産学官連携本部
 〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
 TEL:086-251-8463
 E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
     ※ ◎を@に置き換えて下さい
 https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/


<岡山大学の研究機器共用(コアファシリティ)などに関するお問い合わせ先>
 岡山大学研究・イノベーション共創機構 機器共用推進本部
 〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
 TEL:086-251-8745、086-251-8746
 FAX:086-251-8748
 E-mail:cfp◎okayama-u.ac.jp
     ※ ◎を@に置き換えて下さい
 https://fspp.kikibun.okayama-u.ac.jp/


<岡山大学のスタートアップ・ベンチャーなどに関するお問い合わせ先>
 岡山大学研究・イノベーション共創機構 スタートアップ・ベンチャー創出本部
 〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
 E-mail:start-up1◎adm.okayama-u.ac.jp
     ※ ◎を@に置き換えて下さい
 https://venture.okayama-u.ac.jp/


 岡山大学メディア「OTD」(アプリ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000072793.html
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[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/72793/2794/72793-2794-9d83351289f0c4d9f4ea514586990d6f-1906x1062.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


[画像7: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/72793/2794/72793-2794-2779602ec6610e6c83cdeb79cae8aa09-1434x569.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています。地域中核・特色ある研究大学として共育共創を進める岡山大学にご期待ください
- 岡山大学 文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に採択~地域と地球の未来を共創し、世界の革新の中核となる研究大学:岡山大学の実現を加速とともに世界に誇れる我が国の研究大学の山脈を築く~https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001935.000072793.html
[画像8: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/72793/2794/72793-2794-1c043f8613033d76741439566c8a772e-2348x2700.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]



プレスリリース提供:PR TIMES

【岡山大学】精神的ストレスがアトピー性皮膚炎を悪化【岡山大学】精神的ストレスがアトピー性皮膚炎を悪化【岡山大学】精神的ストレスがアトピー性皮膚炎を悪化【岡山大学】精神的ストレスがアトピー性皮膚炎を悪化【岡山大学】精神的ストレスがアトピー性皮膚炎を悪化

記事提供:PRTimes

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