OND SAUNA、世界最大規模の建築賞 Architizer A+Awards で最優秀賞を受賞
合同会社あまね設計
世界80カ国の投票で“最も支持された建築”に選ばれたサウナ空間の設計思想
合同会社あまね設計（本社：東京都世田谷区／代表：下川太郎）は、佐賀県武雄市・武雄温泉保養村内のONDPARKに位置するサウナ施設「OND SAUNA」が、世界的な建築アワード「Architizer A+Awards（第13回）」において、Spa & Wellness部門のPopular Choice Winner（一般投票 世界1位）を受賞したことをお知らせします。本賞は、世界80か国以上から寄せられた数千件の応募作品を対象に、専門家による審査でファイナリストを選出し、一般投票により最も支持された作品に「Popular Choice Winner」が贈られます。
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木のサウナ外観：離散配置された壁が森の成長のリズムに呼応する
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サウナ室内では、様々な方向に開いた縦長の窓越しに森の気配を感じながら、方向の異なるベンチ配置によって適度に多様で親密な交流が生まれる。
【設計のポイント】
本建築は、佐賀県武雄温泉保養村の雄大な森との繋がりを感じられる開放的な空間にあり、心身の解放や、自然や人々との新たな調和の形を目指し、設計しています。
■ 森との向き合い方
■ 付かず離れずの壁
■ 着席位置によるコミュニケーション密度の変化
■ 離散集合体としての構造形式
森との向き合い方敷地は佐賀県武雄市ONDPARK内。森に囲まれた平地に「武雄の恵みで温度をあげる」新しい遊び場として構想された場所で、陰陽五行思想に基づいた5つのサウナが順次計画されています。本計画はその第一弾、「木のサウナ」と更衣棟の建設です。
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木のサウナ「成長」
木には寿命がなく、限りなく上へ成長していきます。その「成長」のイメージを、垂直性を強調した外壁が乱立する形で表現しました。螺旋動線により、サウナ→水風呂→外気浴という一連の行為がGL+250からGL+3250に至るまでの立体的な体験として展開され、樹木と同じ高さで森を見渡す屋上外気浴に至る構成です。
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樹木の尽きない成長を、垂直性を強調した乱立する外壁で表現しました。
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サウナ→水風呂→外気浴の動線がGL+250からGL+3250まで立体的に展開し、路地のような空間を通って樹木と同じ高さの屋上外気浴へと導きます。
付かず離れずの壁
サウナという空間においては、見ず知らずの人同士がほぼ裸で密接距離に身を置いています。人と人の距離には「密接距離」「個体距離」「社会距離」「公衆距離」などがあり、親密度に応じて空間設計も変わってきます。近接学的には、サウナは非常に親密な空間であるはずですが、日本の公衆サウナにおいては必ずしもそうではありません。
この特異な近接性と日本人の精神性を調和させる空間が実現できれば、新たなコミュニティの場が生まれるのではないかと考え、「押しつけがましくなく親密すぎず、しかし共体験を通じて共有認識が生まれる」ような集社会的空間（ソシオペタル）を構想しました。そのための空間装置として、"付かず離れずの壁"を考案。壁の垂直性は森に共鳴し、隙間は森を引き寄せると同時に、離散配置によって隣人との親密度を調整します。公共地を活用したPARK-PFIプロジェクトの一環として、このような新たな公共性のあり方を探ることにも挑戦しています。
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着席位置によるコミュニケーション密度の変化
内部には不整形多角形の平面を採用し、視線のコントロールと多様な景観の切り取りを実現しています。人々の談話は、横並びよりも鈍角配置の方が自然に生まれるとされており、本計画ではその原理を活かしてベンチを鈍角に配置。私的空間を保ちつつ適度な会話が生まれるよう工夫され、火を囲むような集いの構成が空間の共有体験を支えます。
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離散集合体としての構造形式
構造にはCLT（Cross Laminated Timber）150mm厚の床版を採用。不整形平面と非直角接合の合理化をCLTで解決し、梁を排したことで現場施工の効率化にも寄与。寸法モジュールに沿った壁の離散配置をCLT版が繋ぎ、構造自体が集社会的（ソシオペタル）な性質を持つ集合体となっています。
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結界としての更衣棟更衣棟は長屋門型の形式をとり、サウナゾーンと公園の他エリアを分節する「結界」の役割を果たします。中央に貫通する通路を設け、その両側に男女の更衣室を配置。下見板張りの外壁、連続する基礎型枠、CLTの野地板などにより、日本建築の伝統と現代的要素が融合した質実な建築です。
金のサウナ「秩序」直線的なフレームを通して自然と向き合うことで、「秩序」を建築として表現しています。鏡張りのサウナ室は、その存在を風景の中に溶け込ませるように透明化されており、そこから出た先の外気浴スペースは、鉄骨フレームに囲まれた自然の中に異質に挿入された人工的な構造体です。森をあえて少し距離のある「外のもの」として感じさせることで、秩序に守られているという安心感が生まれるのではないかと考えています。
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「Architizer A+Awards」は、米国の建築メディア Architizer が主催する、世界最大規模の国際建築アワードであり、建築・空間デザインにおける卓越した実践を顕彰する場として知られています。2025年で第13回を迎え、80カ国以上から数千を超えるエントリーが集まりました。
評価は2段階で構成され、第一に建築家、デザイナー、評論家など250名以上による国際審査員団が部門ごとにファイナリストを選定。第二に、そのファイナリストに対して世界中の一般ユーザーによるオンライン投票が行われ、「Popular Choice Winner」が決定されます。
受賞作品は、Architizerの公式メディア、ギャラリー、書籍（『The World’s Best Architecture』）などを通じて国際的に紹介されます。
詳細を見る
プロジェクト名：ONDPARK サウナ棟新築工事
主要用途：サウナ（公衆浴場）、更衣棟（更衣室）
建設予定地：佐賀県武雄市武雄町大字永島字池ノ上18293 他( 地番)
事業主体：朝日I&R ホールディングス株式会社
プロデュース：小林純／RE FACTORY
設計：下川太郎・川野元揮／あまね設計
構造：黒岩裕樹・板井臨／黒岩構造設計事ム所
設備：山崎設備設計
ストーブ：高橋憲三・高橋和雅／ケンズメタルワーク
フードメニュー監修：山崎真人
ロゴ：MARUKAJIRI
写真：川辺明伸／helico・宮本和義／fusion graphic
HPデザイン：fusion graphic
構造形式：木造在来工法（一部CLT 構造）
建築面積：151.59 平方メートル
延床面積：117.50 平方メートル
工事期間：令和6 年3 月～ 8 月
受賞：
A’ Design Award & Competition 2025ブロンズ賞（イタリア）
Architizer A+Awards 2025 Spa & Wellness部門Popular Choice Winner（アメリカ）
「木のサウナ」
建築面積：34.52 平方メートル 延床面積：30.51 平方メートル
外部仕上げ：屋根／ ヒノキ板張りt30 ＋木材保護塗料、FRP 防水、フレキシブルボードt5、
CLT 板t150、GW24K 200mm 外壁／ 杉板貼りt15 OS、通気胴縁t15、透湿防水シート、構
造用合板t9、GW t100 充填
内部仕上げ：床／ アバチ板張りt30 無塗装 壁／ ヒノキ板貼りt15 無塗装
「更衣棟」
建築面積：48.59 平方メートル 延床面積：48.59 平方メートル
外部仕上げ：屋根／瓦葺き、アスファルトルーフィング23K、CLT 板t120 外壁／杉板下
見板貼りt15 OS、通気胴縁t15、透湿防水シート、構造用合板t9、GW t100 充填
内部仕上げ：床／ビニル床シート張りt2.5 壁／ 針葉樹合板貼りt12 OF
https://www.ondsauna.jp/
[動画:
https://www.youtube.com/watch?v=KjB6llG7O7o ]
ONDPARKは、「武雄の恵みで温度があがる」をコンセプトに、佐賀県武雄市の保養村内に整備された、自然体験型の滞在施設です。かつての温泉保養地を再活用し、星空観察、桜、ホタル、森などの豊かな自然と共に過ごす“熱のある時間”を提供します。
敷地内にはサウナ・宿泊・レストラン・自然遊びのエリアがあり、地域資源を活かした遊びや食体験を通じて、人と人、人と自然が心地よくつながる場となることを目指しています。
また、PARK-PFI制度を活用し、民間の知恵と地域の魅力を融合させた、次世代型の公共空間として位置づけられています。
https://www.ondpark.jp/
OND SAUNAは、2025年6月24日から3週間の改修期間を経て、7月中旬より営業を再開予定です。
再開後には、受賞を記念した限定体験や、新たな空間演出も検討しています。
世界に認められたこの建築を、ぜひ体感していただければ幸いです。
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「普通で特別なもの」をつくる設計事務所法人名：合同会社あまね設計 一級建築士事務所
代表：下川太郎
住所：東京都世田谷区代田6-11-8-2F
Web:
www.amane-llc.jp
Instagram：
https://www.instagram.com/amane_archi
YouTube：
https://www.youtube.com/channel/UCyUKyndY8sE2p95KbgATFgw
日々の生活の中で、小さなしあわせを感じられる瞬間。その機会が増える建物をつくることを目標に、生活をお客様とともに考えます。普通で普遍的な価値を追求しながら、お客様の固有の特別な思いを汲み取り、その時、その場所でしか生まれない唯一無二の建物を創り上げます。
近年の代表作には、「ONDPARK」「休昌院 令和の大改修」「国賀荘ヂナカチ」「大室山の高床」などがあります。
設計について：
合同会社あまね設計 一級建築士事務所 （担当：下川）info@amane-llc.jp
ONDPARKについて：
朝日I&Rホールディングス(株) 企画制作広報 080-8703-3513 （佐藤）pr@kkasahi.jp
運営会社によるプレスリリースはこちらプレスリリース提供：PR TIMES
記事提供：PRTimes
