雹(ひょう)災リスク評価に関する共同研究契約の締結
損害保険料率算出機構

損害保険料率算出機構【略称:損保料率機構、理事長:早川 眞一郎】は、国立研究開発法人 防災科学技術研究所【略称:防災科研、理事長:寶 馨】と、雹(ひょう)災リスク評価に向けて、損害保険データと気象レーダを活用した網羅性のある降雹データセットを整備するための共同研究契約を締結したことをお知らせします。
近年、大規模な雹災害が相次いで発生しています。これを受け、雹災リスクの適切な評価とともに、この災害の多発が昨今の気候変動によるものなのか、また気候変動にともなって今後どのようにリスクが変化していくのかといった点への関心が高まっています。これらの点を明らかにするためには過去の降雹域やその強度(雹の大きさ)に関する綿密なデータが鍵となります。しかしながら雹は局所的な気象現象であること、間もなく融けて痕跡が残りにくいことなどから降雹の実態把握が難しく、網羅的な観測データが極めて不足している状況にあります。最近では高性能な気象レーダを活用した降雹域を推定する技術が開発・実用化されつつありますが、検証データの不足から、この推定精度の評価は限定的なものとならざるを得ない状況でした。
近年の降雹災害と損害保険の支払状況
[表:
https://prtimes.jp/data/corp/64678/table/78_1_163c4a955711a0d0e0e1b5086055b055.jpg?v=202506270317 ]
※1 日本損害保険協会の集計による(2025年6月4日アクセス)
https://www.sonpo.or.jp/report/statistics/disaster/weather.html
※2 損害保険料率算出機構の集計による(2025年6月4日アクセス)
https://www.giroj.or.jp/databank/data_space.html
降雹により自動車や家屋に被害が生じた場合、損害保険の契約によって保険会社から保険金が支払われる場合があります。この保険金のデータは、降雹に関する観測データを検証するものとなりえます。本共同研究では、損保料率機構がもつ損害保険のデータおよび防災科研の気象レーダによる降雹推定技術を活用することで、その推定手法の検証・高度化に取り組み、網羅性のある降雹データセットを整備します。これら成果等を活用し、降雹の地域性や頻度を把握することが可能になります。
[画像:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/64678/78/64678-78-772d85704a046b9de3f9f09fc5f2b8bb-564x338.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
これにより生み出される降雹域等のデータセットは、雹災リスク研究に対する極めて有用な検討素材を提供することになります。その成果によってリスクをより適切に評価することが可能となり、ひいては合理的かつ妥当な保険料率算出への活用が期待できます。また、他のさまざまな気象データ等と合わせて分析して得られる降雹予測の精度向上、気候変動の影響評価といった将来のリスク予測などにより、防災減災につながるものと期待されます。
本件のお問い合わせ先
損害保険料率算出機構
総合企画部広報グループ(担当:高橋)
E-mail:contact@mx.giroj.or.jp
URL :
https://www.giroj.or.jp/
国立研究開発法人 防災科学技術研究所
企画部広報
E-mail:press@bosai.go.jp
◆損害保険料率算出機構とは
損害保険料率算出団体に関する法律(料団法)に基づいて設立された団体であり、損害保険会社を会員とする組織です。「損害保険業の健全な発達と保険契約者等の利益の保護」という社会的使命を果たすため、主に以下の3つの業務に取り組んでいます。
・保険料率の算出・提供
・自賠責保険(共済)の損害調査
・データバンク
プレスリリース提供:PR TIMES
記事提供:PRTimes