リアルテックグローバル2号ファンド、砂蓄熱技術を活用してエネルギー問題の解決を目指すベトナムスタートアップのAlternō(アルテルノ)に出資
UntroD Capital Japan

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UntroD Capital Asia Pte. Ltd.(アントロッド、所在地:シンガポール、Managing Director:丸幸弘、以下「当社」)が運営するリアルテックグローバル2号ファンド(以下「G2号ファンド」)は、砂蓄熱技術を活用してエネルギー問題の解決を目指す、ベトナム発スタートアップのAlternō Pte. Ltd.(アルテルノ、所在地:シンガポール・ベトナム、CEO:Hai Ho、以下「Alternō社」)のプレシリーズAラウンドにおいて新規出資を実施しました。
本出資は、当社をリード投資家とし、アジア開発銀行の傘下投資会社※1(ADB Ventures)と共に、Alternō社の製造・事業開発を支援するものです。また、本出資は当社にとって初のベトナム発スタートアップへの出資となり、今後も同国のディープテックスタートアップエコシステムの発展に貢献すべく、投資活動を加速して参ります。
工業プロセスで発生するエネルギー問題と砂蓄熱技術の可能性
電力供給が不安定なベトナムやフィリピンなどの東南アジア諸国では、化学、金属加工、食品加工、製紙、セメント産業などの工業プロセスにおいて、安定した熱供給と脱炭素化を両立できる蓄エネルギーソリューションが求められています。しかし、従来の主たるソリューションである蓄電池は、リチウムやコバルト、ニッケル等レアメタルのコスト及び調達リスクが高く、安全性や耐久性にも課題があるため十分に普及していません。その結果、産業用エネルギー消費の70%以上を占める熱エネルギーのうち、50%以上を占める低・中温域の熱需要は、依然として化石燃料への依存度が高く、環境負荷増大を招いています。
この課題の解決策として注目されるのが蓄熱技術です。従来、水や氷などが蓄熱媒体として活用されてきましたが、特に「砂」は融点が高く、高温度帯での熱供給が可能な上、安価で入手し易く、劣化しにくいという特長があります。また、砂は地場での調達が容易な原材料であり、ローカルにてプロダクトを製造・展開し易く、有害物質も使用しません。砂蓄熱は、単位当たりのエネルギー密度では蓄電池に劣るものの、低コストで長寿命であり、幅広い温度帯に対応できるため、産業プロセスの脱炭素化を実現する現実的なソリューションとして期待されています。
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他蓄熱材と比較した「砂」の特徴
Alternō社が開発する「砂電池」とその可能性
Alternō社は、2022年にベトナム・ホーチミン市で発生したガソリン危機をきっかけに、世界のエネルギー問題を解決したいという思いで、連続起業家のHai氏が2023年に創業しました。その後、サムスンやABBでサプライチェーンマネジメントやハードウェア自動制御開発に携わったNam氏をCTOに迎え入れ、砂蓄熱技術を用いた効率的な熱供給ソリューション「砂電池」の開発に成功しました。Alternō社の砂電池は、現時点で最大800度までの熱供給ができ、顧客の要件に応じて熱供給温度を調整することが可能です。特に、出力部に独自の断熱バルブを採用することで、放熱率を最小限に抑えることに成功しています。
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CEOのHai氏(右)とCTOのNam氏(左)
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ベトナム工場の製造現場
既にペプシフーズ・ベトナムの食品工場、ベトナムを代表するコーヒーメーカーのMyViet社の飲料工場などで実証実験を開始しております。コーヒーの「乾燥・焙煎」工程、スナック菓子の「油揚」工程、飲料の「蒸留」工程での導入が進んでおり、既存の工場ラインを大幅に変更せずに導入できる点が評価されています。さらに、自動車産業や繊維産業における乾燥工程や、将来的には地域暖房を賄う蓄熱ソリューションとしての応用可能性も期待されています。
砂電池の商業化を加速するプレシリーズAラウンドを実施
Alternō社との出会いは、2023年にベトナムで開催された「TECH PLANTER in Vietnam(株式会社リバネス主催)※2」で、UntroD賞を受賞したことがきっかけでした。その後、Antler※3および144 Venturesから出資を受け、その資金を活用してプロトタイプを完成させました。さらに、2024年には、世界約100の国と地域のスタートアップが参加する世界最大級のスタートアップ・ピッチコンテスト「Startup World Cup 2024※4」の世界決勝戦において、ASEANで唯一のファイナリストとして表彰されました。
既に日本国内の多くの事業会社から引き合いを受けており、中長期的な日本での量産・販売も見込んでおります。当社がリードする本ラウンドでは、アジア開発銀行の傘下投資会社(ADB Ventures)も参画し、ベトナムのみならず、東南アジア、そして日本における事業展開を支援して参ります。
また、本出資は、シンガポール国立大学MBA在学中のインターン生・関向直志氏の協力のもと実現しました。エネルギー業界出身の関向氏は、2024年1月より当社にインターンとして参画し、Alternōへの出資支援をはじめとする東南アジアの有望スタートアップの発掘・支援に貢献して参りました。当社は今後も、MBAプログラム等との連携を強化し、次世代の投資人材と共に地域エコシステムの発展に取り組んで参ります。
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Alternō経営陣とUntroDメンバー
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※1 アジア開発銀行(ADB)ベンチャーズについて
アジア開発銀行は、アジア・太平洋地域における経済成長及び経済協力を促進し、開発途上国の経済発展に貢献することを目的として1966年に設立された国際開発金融機関。
ADBベンチャーズは、アジア開発銀行傘下のベンチャー・プラットフォーム。インパクトの高い技術を活用したソリューションの提供を通じて、アジア・太平洋地域における持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献するスタートアップ企業 60社以上に対して支援と投資を行っている。
※2:
TECH PLAN DEMO DAY in Vietnam 2023
※3:Antlerについて
アーリーステージに特化し起業家を支援する世界最大規模のグローバルベンチャーキャピタルです。2017年にシンガポールで設立され、現在世界25都市で展開。これまでに3,000名以上の起業家と、500社以上のスタートアップを支援。
※4:
スタートアップワールドカップ2024速報レポート
地球や人類の課題解決に資する研究開発型の革新的テクノロジーを有するディープテックスタートアップの社会実装を目的とした「リアルテックファンド」を2015年に設立し、シード・アーリーステージのスタートアップへのリード投資およびハンズオン支援を行ってきました。現在までに、リアルテックファンド1号~4号(日本ファンド)、リアルテックグローバルファンド1号・2号(グローバルファンド)、リアルテックグロースファンド1号(日本ファンド)を運用し、運用総額は400億円以上に達しています。社会に必要とされながら資本が流れにくい未踏領域に誰よりも最初に踏み出し、その経済性を証明することで資本や人材が供給され続ける持続的な仕組み創りを目指す、その意志をより一層体現するため、「未踏」を意味する「UntroD」を社名として掲げ、2024年6月に再始動しました。
HP:
https://untrod.inc
UntroD Capital Asia Pte Ltd
広報担当:成田
contact_global@untrod.inc
プレスリリース提供:PR TIMES





記事提供:PRTimes