Ocean Census、JAMSTECと日本で初の共同深海探査を開始
Ocean Census Limited

[画像1:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/162983/1/162983-1-021df62d4852bfdc4cabacea9a8c6e8d-3500x1969.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
Nippon Foundation-Nekton Ocean Census(英国、ディレクターOliver Steeds、以下Ocean Census)は、2025年6月より海洋研究開発機構(神奈川県横須賀市、理事長 大和裕幸、以下JAMSTEC)と連携し、有人潜水調査船「しんかい6500」を用いて、日本の深海に広がる未知の生態系を対象とした20日間にわたる深海探査を実施します。
本探査は、JAMSTECの深海潜水調査船支援母船「よこすか」に乗船し、日本の排他的経済水域(EEZ)内に位置する南海トラフや七曜海山列など、生物多様性に富む深海域を調査対象とし、この海域における海洋生物多様性を明らかにすることを目指します。
JAMSTECの河野健理事は次のように述べています。「本探査は、単なる未知の世界への旅ではなく、海洋の生物多様性の発見を促進するという共通のビジョンのもと、知識と専門性が結集した取り組みです。JAMSTEC の有人潜水調査船『しんかい6500』を中心に据えたこのミッションは、深海研究における国際連携の新たな可能性を示します。Ocean Censusと協力し、これまで探査が進んでこなかった海域に生息する生物への理解を深め、地球の生物多様性の保全に貢献していくことを目指しています。」
Ocean Censusは、海洋生物の発見を加速することを目的とした、世界最大規模のプログラムであり、2023年に日本財団とNekton財団によって発足しました。今回のJAMSTECとの探査は、「国連海洋科学の10年」によって認定されたこの国際的な取り組みに対する、日本からの主要な貢献となります。
日本の技術と世界の科学を融合した深海探査
本探査は、海洋技術と科学分野における日本のリーダーシップを体現する取り組みです。最大6,500メートルの深さまで潜航可能な世界有数の有人潜水調査船「しんかい6500」は、1990年の運用開始以来、1,800回以上の潜航実績を誇り、日本の深海研究を象徴する存在です。
本探査の首席研究員を務めるJAMSTECの矢吹彬憲博士は次のように述べています。「『しんかい6500』を日本近海で活用し、世界の科学に貢献できることを誇りに思います。日本の海には驚くほど豊かな生物多様性が広がっていますが、いまだほとんど調査が進んでいない海域も多く存在します。」
本探査には、JAMSTEC、Ocean Census、名古屋大学、北海道大学、オーストラリア国立大学の科学者たちが参加します。火山性の海山やメタン湧出帯など、多様な深海生態系において、10回以上の潜航を行い、生物の採集とその記録を行う予定です。
Ocean Censusの探査隊共同リーダーであり、科学部門責任者を務めるミシェル・テイラー博士は次のように述べています。「今回の探査は単なる新種発見にとどまらず、日本が主導し、世界と共有する新たな海洋保全のための知識基盤を構築する取り組みでもあります。JAMSTECの長年の実績と優れたインフラ、そして日本財団の支援により、これまで科学的に記録されていない数多くの新種が発見されることを期待しています。」
[画像2:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/162983/1/162983-1-a267060ebc58f1eb331384d9746f2103-3500x2478.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
発見の成果をすべての人へ
Ocean Censusは、研究成果を迅速かつ公平に社会に届ける「オープンサイエンス」の理念のもと、本探査で得られたすべての発見を、
「Ocean Census生物多様性プラットフォーム」を通じて無償で一般公開する予定です。さらに、2025年末にはJAMSTEC本部にて、新種発見ワークショップの開催を予定しており、日本および海外の研究者が本探査で収集された生物の分類・記録を進めます。
探査期間中は、日本国内での一般向けの活動として、SNSによる情報発信や教育機関との連携、調査船からの迫力ある映像など、さまざまな取り組みを実施予定です。Ocean CensusのSNSアカウント(Instagram:
@oceancensus_japan /
@oceancensus X:
@oceancensus_jp /
@oceancensus)では、探査の様子を随時ご覧いただけます。
深海潜水調査船支援母船「よこすか」が出航し、「しんかい6500」が未知の深海へと挑むミッションは、地球最後の未開拓海域を迫る貴重な機会であり、国際連携、科学的探究心、発見の力が結集した象徴的な取り組みです。
Ocean Censusについて
The Nippon Foundation-Nekton Ocean Censusは、海洋生物の発見を加速させることをミッションとする世界最大級のプロジェクトです。地球上の70%以上が海洋に覆われているにもかかわらず、海洋は最も未開拓な生態系の1つであり、正式に記録されている海洋生物種はわずか24万種に過ぎません。科学者たちは、これに加えて数百万種の未発見の生物が存在すると推定しています。
日本財団とNekton財団が2023年4月に立ち上げたOcean Censusは、こうした知識のギャップを埋めるための世界的ミッションです。大規模な探査、最先端技術、パートナーとのグローバルなネットワークを通じて、海洋生物の発見と理解に変革をもたらします。すべての調査結果は、 「Ocean Census生物多様性プラットフォーム」を通じて、自由にアクセスすることができます。
「国連海洋科学の10年」の認定されているOcean Census は、科学、メディア、慈善事業、企業、市民社会にわたる世界的な連携によって支えられています。
海洋研究開発機構(JAMSTEC)について
海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、海洋国家の日本において、海の研究を通じて、科学技術の向上、学術研究の発展、地球や生命の理解などに広く貢献するための活動に取り組んでいます。
地球環境の把握、海洋資源の利用、地震・火山活動に関する調査研究を推進しています。さらに、研究活動によって得られたデータから新たな価値を生み出し、社会・経済のニーズに貢献するための研究開発を進めています。
日本財団について
日本財団は1962年、日本最大規模の財団として創設以来、教育、医療、食料安全保障、海洋保全などの分野でさまざまなプロジェクトを支援してきました。日本財団は、国内外の主要な科学機関との連携を通じて、日本および世界における海洋科学の発展に貢献しています。
プレスリリース提供:PR TIMES





記事提供:PRTimes