その他 – とれまがニュース

経済や政治がわかる新聞社や通信社の時事ニュースなど配信

とれまが – 個人ブログがポータルサイトに!みんなでつくるポータルサイト。経済や政治がわかる新聞社や通信社の時事ニュースなど配信
RSS
製品 サービス 企業動向 業績報告 調査・報告 技術・開発 告知・募集 人事 その他
とれまが >  ニュース  > リリースニュース  > その他

人の呼吸現象を応用した二相液浸冷却技術を発展させ、世界最高の冷却性能を達成、国内外でのイノベーション創出を加速

LTS

人の呼吸現象を応用した二相液浸冷却技術を発展させ、


ポイント
- 成長型中小企業等研究開発支援事業 (Go-Tech 事業)で開発した「人の呼吸現象を応用した自発的な液供給機能を有する二相液浸冷却技術により次世代型電気自動車のインバータや高度情報化社会を担うデータセンター・サーバの熱問題を解消する世界一の放熱性能を達成しました。- 本冷却技術に関して国内での社会実装が加速しつつあり、今後の海外展開を見越して一般社団法人日本液浸コンソーシアムを組成しました。ステイクホルダーとの共創により国際競争力を強化し、世界に先駆けて標準化を進め、次世代型電気自動車のインバータや高度情報化社会を担うデータセンター・サーバの新たな冷却技術としてグリーントランスフォーメーション(GX)の実現に大きく貢献します。

※成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)
https://www.kansai.meti.go.jp/3-5sangyo/sapoin/houshien/sapoin.html


【概要】
山口東京理科大学工学部機械工学科の結城 和久 教授、結城 光平 助教および株式会社ロータス・サーマル・ソリューションの井手 拓哉(代表取締役社長)、村上 政明(研究員)、大串 哲朗(研究員)らの共同研究チームは、成長型中小企業等研究開発支援事業により、近代社会の大きな課題であるカーボンニュートラル、すなわちグリーントランスフォーメーションに大きく貢献する二相液浸冷却技術を開発しました。この技術では、人の呼吸現象に模した特殊な流動現象「ブリージング現象」を利用し、世界最高の冷却性能を達成しました。従来の実装可能な二相液浸技術の最大性能が300W/cm2程度であるのに対し、ブリージング現象を用いた冷却実証試験の初期(A-STEP事業(JST))において534W/cm2を達成し、その後、成長型中小企業等研究開発支援事業 (Go-Tech 事業)の支援を受け、未踏の735W/cm2実現しました。この成果により、二相液浸技術の実装設計において重要な高い安全率を確保し、ランニングコストと脱炭素化に優れる冷却システムを構築、社会実装を劇的に加速させることができます。既に電気自動車インバータ用ベーパーチャンバー型冷却器(1)、更には高度情報化社会を支えるデータセンター・サーバの冷却器「sola」(2) が製品化されています。一方、日本国内におけるデータセンター・サーバへの二相液浸冷却技術の導入検討は、世界に後れを取っています。そこで結城教授ら研究チームは、冷却技術開発と並行してステイクホルダーとの共創の場である「一般社団法人日本液浸コンソーシアム」を設立しました。今後、世界に先駆けて国際標準化を進め、産学官の連携により次世代電気自動車のインバータや高度情報化社会を担うデータセンター・サーバの冷却においてエコシステムでグリーントランスフォーメーションに大きく貢献するイノベーションを創出します。

本研究成果は ELSEVIER より出版されている「Applied Thermal Engineering」に2025年5月9日に掲載されました(https://doi.org/10.1016/j.applthermaleng.2025.126776)。※オープンアクセス
Kazuhisa Yuki, Takuya Ide, Kohei Yuki, Tetsuro Ogushi, Masaaki Murakami
Critical heat flux enhancement by breathing phenomenon induced by lotus/groove heat transfer surface
Applied Thermal Engineering, 274 (2025) 126776
https://doi.org/10.1016/j.applthermaleng.2025.126776


【背景】
現在、世界は深刻なエネルギー危機と環境問題に直面しています。世界のエネルギー需要は2050年に2022年比で30%増になると予想されていましたが、急成長を見せる高度情報化社会により電力需要が予想を超えて遥かに伸びることは間違いありません。今後、豊かなエネルギー社会を構築するためには、安価で安定した電気を供給できるベース電源を早急に確保することが重要ですが、その一方で省エネルギー技術の普及が強く期待されています。省エネルギー技術のなかで最も注目されている技術がパワーエレクトロニクスであり、特に近年、SiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)などのワイドバンドギャップ半導体が低電力損失の観点から注目されています。特にSiCに関しては、温室効果ガスの排出抑制やカーボンニュートラルへの意識向上も相俟って、次世代の電気自動車や燃料電池車の車載用インバータとして導入が期待されています。しかしながら、チップの小型化や大電流化に伴い、その発熱密度は500W/cm2を超えると想定されており、この発熱を従来の水冷技術(ポンプによる水の強制循環液冷)で対応しようとすると、冷却のための電力消費が既存機器の10倍以上に達してしまいます。更に近年、AIを活用する高度情報化社会の急激な進展により、データセンターの消費電力も飛躍的に増大し、省エネ化が急務の課題となっています。特にAIサーバにおける発熱密度は将来100W/cm2を超える勢いです。これらはカーボンニュートラルを目指す近代社会において大きな矛盾であり、このような背景のもと結城教授らは冷却用ポンプを利用しない液浸冷却技術に注目し、新しい冷却手法の開発に取り組んできました。

【研究成果の内容】
このような背景に対し、結城教授らは液体の蒸発潜熱(気化熱)を応用した二相液浸冷却技術に着手し、図1のようなグルーブ(溝)が施工された冷却面上に一方向性の気孔構造を有するロータス銅を張り付けることによって発現する「呼吸現象(ブリージング現象)」を用いた新しい冷却技術を提案しました(特許(3))。この冷却技術の特徴として、1. 冷却液の沸騰・蒸発によって発生する蒸気の排出経路と液の供給経路を分離することで冷却限界を飛躍的に高めることが可能、2. 蒸気の排出に伴う自発的な液の吸い込み現象(図2参照)を利用、3. 高い熱伝導性を有するロータス銅の内部での冷却効果も活用、などが挙げられ、世界に類を見ない技術となります。平面を用いた二相液浸冷却の限界値が110 W/cm2(冷却液:水)であるのに対し、本冷却技術では500W/cm2を超えるまでに向上させることに2021年に成功していました(JST, A-STEP事業)。その後、成長型中小企業等研究開発支援事業 (Go-Tech 事業)の支援を受け、新たにコンピュータを用いた数値シミュレーションを実施し、冷却液の供給経路の解明、ならびに冷却面構造の最適化について検討しました。その知見を実証試験へ反映させることでワールドレコードとなる735W/cm2の冷却性能を樹立しました。これにより、従来技術では不可能であった7mm□の次世代SiC半導体素子に360Wの負荷を限界として付与できるため、車載用インバータの高出力化に大きく貢献できます。

[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/163646/2/163646-2-24956bc7cacad8894773f72a34afd113-624x190.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図1 グルーブ施工面に接合されたロータス銅(左)とロータス銅の表面写真(CC BY 4.0:https://doi.org/10.1016/j.applthermaleng.2025.126776)


[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/163646/2/163646-2-07e7bbed49fe2ef7abd9c6001ac2574a-2770x905.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
(a) Mode-G (b) Mode-L 図2 呼吸モード(左:グルーブから蒸気排出しロータス銅から液供給、右はその逆)(CC BY 4.0:https://doi.org/10.1016/j.applthermaleng.2025.126776)




【今後の展開】
本技術は電気自動車用インバータの二相液浸冷却用ベイパーチャンバ(間接型二相液浸冷却)として(図3参照)、更には大型サーバ用高性能CPU、GPUの二相液浸冷却技術としての応用が期待されています。上述の実験では、水を作動流体とする冷却試験を実施しているため、データセンター・サーバへの技術応用(直接型二相液浸冷却)を意識し、絶縁性冷媒FC-72を用いた沸騰試験も実施しています。これまで世界最高性能レベルとなる100W/cm2を超える高い冷却限界を実証しています。これらの知見を活かし、既に二相液浸冷却システム「爽空 sola」(大成建設(株) /篠原電機(株) /(株)RSI)が開発されています(2)。爽空solaでは、結城教授らの冷却技術の搭載によりCPU、GPUの温度を20℃近く低下させることに成功しました。加えて、pPUE=(サーバー電力+冷却電力)/サーバー電力=1.04を実証しており、既存の空冷サーバよりサーバ室面積および冷却に使用するエネルギーをそれぞれ90%削減できることも公知されています(2)。
二相液浸冷却システム「爽空 sola」の海外での商用化も開始されていますが、日本オリジナルの冷却技術としてグローバル展開を更に図り、イノベーションを創出するための国際競争力の構築が急務です。そこで、ステイクホルダーとの共創の場として「一般社団法人日本液浸コンソーシアム」を設立しました。また、液浸のPOC支援や冷却性能の評価方法の標準化に向けた標準評価POC機を開発も行いました。今後、本研究の成果のみならず当該冷却技術分野で国際競争力の強化、国際標準化への取り組み、社会実装を一気に加速させます(4)。

[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/163646/2/163646-2-ea361fe0057146d0944174dd8ef93402-1280x540.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図3 次世代電気自動車用ベーパーチャンバーと二相液浸冷却器・爽空sola


[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/163646/2/163646-2-a8aa388f6de6aa4a05b2a6ae291d1803-786x591.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図4開発した標準評価POC機

正式なリリース資料はこちら
d163646-2-edf99c7c7a0bc32d12ad17c09c8afe3b.pdf
【参考資料】
(1) 井手拓哉,村上政明,結城光平,結城和久, ロータス型ポーラス金属による沸騰促進を利用した沸騰冷却技術, 応用物理, 第92巻, 第1号(2023), pp16-19.
(2) https://youtu.be/tTStzHSyfkg
(3) 特開2021-165628(沸騰冷却構造:結城和久, 木伏理沙子, 海野徳幸, 井手拓哉, 大串哲朗, 村上政明)
(4) 一般社団法人日本液浸コンソーシアム HP: immersion-cooling.jp

[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/163646/2/163646-2-1f0d558f3f46b7ee633d4e2db48d1425-625x175.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]山陽小野田市立山口東京理科大学
山陽小野田市立山口東京理科大学 工学部 教授 結城 和久
Tel/FAX:0836-88-4536 
E-mail:kyuki@rs.socu.ac.jp
HP:https://www.socu.ac.jp/



[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/163646/2/163646-2-6413e3fa168a5eb81c926061138c5f84-235x123.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]ロータス・サーマル・ソリューション
株式会社ロータス・サーマル・ソリューション 代表取締役社長 井手 拓哉
Tel/FAX:080-6153-8248 
E-mail:ide@lotus-t-s.co.jp
HP:https://www.lotus-t-s.co.jp/

プレスリリース提供:PR TIMES

人の呼吸現象を応用した二相液浸冷却技術を発展させ、人の呼吸現象を応用した二相液浸冷却技術を発展させ、人の呼吸現象を応用した二相液浸冷却技術を発展させ、人の呼吸現象を応用した二相液浸冷却技術を発展させ、人の呼吸現象を応用した二相液浸冷却技術を発展させ、

記事提供:PRTimes

記事引用:アメーバ?  ブックマーク: Google Bookmarks  Yahoo!ブックマークに登録  livedoor clip  Hatena ブックマーク  Buzzurl ブックマーク

ニュース画像

一覧

とれまがマネー

とれまがマネー

IR動画

一覧

とれまがニュースは、時事通信社、カブ知恵、Digital PR Platform、BUSINESS WIRE、エコノミックニュース、News2u、@Press、ABNNewswire、済龍、DreamNews、NEWS ON、PR TIMES、LEAFHIDEから情報提供を受けています。当サイトに掲載されている情報は必ずしも完全なものではなく、正確性・安全性を保証するものではありません。当社は、当サイトにて配信される情報を用いて行う判断の一切について責任を負うものではありません。

とれまがニュースは以下の配信元にご支援頂いております。

時事通信社 IR Times カブ知恵 Digital PR Platform Business Wire エコノミックニュース News2u

@Press ABN Newswire 済龍 DreamNews NEWS ON PR TIMES LEAF HIDE

Copyright (C) 2006-2025 sitescope co.,ltd. All Rights Reserved.