原発事後から14年 未来のエネルギー考える職員が福島訪問〔東京〕
パルシステム連合会

震災・津波・原発 複合災害の爪痕を忘れない
パルシステム東京(本部:新宿区大久保、理事長:松野玲子)は5月31日(土)と6月1日(日)、東京電力福島第一原発事故や東日本大震災の被害を知る福島ツアーを開催しました。パルシステム電力(本部:新宿区大久保、代表取締役社長:大安さとる)と飯舘電力株式会社(福島県相馬郡、菅野宗夫代表取締役社長)の案内で17配送拠点と本部に勤務する職員39人が、14年経つ今なお地域に影響を及ぼし続ける放射能被害の爪痕を確認し、生協として食と同じくエネルギーの安全性を考えました。
県内災害関連死未曽有の2,348人
職員は、帰還困難区域解除に伴い2020年に全線再開したJR常磐線の富岡駅に降り立ちました。駅構内の線量計を横目にバスに乗り込み、双葉町の「
東日本大震災・原子力災害伝承館」に向かいました。車内では、道中で散見する立ち入り禁止区域のバリケードを眺めつつ、ツアーの目的を確認しました。
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▲富岡駅に常設される線量計
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▲今も積み残される除染土フレコンバックと帰還困難区域のバリケード
伝承館では、地震、津波、原発事故の被害を伝える実物資料や証言映像を閲覧しました。東日本大震災は災害関連死が3,808人と阪神大震災以降で突出しています。そのうち福島県が2,348人で、原発事故による避難生活で心身共に負担を受けた人たちの存在が影響しています。
展示では、放射能で故郷を離れざるをえなくなり、避難先で受けた心無い言動をつづった子どもたちの作文がある一方、子どもが作った標語「原子力明るい未来のエネルギー」の看板なども掲げられていました。福島の人々の複雑な心境に、職員の一人は「心が痛んだ」と話しました。
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▲標語の看板に掲げられていた飾りの一部
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▲地震・津波による死者より多い災害関連死
欠かせない人のつながり
見学後は富岡町の文化交流センターに場所を移し、一般社団法人とみおかプラスの理事吉田恵子さんから、原発事故による避難当時の話を聞きました。発災翌日早朝の避難指示で長蛇の車列に加わり、着のみ着のままで移動を始めた人たちは、防護服を着た警察官に誘導され5時間かけて隣接する川内町に向かいました。
その後の避難先
ビッグパレットふくしま(郡山市)では、3,000人以上の避難者同士のトラブル回避のためコミュニケーションを図ろうと、被災者である吉田さんたちが立ち上がりました。NPOなどの支援を受け、やることが無い避難者への草むしり参加の呼びかけや、避難所内の喫茶スペースや交番、診療所づくりにかかわるなど、対話を通じそれぞれの困りごとを確認し、次の活動につなげていきました。
仮設住宅に移った後も、生活支援のボランティア拠点「おだがいさまセンター」を作りました。避難先でも楽しく、新しいことに挑戦してもらおうと、毎日休みなくイベントを開催し、多い年では年間1万人以上の参加を得たそうです。全国に散った避難者の電話帳づくりや地元の言葉によるラジオ放送など、人と人のつながりにより心の復興を目指す活動を紹介してくれました。
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▲原発事故からの避難当時を話す吉田さん
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▲再エネ伝道師として培いたい力を伝える千葉さん
首都圏に代わり負担してきた福島
パルシステムでんきへ電力を提供する飯舘電力の米澤一造さんと千葉訓道さんは、再生可能エネルギーを推進するためのメッセージを伝えてくれました。
福島県は明治期から、落盤による死亡事故が多発する炭鉱掘削や集落水没を伴うダム建設などで首都圏のエネルギー供給を担ってきました。戦後は原子力発電所の建設が進められ1971年から電気を供給してきました。
福島第一原発の事故を受け、飯舘村は計画的避難区域となりました。飯舘電力は帰れなくなった土地を活用し、太陽光発電事業を展開しています。収益は事故の教訓を生かす研修に活用し、再生可能エネルギーの普及やコミュニティ再生を目指しています。パルシステムの利用者や職員も毎年のように現地を訪れ、原発による被災地の現状を知り、再生可能エネルギーの意義を感じ取ってきました。コロナ禍以降はバーチャルツアーを繰り返し、エネルギーシフトが生むメリットなどを伝えています。
千葉さんは、パルシステムでんきを選ぶ意味を伝える立場の職員たちに、培って欲しい5つの力を伝えました。
1.真実から目をそらさず、届かぬ声を伝える力、2.エネルギーを経済性でなく私たちの生き方と捉える力、3.ガソリンは車、食べ物は人が生きるため、同じエネルギーとして安全を追求する力、4.エネルギーの選択を未来の責任と考え、対話を重ねる力、5.エネルギーの大切さを知り、楽しく話題にできる力
さらに、再生可能エネルギーは「どこにでもある」「地球がある限りなくならない」「二酸化炭素を出さない」という簡単な切り口で、目に見えないエネルギーの選択の重要性を伝えて欲しいと話しました。
再エネで持続可能な地域を
ツアー2日目は、震災伝承施設「とみおかアーカイブミュージアム」を見学しました。土器や古文書をはじめ地域の風土や歴史を伝える資料から始まり、原発事故により「当たり前の日常」を送れなくなった富岡町を伝えています。「富岡は負けん!」との横断幕を目にした職員は「涙が込み上げた」と話しました。
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▲展示物上部に掲げられた「富岡は負けん!」の横断幕
見学や講演からさまざまなメッセージを受け取った職員たちは、17のセンターと本部に帰り伝えていくべきことや方法をワークショップ形式で検討しました。
「パルシステムでんきの存在を知らない利用者が多い。職員自身も学習する必要がある」「参加した職員が、前向きに相手の共感を得られる表現で伝えていくべき。伝えるための5つの力や再生可能エネルギーの3つのキーワードはとても分かりやすい」「再生可能エネルギーが増えていくことで、原子力発電所を動かさなくても持続可能なエネルギーが生み出せることを伝えたい」など伝え合いました。
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▲グループワークでお互いの考えを伝え合う職員
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▲ワークショップを終えた職員たち
パルシステム東京はこれからも、地域の様々な人たちとのつながりを大切にし、命と暮らしを支える食とエネルギーの持続可能性を追求します。
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所在地:東京都新宿区大久保2-2-6、理事長:松野玲子
出資金:221.8億円、組合員数:53.2万人、総事業高:863.1億円(2024年3月末現在)
HP:
https://www.palsystem-tokyo.coop/
パルシステム生活協同組合連合会
所在地:東京都新宿区大久保2-2-6 、理事長:大信政一
13会員・統一事業システム利用会員総事業高2,541億円/組合員総数173.5万人(2024年3月末現在)
会員生協:パルシステム東京、パルシステム神奈川、パルシステム千葉、パルシステム埼玉、パルシステム茨城 栃木、パルシステム山梨 長野、パルシステム群馬、パルシステム福島、パルシステム静岡、パルシステム新潟ときめき、パルシステム共済連、埼玉県勤労者生協、あいコープみやぎ
HP:
https://www.pal-system.co.jp/
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2025年は国際協同組合年です
プレスリリース提供:PR TIMES





記事提供:PRTimes