マックス「心のホッチキス・ストーリー」第15回の受賞作品を決定
マックス株式会社
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~大賞は、初めて読み聞かせをした絵本をきっかけに当時を思い出し、娘と心を通わせる作品に~
マックス株式会社(証券コード:6454)は、第15回 マックス「心のホッチキス・ストーリー」と題し、あなたが今、心にホッチキスしたいこと”をテーマに、ショートストーリーを募集しました。
2024年8月1日(木)から2024年9月30日(月)までの募集期間で、全国から過去最高の20,475件の応募がありました。
厳正な選考の結果、受賞作品を以下の通り決定しましたのでご報告いたします。
なお、受賞作品は、
当社WEBサイトでも公開しています。
[画像1:
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応募作品の傾向
2024年は、スポーツの祭典に沸き、アスリートの活躍に心躍らせる明るい話題の一方で、地震や記録的大雨による災害、続く紛争のニュースにより、日常生活の大切さを感じる一年となりました。
応募作品では、お母さんが上の子の気遣いを知り成長を感じた作品や離れて暮らしていても家族から勇気をもらう作品など、お互いを支え合う家族のつながりを大切にしたいと思う内容が多く寄せられました。
「マックス・心のホッチキス大賞」には、父が一冊の絵本を見つけ、それは、娘に初めて読み聞かせをした絵本であり、大切に持ってくれていたことでその頃を思い出し、娘と心を通わせるエピソードを選定しました。二人で思い出を共有しつつ、父は娘のこれからの未来に思いを馳せる、心温まる作品です。
「マックス・U-18 大賞」には、外出先で大切なキーホルダーを失くしてしまった際、最近初めて会話をしたばかりの友人が一緒に探してくれ、その優しさと思いやりが今でも宝物となっている気持ちを綴った作品など3点を選びました。「マックス賞」には、料理が苦手な母が一生懸命に作ってくれた焦げたパンケーキに胸がいっぱいになった当時の思いと、そんな母が工夫して作ってくれたメニューを今は自分が作り食べていることを綴った、感謝の気持ちを表現した作品など5点を選びました。
引き続き、マックス「心のホッチキス・ストーリー」を通じて、みなさまが大切な瞬間を振り返り、日常生活の中にある小さな幸せに気付く手助けになれれば幸いです。
受賞作品
マックス・心のホッチキス大賞
<埼玉県> I(アイ)さん (55歳)
娘の部屋の掃除をしていた時である。ふと本棚に目をやると、一冊だけ絵本があった。
我が家はマンションで、娘が幼い頃にたくさん持っていた絵本は、幼子がいるご家庭へすべて渡したと妻から聞いていたので、なぜ一冊だけ残っているのか不思議に思った。
小学校から帰ってきた娘にその理由を訊いてみた。すると彼女はこう答えた。
「私にとってのはじめての物語だから」
それを聞いて、ふと昔の記憶が蘇った。その絵本は娘が生まれて初めて読み聞かせをした絵本だったことを。大のお気に入りで、何度となくせがまれるままに、夜寝かしつけながら読んだ日々のことを。
娘も当時のことを思い出したのか、少し照れくさそうに笑った。
今、娘の本棚には絵のない本が所狭しと並んでいる。はじめての物語から10年。娘の物語はこれからである。
思わず嬉しくなった私は、久し振りに娘と一緒に、その絵本を声に出して読んだ。あの頃のように二人で、笑いながら。
[画像2:
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マックス・U-18大賞 高校生の部
<三重県> 木原 里菜 さん (17歳)
私は二年になってから進路のことを意識するようになり、将来に対する不安を抱えながら毎日を過ごすようになった。小さいときに習っていたピアノも小学生で辞めてしまってから自分にできることなんてないと自信をなくしてしまった。
そんなある日、単身赴任中の父から一通のメールが届いた。「ピアノを教えてくれ」突然だったので驚いて理由をたずねると、新しいことに挑戦したいからと言っていた。
父はいつも陽気でくだらない話が大好きで、家を離れてからは毎日のように電話をかけてくるような人だ。正直、私は続いて一週間程度だろうと思っていた。
練習一日目、父が送ってきた動画はとても酷かった。リズムなんかはめちゃくちゃで、一緒に見ていた母と声を出して笑った。その日の電話で父にダメ出しをすると、次の日に送られてきた動画でその部分がとても上達していた。
それからは毎日、送られてくる父の動画に感想を言うのが日課になっている。ピアノを弾いている父の顔はとても楽しそうで、挑戦することってこんなにわくわくするものなんだと気付かされた。
まだ不安はあるけれどそんな父の姿に私は勇気をもらっている。がんばろう。今日も送られてきた父のまだ下手くそなピアノを見て思った。
[画像3:
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マックス・U-18大賞 中学生の部
<沖縄県> 岸本 依智日 さん (15歳)
大切にしていた好きなキャラクターのキーホルダーをなくした。祖母から誕生日にもらった物である。その日はテスト終わりの打ち上げに友人たちとショッピングモールへ来ていた。帰る時、いつもは自分1人で歩く道にもう1人。最近初めて喋った子だ。話題が尽きそうで内心ドキドキだった。
キーホルダーがなくなったことに気づいた時はすでにバスが来ていた。しかし、「一緒に探すから」と言う。2人で思い当たる場所を探しまわりながら、自然と会話が弾む。不安だった気持ちもどこかへ行ってしまった。キーホルダーが見つかった時は嬉しかったがそれ以上に相手の優しさに気付けたことが何よりも嬉しかった。思いやりを分けてもらえたことが幸せだった。
彼女が私に示してくれた優しさはキーホルダーと同じくらい大切な宝物だ。宝物ができたこの時間をずっと忘れられない。
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マックス・U-18大賞 小学生以下の部
<佐賀県> KAN さん (9歳)
最近、お母さんと手をつないで歩くのがはずかしい。お母さんは「さびしいなぁ。手つなごうよ~!」とさわぐけど、手をつないで歩いているところをお友達に見られたりしたら甘えんぼみたいでかっこわるいじゃんか!
ぼくは空手を習っていて、この前大会で体の大きな子と対戦。怖かったけど試合の直前までお母さんがゆっくりと背中をなでてくれていた。そしたら何だか強い力がわいてきて、いつも以上に前に出て戦うことができた。結果は負け。くやしくて涙が出たけどそのときもお母さんがいっぱい頭や体をなでてくれた。
広島で一人ぐらししているおばあちゃんが骨折をして、あわててお母さんがむかえに行って佐賀に連れてきた。そのときにお母さんがおばあちゃんの手をにぎっていた。おばあちゃんは安心しているみたいに笑顔になった。お母さんの手はまほうの手。ぼくはまだお母さんの手が必要みたいだ。でもはずかしいからみんなに見られないようにこっそりと、ね。
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マックス賞
[表:
https://prtimes.jp/data/corp/72040/table/45_1_c73218af2640db9ff749b729deb3c498.jpg ]
<岩手県> ゆーふぉー さん (36歳)
7歳と3歳の子どもがいます。下の子はまだまだ抱っこをねだる甘えん坊ですが、上の子は抱っこして欲しいとはあまり言わなくなり「小学生になったし、照れくさいのかな?」と勝手に思っていました。
ある日、上の子と2人きりで出掛けた際、いろいろ見て回ったからか子どもの足どりがゆっくりに…。「疲れたなら抱っこしてあげようか?」と聞くと、上の子がパァっと嬉しそうな顔をしながら「うん!!」と抱きついてきました。「なんだか嬉しそうだね?」と私が言うと「だってお母さん、出掛けるといつも●●(下の子)抱っこするでしょ?2人も抱っこしたら、腰が痛くなっちゃうから、疲れても私がんばって歩いてるんだ!」と、誇らしげに教えてくれました。
こんな風に人を気遣えるようになった事、久々の子の重みに、心身ともに成長しているなと嬉しくなりました。それと同時に「今のこの子の重さや気持ちは、今しか感じられないんだ」とハッとしました。これからも子どもの成長を見逃さないよう、この日の気持ちを忘れないようにしたいと思っています。
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<宮城県> 夜舟 銀 さん (17歳)
ふるさと、という言葉を聞いてまっさきに浮かぶのはなんだろうか。私の場合は、夕焼けの景色でも母の味でもなく、くぐもった古い匂いだった。
岩手のおばあちゃん家はいつも同じ匂いがする。花のような分かりやすい、いい匂いじゃないけれど、ひっそりとした優しい匂い。ここに居てもいいんだよと言ってくれる、そんな匂い。それを嗅ぐと、私はついつい床に寝そべってしまう。いくら注意されてもこればっかりはどうにもならなかった。
誰かが台所で料理をする音が聞こえる。集まった親戚がテーブルで談笑している。隣で従姉妹がスマホを眺めている。
あぁそうか。私は床に寝そべったまま思った。
おばあちゃん家の匂いが優しそうなんじゃない。きっと「優しい」がこういう匂いをしているのだと。私の、大切なふるさとの匂い。
いつの間にか料理の音が止まっていた。カレーの匂いがこっちまで漂ってくる。私のふるさとは、今日もいい匂いで満ちている。
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<山形県> 西城 町子 さん (63歳)
高3の秋頃、空腹で階下に降りると母はいつものように仕事をしていた。冷蔵庫を開けるが何もない。数学が苦手でイラついていた私は「よそは受験生の子にお母さんが夜食を作ってくれるって。あー羨ましい」と母に八つ当たり。母は仕事や家事、舅姑に仕え長年フル回転で料理など覚える暇がなかった。捨て台詞を残し二階に上がり暫くすると何か焦げるような匂い。何だろうと台所に行くと、お皿の上に何か焦げたものが。「やっぱり何作っても駄目だな」と母は照れ臭そうに笑っていた。「何これ?」と言った後は自分も照れ臭くどうしたか覚えていない。が、私はパンケーキの残骸を食べなくても胸が一杯だった。母は今でいう映え料理などとは無縁だったが、野菜嫌いな私のためにいつも工夫してくれていた。炒め煮したキャベツ入りの親子丼は実はずっとお気に入りだ。還暦を過ぎた私が何十年も母考案のキャベツ入り親子丼を作り、食べているのを95歳の母は知らない。
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<大阪府> しま さん (16歳)
私の父は研磨の職人さんです。いわゆる、町工場のおっさんです。
父の手はすごく味のある手で、父の作業服はバフカスで汚れています。そして、父の頭は工場の匂いがします。
私が保育園児の時、急に熱を出した私を父は仕事を中断して作業服のまま急いで迎えに来てくれました。そんな父に私は、
「パパの作業服、汚いから恥ずかしい。」
と言ってしまいました。私のことをいち早く迎えに行くために自分のことは後回しにして来てくれたのに。それからというもの、父は必ず着替えて私の元に来るようになりました。
大きくなっていくたびに自分が父に言ったことがどれほど最低な言葉なのか過去の自分を悔やみます。
私は、父の作業服も、手も、工場の匂いも全部大好きです。
今、この手で頭を撫でられ、最高にかっこいい作業服で抱きしめられ、年季が入っているけれど綺麗に掃除された工場に愛情たっぷり注がれて育っています。
本当に本当にバフカスのついた作業服の工場のおっさんのパパは私の自慢です。
※バフカス…金属や研磨剤のカス
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<大阪府> 荒木 咲和 さん (10歳)
この前テレビでとうもろこしの説明を見た。とうもろこしは品種が同じでもまわりのかんきょうによって糖度が変わるらしい。それを見てうちのパパみたいだと思った。
なぜなら勉強などのやることが早くおわってえらいときはとても甘い。けれどやる事に対してやる気がなくだらけてしまうと「今日のゲームなし」や「今日のおでかけにつれていかない」と言われてしまい糖度が下がる。
別にできるようなレベルでできる量ならさっさとおわらせたいけど、パパもママも出すかだいの量が多くレベルが自分にとって高く感じるから「多いからむり!」と言ってムダな時間を作ってしまう。そのせいでパパの糖度もどんどん下がるし、遊ぶ時間がへってしまう。でも結局は自分のためだからもうちょっとだけでもがんばってみようと思う。そうしたらパパの糖度も上がっていい事があるかもしれないから。
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イラスト:北村人
[画像11:
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1981年東京生まれ。東海大学教養学部卒業。神戸芸術工科大学 非常勤講師。
毎日新聞日曜版「新・心のサプリ」、星野源「そして生活はつづく」などのイラストや「おひさまでたよ」、「カシャッ!」などの絵本制作も手掛けるイラストレーター。
プレスリリース提供:PR TIMES
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記事提供:PRTimes