草川工業株式会社 代表取締役 草川晃吉のインタビュー記事を『人民日報海外版日本月刊』にて公開
人民日報海外版日本月刊

『人民日報海外版日本月刊』は、草川工業株式会社 代表取締役 草川晃吉氏のインタビュー記事を2025年5月23日(金)に公開しました。
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草川工業株式会社 代表取締役 草川晃吉
名古屋に根を張り、自ら動き、現場で学び、未来を拓く──。115年にわたり受け継がれてきた「草川イズム」が、いま中国市場に新たな息吹を吹き込もうとしている。住宅リフォームや高齢者施設向け設備改善、住宅建材の工業化といった急速な社会変化に応え、草川工業は日本で培った技術力と現場対応力を武器に、中国の成長市場への挑戦を本格化させている。ゴールデンウイーク初日、春の陽光あふれる名古屋で、バイタリティあふれる草川工業株式会社 代表取締役・草川晃吉氏にインタビューした。
■人材力・技術力・商品力で支える総合住宅サービス
―― 現在、御社はガス機器、リフォーム、制菌サービスなど複数の分野で事業を展開されています。それぞれの事業における御社ならではの強みや特徴についてお聞かせください。
草川 当社の強みは、ガス事業における東海地方トップクラスの職人数と高い技術力にあります。職人数が多いため、1日10件、20件と現場を着工でき、新築戸建てからマンション・大型施設まで幅広く対応可能です。施工経験が豊富なため技術習得も早く、メーカーから新商品のテスト施工も依頼されています。また、10年以上前からジョブ型採用を導入し、営業職にも幅広い知識を持たせ、全社で知識を共有する体制を整えています。
リフォーム分野では、工事店ならではの視点で難易度の高い案件にも柔軟に対応し、施工後のトラブルを未然に防ぐ提案力を強みとしています。営業と施工の連携による豊富な実績により、取引先から高い信頼を得ており、仕入れ価格でも優遇され、お客様にお値打ち価格で商品を提供できる点も当社の大きな競争力です。
菌が減少する現象を「制菌」と呼びますが、抗菌よりも非常に効果が高いウイルス対策としての「DeoFactor(デオファクター)」サービスでは、無色無臭の特殊液剤により菌やウイルスを除去する技術を展開し、清潔性と利便性を兼ね備えた商品開発にも力を入れています。
人材力・技術力・商品力を結集し、総合的なサービス提供を実現している点が、当社の最大の強みであると自負しています。
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制菌施工の様子(1)
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制菌施工の様子(2)
■草川イズムが支える115年の歩み
―― 1910年の創業以来、115年にわたって事業を続けてこられた理由と、企業を長く続けるために大切にされてきた考え方についてお聞かせください。
草川 私が入社した30年前、草川工業はまだ10人にも満たない小さな会社でした。その中で私が徹底してきたのは、「仕事を断らない」という姿勢です。困っているお客様に対して「できない」と答えれば、信頼を損なうことになる。だからこそ、常に相手の立場で考えることを大切にしてきました。
この考え方は、社員にも「草川イズム」として伝えてきました。社内に垣根を作らず、誰かに任せるのではなく自ら動く。役職に関係なく現場に立ち、背中で示すことが、行動を促す原動力になっていると感じています。私自身も現場経験を生かして営業や管理に携わっており、現場を知る者としてのリアリティが、社員への説得力にもつながっています。
一人ひとりが「自分ごと」として行動する文化を築き、それを地道に続けてきたことが、115年にわたる当社の歩みを支えてきたと実感しています。
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草川工業の職場風景
■技術と信頼を中国市場へ
―― 御社はSDGsの実現に向けた取り組みにも積極的で、特にモンゴルでのエネルギー転換プロジェクトは注目されています。中国でも「脱炭素」や「省エネ」への関心が高まる中、今後、中国企業との連携や中国市場への展開を視野に入れておられますか。
草川 当社は「持続可能な開発目標(SDGs)」に積極的に取り組み、海外でも関連事業を推進しています。百年企業として、こうした社会的責任を果たすことは当然と考えています。
中国との関係は、祖父の代からで、父も早い時期に事業交流を図り、私自身も若い頃に訪問しました。当時と比べ、現在の中国は目覚ましい発展を遂げており、今月訪れた上海でもその変化を実感しました。
現在、当社では中国市場への本格展開を進めています。社員からの報告によれば、住宅リフォームや高齢者向け住宅改善へのニーズが高まり、住宅建材の工業化も大きなテーマとなっています。これらは日本がかつて経験した発展段階と重なり、当社の施工技術や現場管理ノウハウを中国市場に共有できると考えています。
具体的には、上海、香港、南京、湖州などでパートナー企業と連携し、住宅建材の販売や施工指導を展開。トクラス(旧ヤマハリビングテック)やノーリツ、リンナイと連携し、中国市場での施工支援にも取り組んでいます。
当社の中国事業は、住商メタレックスの依頼で蘇州・無錫の積水ハウス別荘地における床暖房工事を手がけたのが始まりです。以来、上海のマンション開発での床暖房施工指導など、現場ベースで着実に積み重ねてきました。
今年3月には香港のリフォーム会社と、4月には湖州市の企業と新たに提携しました。今後は、住宅設備分野にとどまらず、高齢化社会を見据え、介護・養老施設向けリフォームにも力を入れていきます。
中国とはコロナ禍を除き、毎月のように交流を続けてきました。初訪問時の大連工場見学から10数年、IT分野などは大きく進化する一方で、住宅内部の構造面にはまだ改善の余地があると感じています。こうした分野に、当社のリフォーム技術や施工管理経験を生かし、現地企業と連携して貢献していきたいと考えています。
住宅建材の工業化による標準仕様の確立は、施工人材の育成と労働力の職業化・産業化を後押しするものであり、これも草川工業が果たすべき社会的責任だと強く認識しています。
■人材育成で未来を拓く
―― 少子高齢化や労働人口減少が進む中で、住宅設備業界が直面する課題と、御社が進めている取り組みについてお聞かせください。
草川 職人数の減少は当社だけでなく、業界全体に共通する大きな課題だと認識しています。これに対して当社では、野球部の設立と外国籍人材の積極登用の二つの取り組みを進めています。
野球部は、昨年2月から準備を進め、1年かけて発足。今年3月には地域の草野球リーグにも加盟し、社員、協力会社、取引先のメンバー約20名で活動しています。新卒社員3名も野球部に加わり、社内にも良い活気をもたらしています。
発足のきっかけは、元中日ドラゴンズ関係者からの「若手人材確保につながる」との提案でした。元選手と元寮長の二人を顧問に迎え、小学校訪問など地域貢献活動も行っています。働きながら野球を続けられる環境を整え、若手育成にもつなげています。
また、外国籍人材については、10年以上前から中国籍社員を積極採用し、住宅設備技術を身につけた人材が中国でも活躍しています。特定技能制度開始時には、東海地方で最速クラスの特定技能配管1号取得者も採用しました。
今後も、課題を悲観せず、柔軟な取り組みを積み重ねることで、他社にない強みを築き、チャンスへと変えていきたいと考えています。
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草川工業の野球部
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草川工業野球部の試合の様子
■地域とともに歩む
―― これまで矢場町で開催してきたお化け屋敷やだるまゲームなど、ユニークな文化イベントを通じた地域共生への考えをお聞かせください。
草川 当社では2011年から、お化け屋敷や謎解きゲーム、イリュージョンショーなど、ベンチャー精神を生かした個性的なイベント事業に取り組んできました。クライアントやエンドユーザーの皆様からもご好評をいただいています。
この事業は、先代・草川善夫の代に、創業100周年を機に地域の皆様への感謝を形にするために立ち上げたものです。名古屋市中心部の栄と大須をつなぐ仕組みを構築し、商店街間の交流促進にも寄与しました。単なる催しにとどまらず、地域全体の活性化を目指した取り組みです。
現在も、地元図書館への書籍寄贈や、市役所へのマスク寄付など、小さな形での地域貢献を続けています。私自身、「地域共生」とは、地域とともに成長し、必要とされ、喜ばれる存在であり続けることだと考えています。これからも地道な活動を重ね、地域社会との信頼関係を深めていきたいと思っています。
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地域貢献
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交流イベントの一幕
■伝統を守り、新たな未来へ
―― 本年2025年に創業115周年という大きな節目を迎えられました。今後120周年、さらには150周年に向けて、御社が目指すビジョンについてお聞かせください。
草川 これからの展望については、なにか新しいことに飛びつくのではなく、今取り組んでいる事業の土台を着実に築き、継続していくことが最も重要だと考えています。
特に職人の育成については、一朝一夕で技術が身につくものではありません。若い世代が入社した際に、技術習得を自然なサイクルとして定着させ、ルーティン化していく仕組みづくりが不可欠だと感じています。
職人を自社で抱え、育て続けることこそが、施工力を維持し、「草川工業に頼めば安心」と言われる存在であり続けるための中長期戦略であり、これからの時代においても圧倒的な強みになると確信しています。
特に今後、業界全体で深刻化するであろう人手不足の中で、確実に施工を引き受けられる体制を維持することが、当社の価値をさらに高めると考えています。今年4月からは金沢に新たな拠点を開設し、現地のガス会社と連携しながら、施工力を軸とした地域展開を進めています。
また、東日本大震災後には、オール電化が主流だった東京においても、電力不足を背景にガスニーズが高まったことを受け、小規模ながら事務所を開設しました。これまでも、その時代、その地域のニーズに柔軟に応じて対応してきた経験を、今後も生かしていきます。
さらに、今後は中国市場への本格的な展開にも注力していきます。現在、中国には社員1名を派遣していますが、これをさらに拡充し、日本からのサポート体制も強化する予定です。中国では住宅リフォームや高齢者施設向け設備改善への需要が拡大しており、当社の経験と技術が十分に活かせる場が広がっています。
また、医療・ヘルスケア分野への展開にも力を入れています。当社の制菌サービス「DeoFactor(デオファクター)」を活用し、医療施設や介護施設、養老施設など、より高い衛生環境が求められる分野への展開を進めています。コロナ禍を契機に培った技術と実績を活かし、今後も社会課題の解決に貢献していきたいと考えています。
中国市場においても、住宅建材の工業化や高齢化社会への対応といった成長機会は大きいと見ており、引き続き積極的に取り組んでいきます。120周年、さらに150周年に向けて、私たちはこれまで以上に「草川イズム」を大切にしながら、堅実に、そして大胆に、新たな挑戦を続けてまいります。
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記事提供:@Press