大阪大学大学院医学系研究科とmaemo atomoが共同で、妊娠・子育て期の身体活動と健康への影響を検証
株式会社maemo atomo

妊娠期に最適な運動機会の創出を目指す
国立大学法人大阪大学(大阪府吹田市、総長:熊ノ郷淳、以下「大阪大学」)大学院医学系研究科 スポーツ医学教室(*1)と株式会社maemo atomo(大阪府吹田市、代表取締役:西山夏実、以下「maemo atomo」)は、令和5年度より大阪大学大学院医学系研究科 スポーツ医学教室が実施している、スポーツ庁「Sports in Life推進プロジェクト(*2)」で採択された(*3)「多様な世代・背景・目的に応える次世代コンディショニング提供システム構築に向けた課題解決調査と基盤実証研究」において、妊娠中の女性への運動介入による身体トラブルや産科合併症との関連性を検証する研究を行います。
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▲(左)maemo atomo studioで実施している、妊娠中の運動の様子、(右)運動前後のメディカルチェックの様子
【本研究について】
本研究は、大阪大学 大学院医学系研究科 スポーツ医学教室が令和5年度より実施しているスポーツを通じた健康増進を目指す研究です。センシングデバイスなどの計測機器を用いて得られたデータの活用を通じて、多様な目的や状態に合わせた運動機会の創出と提案を行うことを目的としています。
令和6年度には活用実態調査と運動促進の仮説立案を実施し、令和7年度から8年度にかけて、2025年7月1日より関西を中心に様々なエリアで多様な調査対象群(コホート)を対象とした介入実証研究を開始します。複数の企業・機関が対象群を担当する中で、maemo atomoは妊産婦への運動介入を担い、その心身への影響を科学的に検証します。
妊婦130名に運動機会を提供し、ウェアラブルセンサーでデータ取得と解析を進め、実践的で再現性のあるエビデンスの蓄積を目指します。
【両者の目指すこと】
大阪大学は、本研究全体を通じて心身の健康維持・向上を目的とした運動・スポーツの効果を科学的に検証し、多様な人々の生活の質(QOL)とライフパフォーマンスの向上に寄与する、運動・スポーツの実施支援・促進する方法の創出を目指します。さらに、センシングデバイス等のデータの今後の活用やデジタルプラットフォームでの発展性を検討するため、医療情報バンク(阪大病院データバンク)や、都市OSの一例であるスーパーシティ型国家戦略特区大阪(府・市)の大阪広域データ連携基盤(ORDEN) にて活用を推進します。
maemo atomoは、2023年より医療者による産前産後の時期に応じた運動を提供しながら、出産・子育て世代の不安や悩みを解消できる場所づくりを事業として展開し、また、大学や医療機関と連携し、科学的エビデンスに基づいた産前産後の運動に関する研究・検証を行ってきました。今回の参画を通じて、妊娠中の運動と心身の健康との関連を評価し、個々の状態等に応じた、より最適な運動機会の創出を目指します。
【妊産婦への運動介入に関する実証研究の実施背景】
運動は心身の健康維持に有効であり、その効果を高めるには筋骨格系やメンタル系など、個々の身体的な機能に応じた運動(コンディショニング)が重要です。
近年の研究(*4)では、妊娠期間中の運動が産科合併症や不調の予防に影響することがわかってきており、米国産科婦人科学会(ACOG)や世界保健機関(WHO)からも運動量の指標が提示されています(*5)。
しかし、現在国内では産前産後の運動内容に関する明確なガイドラインがなく、推奨されている運動量を達成できている妊婦はごくわずかとされています(*6)。
【両者代表よりコメント】
■ 中田 研 教授
(大阪大学大学院医学系研究科 スポーツ医学教室 教授/大阪大学 健康スポーツ科学教育研究環 環長/大阪大学医学部附属病院 未来医療開発部 国際医療センター センター長)
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人生100年時代になり、成人、こども、高齢者はもちろん、妊娠・出産・子育て世代も、適切な『身体活動・運動・スポーツ』は健康づくり、健康維持向上に重要といわれています。安全な出産や育児のためにも運動が推奨されますが、その運動の量や質、内容、強度などの最適な方法はまだわかっていません。
適切な運動、身体活動を明らかにするこの研究をスポーツ庁と協力して進めています。皆様の協力により、妊娠・出産・子育ての重要なライフイベントの運動・スポーツについて新しいエビデンスが得られて、多くの妊婦さんの不安や悩みを解消し、誕生する赤ちゃん、お母さん、家族、社会にとって役立つ成果を期待しています。
■ 西山 夏実
(株式会社maemo atomo CEO)
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弊社は、適切な運動を産前産後に推奨することで『妊娠・出産に伴うリスクの低下を目指し、女性とその家族がより豊かに暮らせる社会の実現』を目指しています。妊娠中や産後の方へ適切な運動を推奨していくためには、具体的にどのような活動をどのくらいの頻度や時間行うと良いのかを示していくことが大切だと考えています
今回の研究では産前産後に適した運動の頻度、時間などを示す基礎データになると考えています。母児にとって最適な運動を明らかにすることで身体活動不足の解消に繋げ、妊娠中から出産、そして育児期間の健康を促進させることを期待しています。
【実証研究概要(予定)】
■ 研究タイトル 「妊娠出産・子育て世代の身体活動の調査と提供による健康及びライフパフォーマンスへの影響に関する調査実証研究」
■ 実証期間 2025年7月1日~2026年3月31日
■ 実証対象 運動の禁忌に該当しない妊婦130名
■ 実証内容
1. 運動プログラムの提供:
助産師・理学療法士が妊娠中の時期に合わせ、週3回・1回50分の運動を指導。
2. 日常生活に伴う身体活動の可視化:
装着したウェアラブルセンサーを通じて、妊娠中期と後期の日常生活に伴う身体活動量を測定
3. 心身の状態をWebアンケートで評価:
国際的な学術指標を基に調査を実施、QOL(Quality of Life)との関連性なども評価する。
【今後について】
両者は、本実証期間終了後も、大阪大学が継続して実施する関連研究で引き続き連携します。また、妊娠期の女性の心身の状態や身体機能をより正確に把握し、一人ひとりに最適な運動機会を提供できるよう、今後も取り組みを進めてまいります。
*1 大阪大学大学院医学系研究科 スポーツ医学教室の詳細はこちら(
https://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/mspa/)
*2 スポーツ庁「Sports in Life推進プロジェクト」の詳細はこちら(
https://sportinlife.go.jp/)
*3 「令和5年度Sport in Life推進プロジェクト スポーツを通じたライフパフォーマンスの向上を! センシングデバイス活用方法等の調査研究を開始」(
https://www.med.osaka-u.ac.jp/archives/37909)
*4 Davenport, M. H., & Hayman, M. Physical activity during pregnancy: Essential steps for maternal and fetal health. Obstetric Medicine, 15(3), 197-203. (2022).
*5 Physical Activity and Exercise During Pregnancy and the Postpartum Period | ACOG,WHO guidelines on physical activity and sedentary behaviour.
*6 山田 綾, 他. 日本人女性における妊娠・出産・育児に伴う身体活動量の経時変化とその要因:エコチル調査宮城ユニットセンターによる追加調査. J-STAGE, 23, 70-83. (2021).
【参考】
◼️ 大阪大学大学院医学系研究科 健康スポーツ医学 中田研究室について:
スポーツ医学が創る、スポーツの未来科学と実践科学
私たちの研究室では、スポーツを「遊びや楽しみ」としての側面に加え、ルールに則った競技として、さらには健康を支える重要な身体活動と捉えています。スポーツには、外傷やオーバーユースによる慢性障害のリスクがある一方で、運動不足は筋骨格系の低下や生活習慣病など、全身の健康に深刻な影響を与えます。
本研究室では、こうしたスポーツや身体活動に伴う外傷・障害の診断・治療・予防に関する臨床研究・基礎研究・橋渡し研究を行い、スポーツ医学の観点から科学と実践をつなぐ未来のヘルスケアを創出しています。
詳細はこちら →
https://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/mspa/
■ maemo atomoについて:
妊娠・出産に伴うリスクを減らす運動とその先にあるサポートを届けるmaemo atomo
当社は、産前産後の女性が安心して運動できる環境を提供しています。大学や医療機関と連携し、科学的エビデンスに基づいた運動プログラムを開発・提供することで、母体の健康維持と心身のサポートを行います。
また、在籍する全インストラクターが助産師・理学療法士などの医療資格を持ち、一人ひとりに寄り添う指導が特徴です。運動を通じて産前産後の不安を解消し、女性とその家族がより豊かに暮らせる社会の実現を目指します。スタジオホームページはこちら →
https://maemo-atomo-studio.com/
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