ispace、EdgeCortix社と月ミッションでの最新AI活用に向けた共同開発に合意
株式会社ispace
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株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)(証券コード9348)は、エネルギー効率の高い人工知能(AI)処理に特化した、東京に本社を構えるファブレス半導体企業のEdgeCortix社と、将来的な月面探査活動において、AIプロセッサを使用したシスルナ開発を促進するための戦略的な協力に関する合意を発表しましたのでお知らせいたします。
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株式会社ispace 代表取締役CEO & Founderの袴田武史(左)とEdgeCortix株式会社CEO兼創設者のダスグプタ サキャシンガ博士(右)
両社は、既存および将来入手予定のミッションデータを用いた、月面探査に焦点を当てた協力に合意いたしました。本覚書では、EdgeCortix社が特許を取得した低レイテンシのDynamic Neutral Accelerator (DNA)とMERAコンパイラ&ソフトウェアフレームワークを搭載した、業界最高効率を提供可能な最先端AIアクセラレータ、SAKURA-IIを、ispaceのミッションに 活用することに合意しています。
今年1月、EdgeCortix社はSAKURA-I AIアクセラレーターが高レベルの耐放射線性を備えており、地球軌道や月面を含む宇宙ミッションに適していることを技術的に証明しました。宇宙空間での完全自律性を実現する目標を推進するために立ち上げられた、NASAの電子部品およびパッケージングプログラム(NEPP)は、EdgeCortixのAIアクセラレーターに対して2段階にわたるテストを実施しプロトンおよび重イオン放射線に照射した結果、宇宙のような環境においても放射線衝撃に耐える能力を高く評価しました。
現在、ispaceはMission 2 “SMBC x HAKUTO-R VENTURE MOON”(以下ミッション2)を実施しており、2025年2月15日(土)午前7時43分(日本時間)に、RESILIENCEランダーは月表面から高度約8,400kmの地点を通過、史上初の民間月着陸船による「月フライバイ」を成功させ、低エネルギー遷移軌道を利用して月を目指しています。
■ 株式会社ispace 代表取締役CEO & Founder 袴田武史のコメント
「AI技術のリーダーであるEdgeCortix社との協力により、シスルナ経済圏の構築のため、共に月面における課題の解決に取り組んでいけることを嬉しく思います。」
■ EdgeCortix株式会社 CEO兼創設者のダスグプタ サキャシンガ博士のコメント
「私たちは、SAKURA-IIのAI専用プロセッサを月周回システムに統合するための戦略的計画をispaceと共同で開発できることを嬉しく思います。宇宙はエッジコンピューティングの最後のフロンティアであり、私たちは、ミッション中のAIワークロードのインテリジェンス、効率性、有効性を向上させるというispaceのミッションを支援したいと考えています。」
ispaceは、日・米・欧の3法人でそれぞれの地域の文化や多様性を活かしながら、1つの統合的なグローバル企業として宇宙開発を進めてまいりました。2025 年 1 月15日に日本法人が主導するミッション2の打ち上げを完了、続いて2026年には米国法人が主導するミッション3を順次実行していく計画です。また、2027年には、現在日本で開発中のシリーズ3ランダー(仮称)を用いたミッション4(旧ミッション6)を予定しています。世界中の政府、企業、教育機関からの高まる需要に応えるため、ispaceはミッション3およびそれ以降のミッションのペイロードサービス契約とデータサービスを提供してまいります。
■ EdgeCortix株式会社(
https://www.edgecortix.com/ja/ )について
EdgeCortixは、エッジにおける生成系AIワークロードのエネルギー効率に優れたAI処理に特化したファブレス半導体企業です。2019年に設立された同社は、東京に研究開発本部を置き、AIに特化したランタイムで再構成可能なアクセラレータ・プロセッサを一から設計する特許取得済みの「ハードウェアとソフトウェアの協調探索」システムにより、ソフトウェアファーストのアプローチを提供しています。 EdgeCortixの製品は、電気通信、防衛、航空宇宙、スマートシティ、インダストリー4.0、自動運転システム、ロボティックスなど、急成長するエッジAIハードウェア野での活用推進を支援しています。
■ 株式会社ispace (
https://ispace-inc.com/jpn/ )について
「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在約300名のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営した。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、月市場への参入をサポートするための月データビジネスコンセプトの立ち上げも行う。2022年12月11日には SpaceXのFalcon 9を使用し、同社初となるミッション1のランダーの打ち上げを完了。続くミッション2は2025年1月15日に打上げを完了し、ミッション3は2026年[i]、ミッション4(旧ミッション6)は2027年に[ii]打ち上げを行う予定。
ミッション1の目的は、ランダーの設計および技術の検証と、月面輸送サービスと月面データサービスの提供という事業モデルの検証および強化であり、ミッション1マイルストーンの10段階の内Success8まで成功を収めることができ、Success9中においても、着陸シーケンス中のデータも含め月面着陸ミッションを実現する上での貴重なデータやノウハウなどを獲得することに成功。ミッション1で得られたデータやノウハウは、後続するミッション2へフィードバックされる予定。更にミッション3では、より精度を高めた月面輸送サービスの提供によってNASAが行う「アルテミス計画」にも貢献する計画。
[i] 2025年2月時点の想定
[ii] 2025年2月時点の想定
プレスリリース提供:PR TIMES
記事提供:PRTimes