イエメン南部で危機的な食料不安 経済低迷、紛争、異常気象などが影響 ユニセフら、さらなる状況悪化に警鐘 【プレスリリース】
公益財団法人日本ユニセフ協会

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ユニセフ支援で提供された栄養治療食を口にする子ども(イエメン、2024年11月27日撮影) (C) UNICEF/UNI708823/ALfilastini
【2025年6月22日 アデン(イエメン)発】 -
イエメン南部の政府支配地域では、食料安全保障の状況が極めて深刻で、人口のほぼ半数が急性食料不安に陥り、次の食事がいつ摂れるかわからない事態に直面しています。ユニセフ(国連児童基金)および国連食糧農業機関(FAO)と世界食糧計画(WFP)は、食料不安の危機は今後数カ月でさらに悪化する可能性が高いと警鐘を鳴らしています。
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本日、最新の総合的食料安全保障レベル分類(Integrated Food Security Phase Classification=IPC)の部分更新が発表され、イエメン南部の各州が極めて厳しい状況にあることが明らかになりました。2025年5月から8月までの間に、約495万人がIPCフェーズ3(急性食料不安)以上の危機的な食料不安に直面し、そのうち150万人はIPCフェーズ4の緊急事態に陥るとしています。これは、2024年11月から2025年2月までの期間と比較して、深刻な食料不安に苦しむ人が37万人増加することを意味します。
今後、状況はさらに悪化する見通しです。2025年9月から2026年2月にかけて、緊急かつ持続的な支援が行われない場合、さらに42万人がIPCフェーズ3以上に陥る可能性があります。これにより、南部の州における深刻な食料不安に直面する人々の総数は、イエメンの全人口の半数以上の538万人に上ることになります。
長引く経済低迷、政府支配地域における通貨(イエメン・リヤル)の下落、紛争、ますます深刻化する異常気象などの複数の危機が重なり合い、食料不安は深刻になるばかりです。作付けの遅れや、7 月に発生する可能性が高まる洪水、作物や家畜の病気、とりわけサバクトビバッタの大発生により、すでに脆弱な状況はさらに悪化する見通しです。
ユニセフをはじめとする人道支援機関は、イエメンにおける人道支援活動の優先順位を再設定し、リスクの高い地域を対象に、食料安全保障、栄養、水と衛生(WASH)、保健、および保護の各分野における統合的な支援を実施し、人々の命を守るという支援成果を最大限にするよう努めています。
3機関は、コミュニティが食料不安にさらに陥ることを防ぎ、必要不可欠なサービスへのアクセスを確保し、経済と生計の機会を創出するために、持続的かつ大規模な人道支援と生計支援を緊急に求めています。
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ユニセフが支援している移動診療所で、上腕計測メジャーを使った栄養状態の検査を受け、赤色=重度の急性栄養不良と示された子ども(イエメン、2024年11月27日撮影) (C) UNICEF/UNI708807/ALfilastini
国内避難民、農村で暮らす低所得世帯、および脆弱な子どもたちは、資金削減、生計手段の減少、対処メカニズムの低下により、特に大きな影響を受けています。
ユニセフのイエメン事務所代表、ピーター・ホーキンスは次のように述べています。「イエメンでは、約240万人の5歳未満の子どもと150万人の妊娠中および授乳中の女性が急性栄養不良に苦しんでおり、病気、発達遅延、死亡のリスクが高まっています。IPCの栄養データは、政府支配地域内の17の生計ゾーンのうち少なくとも5つで状況がさらに悪化する可能性を示しています。そのため、ユニセフとパートナーは支援を拡大するための準備を進めています。この取り組みを継続しなければ、危機を乗り越えることはできません」
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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。(
https://www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する32の国と地域を含みます
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、32の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、アドボカシーを担っています。(
https://www.unicef.or.jp )
プレスリリース提供:PR TIMES

記事提供:PRTimes