「第2回本棚劇場シネマ」を角川武蔵野ミュージアムで開催 紀田順一郎氏が収集した100年以上前の無声映画に弁士、楽士がライブで台詞や音楽を付けて上演
公益財団法人 角川文化振興財団
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公益財団法人 角川文化振興財団(所在地:東京都千代田区、理事長:川上量生、以下 角川文化振興財団)は、 「ところざわサクラタウン」内、「角川武蔵野ミュージアム」(館長:池上彰)の4F本棚劇場にて、2025年3月22日(土)に「第2回 本棚劇場シネマ ~無声映画×活弁×生演奏~」を開催いたします。
■本棚劇場が1日限りのシアターに変身 「本棚劇場シネマ」とは、角川武蔵野ミュージアムの本棚劇場で開催されるシアター体験イベント。普段はプロジェクションマッピングを投影している本棚にスクリーンが設置され、映画作品を上映します。2023年に第1回が開催されましたが、今回、作品ラインナップを変えて再び開催いたします。
上映される作品は、映画の草創期となる約130年から100年前の無声映画。場内には当時を彷彿とさせる弁士、楽士が登場し、ライブで無声映画に台詞と音楽を付けて上演します。また、当館の博物部門ディレクターである荒俣宏氏も登場し、無声映画について解説します。
作品のフィルムと使用する映写機は、すべて評論家・紀田順一郎氏が収集した貴重なものです。弁士が語り、楽士が奏でる活弁の世界をお楽しみください。
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第1回本棚劇場シネマの模様
●紀田順一郎コメント:第2回「本棚劇場シネマ」について
今回ご覧いただきます映画は、私が多年にわたり収集したフィルム・コレクションの一部です。三、四十年にわたってコツコツ集めてきたものを、個人で約130本の収集を持続するのが非常に困難となりましたので、2020年、荒俣宏さんのご紹介で角川武蔵野ミュージアムに寄贈することができたのは、私にとって望外の幸せでした。
さらに2023年にはコレクションの中より粒選りの作品を本ミュージアムを会場として公開することができました。幸い非常に好評を博したので、ここに第2回を開催させていただきたく、ご案内申しあげます。
今日映画作品の収集といえば、何といってもDVDが主流ですが、アメリカでは戦時中に16ミリフィルムやその映写機が普及し、戦後も図書館などの視聴覚教育を中心にその流れが拡大したようです。やがて1960年代の後半、アメリカには古典的な名作のフィルムを発売する企業が出現しました。私がコレクションをはじめたのも、ちょうどそのころです。チャップリンの『独裁者』やキートンの『大列車追跡』などという名作が、フィルムの形で入手できるとわかったのは衝撃的で、ためらうことなく購入をはじめたものでした。
そのうちに同好の方々も現れたので、互いに情報を交換したり、上映会を催したりしたものです。まだパソコンなどが普及するはるか以前のことで、名簿作成や案内状などもすべて手書きで済ませたものです。
そのような時代は夢のように過ぎて、現在はすべてDVDの時代となってしまいましたが、私にはどうしても自分のコレクションを廃棄することができませんでした。フィルムには、他のメデイアにない別種の魅力が確実に備わっていると思うからです。
私の収集したフィルムは、その8割が無声映画です。これらの作品は、ご存知の通り明治末期から大正・昭和にかけ、映画弁士の解説と伴奏音楽入り(同時共演)が付きもののように考えられ、そこに独自の文化を生み出してまいりました。このたびもその形式に従い、原作をより楽しめるように、ベテランの弁士や演奏家にお願いしております。
末尾になりましたが、総監督の荒俣宏さん、角川武蔵野ミュージアムの本棚劇場スタッフの皆さんに、篤くお礼申しあげます。
●紀田順一郎プロフィール
1935年、横浜市生まれ。慶應大学経済学部卒。文芸評論家、作家、翻訳家。荒俣宏と共に「世界幻想文学大系」などの怪奇幻想文学の叢書を複数刊行。『古典映画ロードショー』のほか、『乱歩彷徨』『幻想怪奇譚の世界』『東京の下層社会』『M・R・ジェイムズ怪談全集』などの著書、編訳書多数。『幻想と怪奇の時代』で2008年度日本推理作家協会賞受賞。
●紀田順一郎コレクションとは
評論家・紀田順一郎は、古典映画の価値を評価するため、まだビデオすらなかった昭和40年代からフィルムを収集し、手ずから映写機で映写するという方法を採用した先駆者でした。紀田氏のご好意により、秘蔵映画フィルムの8mmサイズの作品160点以上が当館に収蔵されました。
■上映作品
●『極地征服』 "The Conquest of the Pole"
※1912年公開、上映時間 約13分
監督・原作・主演 ジョルジュ・メリエス
<紀田順一郎氏によるみどころ紹介>
アメリカの探検家ビアリーが、1909年北極点の踏破に成功したことに触発され、映画の魔術師といわれるメリエスが、素朴なトリックを無数に駆使して製作した初期SF映画の名作です。
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『極地征服』
●『大列車強盗』 "The Great Train Robbery"
※1903年公開、上映時間 約11分
監督・製作・撮影 エドウィン・S・ポーター
原作 スコット・マーブル
<紀田順一郎氏によるみどころ紹介>
アメリカ映画史を彩った多くの西部劇の中で、第一号とされるのが本作です。非常にリアルな手法で、非情な列車強盗を再現しており、それまで無名だった監督のエドウィン・S・ポーターの名を、映画史に刻みました。ラストのクローズアップは、パートカラーですが、当時の観客は悲鳴をあげたそうです。退色が甚だしいのは残念です。
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『大列車強盗』
●『吸血鬼ノスフェラトゥ』 "Nosferatu"
※1922年公開、上映時間 約68分
監督 F・W・ムルナウ
出演 マックス・シュレック
<紀田順一郎氏によるみどころ紹介>
ブラム・ストーカー原作の怪奇小説『ドラキュラ』の映画化(ドイツ映画)です。恐怖演出の巧みさには舌を巻く人も多いでしょうが、それ以上にノスフェラトウ役を演じたマックス・シュラックの特異な風貌が印象的という人も多いと思います。
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『吸血鬼ノスフェラトゥ』
■出演者紹介
●荒俣宏(角川武蔵野ミュージアム博物部門ディレクター)
1947年、東京生まれ。作家、翻訳家、博物学・妖怪研究家、風水師。慶応大学法学部卒業後、日魯漁業(現マルハニチロ)に入社。コンピューター・プログラマーとして10年間のサラリーマン生活をおくる。その間、紀田順一郎氏らと、雑誌「幻想と怪奇」を発行。英米の幻想文学などを翻訳しつつ、評論も展開。独立後は翻訳、小説、博物学、神秘学などジャンルを越えた執筆活動を続ける。また愛書家として知られ、稀覯本の蒐集家としても有名である。代表作に350万部を超える大ベストセラー『帝都物語』(日本SF大賞受賞)、古今の博物学の集大成といえる大著『世界大博物図鑑』(サントリー学芸賞受賞)などがある。京都国際マンガミュージアム館長。世界遺産熊野本宮館名誉館長。
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荒俣宏
●山内菜々子(活動写真弁士)
栃木県那須塩原市出身。日本大学芸術学部映画学科在学中に師匠・澤登翠の活弁・講演を聞き弁士を志す。2010年澤登翠に入門。2013年6月「第659回無声映画鑑賞会」で弁士デビュー。
以降、無声映画鑑賞会に定期的に出演するほか、2017年には地元栃木県「那須温泉映画祭」にも出演。2019年公開、周防正行監督「カツベン!」に出演。2021、22年には全国7か所のミニシアターが主催する、小学生から高校生を対象とした「夏休みの映画館~忘れられない映画に出会う、夏。」に出演するほか、大学生が主催する「第32回東京学生映画祭」「ジェンダー・ギャップ映画祭」(いずれも2021年)に出演するなど、幅広い世代に向けて活弁上映を行っている。2022年には初めての海外公演(アメリカ)を実現し、国内外問わず活躍できる弁士となるよう、一層励んでいる。また、2021年4月~2022年2月まで集英社少女漫画アプリ「マンガMee」にて連載された『RAY-麗-大正キネマ物語』(作:ナスノマユカ)の監修協力を務めた。
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山内菜々子
●丹原要(ピアノ)
岡山県出身。東京学芸大学卒業、日本芸術大学大学院修了。フォーレを中心に近代フランス音楽に傾倒。「音楽と言葉と身体表現が交じり合う舞台」を夢見つつ、演奏・音楽教育活動を続けている。「ジャック=ダルクローズ作品研究会」を立ち上げ、5冊の「ダルクローズ、ピアノ曲集(カワイ出版)」の校訂・監修に携わる。24年12月開催の「トーキョー活弁カルテット」の旗揚げ公演「ライブ!シネマ!」は新機軸の演目が評価された。
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丹原要
【イベント概要】
イベントタイトル:第2回 本棚劇場シネマ ~無声映画×活弁×生演奏~
会場:角川武蔵野ミュージアム 4F 本棚劇場
住所:埼玉県所沢市東所沢和田3-31-3 ところざわサクラタウン内
開催日:2025年3月22日(土)
実施時間:開場10:30、開演11:00、終了予定14:00
イベント公式サイト:
https://kadcul.com/event/218
主催:角川武蔵野ミュージアム(公益財団法人 角川文化振興財団)
チケット価格(税込): KCMスタンダードチケット(本棚劇場含む)
●オンライン購入(https://tix.kadcul.com/)、当日窓口購入
一般(大学生以上):1,400円/中高生:1,200円/小学生:1,000円/未就学児:無料
※本展覧会の他、当館のスタンダードチケットエリア(常設展エリア)をご覧いただけます。
※展示替えなどにより、日程によっては一部エリアに入場できない場合がございます。
※「1DAY パスポート」チケットでも本展覧会をご覧いただけます。詳細は公式サイトでご確 認ください。
※オンライン購入の場合は、3月22日(土)の該当チケットをお買い求めください。
*休館日、開館時間は変更となる場合があります。最新情報、詳細は公式サイトでご確認ください。
*展示内容が変更、または中止になる場合がございます。予めご了承ください。
*当日は、本棚劇場の入場時間、上映内容が通常と異なります。その他注意事項と合わせて公式サイトでご確認ください。
■「角川武蔵野ミュージアム」について
図書館、美術館、博物館が融合した文化複合施設(館長:池上彰)。
初代館長の松岡正剛氏が世界を読み解く9つの文脈に沿って独自の配架をした「ブックストリート」、博物学者の荒俣宏氏が監修する「荒俣ワンダー秘宝館」、「本と遊び、本と交わる」をテーマにした「本棚劇場」、これら「エディットタウン」は当館のメインエリアです。本棚劇場では、360度を取り囲む高さ8mの巨大本棚にプロジェクションマッピングが映し出されます。
また、マンガや多数の出版社のライトノベルが並ぶ「マンガ・ラノベ図書館」や、企画展が開催される「グランドギャラリー」など、松岡氏が提唱した「想像力とアニマに遊ぶミュージアム」として、様々な「まぜまぜ」を提供します。
建築デザイン監修は隈研吾氏、アート部門ディレクターは神野真吾氏。
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■角川文化振興財団について
角川文化振興財団は「わが国の文化の振興に寄与する」という財団の設立目的実現のために、文芸の成果に対する授賞、文芸に関する出版、文芸の研究や著述の刊行への助成、映画芸術振興に関する助成、また文芸・映画資料の収集・保存・展示等、様々な事業を行っております。
公式サイト:
http://www.kadokawa-zaidan.or.jp/プレスリリース提供:PR TIMES
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記事提供:PRTimes