シンガポールとマレーシア両国政府、ジョホール・シンガポール経済特区の設立に合意
シンガポール経済開発庁
シンガポールとマレーシアは、ジョホール・シンガポール経済特区(JS-SEZ)合意のもと、当初5年間で50件のプロジェクト、10年間で累計100件のプロジェクトを共同で促進・支援
貿易産業省の報告書(原文英語)により、以下のとおり合意内容が発表されました。
- マレーシアは、JS-SEZへの進出や事業拡大を目指す企業の手続きを簡素化、迅速化するためのワンストップ・ファシリテーション・センター「マレーシア投資促進センタージョホール支所(IMFC-J)」を設立予定- 2024年3月より、マレーシアからシンガポールへの陸上検問所において、パスポート不要のQRコード通関を導入。交通渋滞の大幅緩和、移動の円滑化を実現- 産業界のニーズに応えるため、技術・職業教育訓練(TVET)分野における様々なパートナーシップを強化、実施
シンガポールとマレーシアは2025年1月7日、第11回マレーシア・シンガポール首脳会談において、ジョホール・シンガポール経済特区(JS-SEZ)の設立に最終合意をしました。この合意は、アンワル・イブラヒム首相とローレンス・ウォン首相が立会いのもと、シンガポールのガン・キムヨン副首相兼貿易産業相とマレーシアのラフィジ・ラムリ経済相によって締結されました。
本件の合意の目的は、1. シンガポールとジョホール州間の国境を越えた物流を促進する、2. 人流をより容易なものとする、3. 地域内のビジネス・エコシステムを強化することにより、ジョホール州とシンガポールのバリュープロポジションを強化し、双方が共にグローバルな投資を獲得することです。シンガポールに拠点を置く企業は、シンガポールとジョホール州が提供する相互補完的な強みを活用し、海外での事業展開や事業提携を行うことで、モノとヒトの強いコネクティビティの恩恵を受けることができます。
合意の主な内容
MTIとマレーシア経済省の共同声明(報告書原文 Annex A)には、1. JS-SEZエリア、2. 主要協力分野、3. 具体的な取り組みなど、JS-SEZ協定の詳細がまとめられています。
初期の取り組み
シンガポールとマレーシアは、JS-SEZの実現に向けて、企業からのフィードバックに基づいた以下のような初期イニシアティブを開始しています。
- 2024年3月に、マレーシアからシンガポールへの陸上検問所におけるパスポート不要のQRコード通関が導入されました。それによりマレーシアとシンガポールを結ぶコーズウェイの交通渋滞が緩和されました。- JS-SEZでの事業設立や進出を検討している企業の事務プロセスを合理化し、迅速化するワンストップ・ファシリテーション・センターとして「マレーシア投資促進センタージョホール支所(IMFC-J)」が設立されます。- 産業界のニーズを満たすための技術・職業教育訓練(TVET)における次のようなパートナーシップが強化されています。主な取り組みとして、シンガポール・ポリテクニックとマレーシア製造業者連盟(FMM)のパートナーシップ、シンガポールのITE教育サービス(ITEES)とジョホール州技能開発センター(JSDC)間のMOU、リパブリック・ポリテクニックとジョホール州人材開発評議会(JTDC)間の人材開発に関する調印などがあります。- 陸上複合一貫輸送のための貿易業者の通関手続きが合理化されました。従来必要であった2つの許可申請が、2025年1月1日以降は、シンガポール税関に1つの積替許可証を申請するだけで済み、事業者のコスト削減と効率化に繋がります。
二国間の経済協力
シンガポールとマレーシアには強い経済的結びつきがあります。2023年には、マレーシアはシンガポールにとって第3位の、シンガポールはマレーシアの第2位の貿易相手国で、二国間貿易総額は1,236億SGD[1](約14兆円/ 1SGD=113円換算)となりました。また、同年のマレーシアへの最大の海外直接投資(FDI)国はシンガポールで、FDI総額の23.2%にあたる437億RM(約1兆4,858億円/ 1RM=34円換算)が拠出されています[2]。
マレーシアのジョホール州は、経済パートナーシップの強化とコネクティビティの向上により、シンガポール企業にとって重要な投資先となっています。2023年には、ジョホール州は310億RM(約1兆540億円)の直接投資を記録し、製造業分野ではシンガポールと米国が主な投資国となりました[3]。
貿易産業省の報告書(原文英語)はこちらをご覧ください。
[1] Singapore Department of Statistics (DOS), February 2024.
[2] Malaysian Investment Development Authority (MIDA), February 2024.
[3] Malaysian Investment Development Authority (MIDA), May 2024.
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記事提供:PRTimes