こんにゃく抽出物が睡眠の質に影響することを確認
株式会社ダイセル
日本睡眠学会 第49回定期学術集会にて発表
株式会社ダイセル(本社:大阪市北区、代表取締役社長:榊 康裕)は、2025年6月28日~29日に広島大学 霞キャンパスで開催された「日本睡眠学会 第49回定期学術集会」において、仙台白百合女子大学および東北工業大学との共同研究成果を発表いたしました。
本研究は、リン脂質およびセラミドを含むこんにゃく抽出物摂取による睡眠への影響について研究したものです。また本研究は同学会にて「ベストプレゼンテーション賞」の候補に選ばれ、副賞を受賞しました。
■研究概要
本研究では、脂質の一種であるリン脂質およびセラミドを含むこんにゃく抽出物の摂取が睡眠に及ぼす影響を明らかにすることを目的とし、こんにゃく抽出物含有カプセルを被験者に6週間継続して摂取してもらい、睡眠への影響を多角的に評価しました。
その結果、ノンレム睡眠には群間で差は認められませんでしたが、レム睡眠*1の持続時間および出現割合には群間で有意な差が認められました。 さらに摂取前後の比較においても、レム睡眠の持続時間が有意に増加*2していることが確認されました。
*1 レム睡眠とは、睡眠の中でも特に脳が活発に働いている状態のことです。レム睡眠の質向上が、
記憶力・創造性・精神安定・美容などに寄与するとされています。
*2 「有意に増加」とは、観測されたデータの差が偶然によるものではなく、統計的に意味のある数
値の増加であることを示します。
■リン脂質について
リン酸を含む複合脂質の1つで、グリセリンを基本骨格にもつリン脂質であるグリセロリン脂質が一般的です。グリセロリン脂質は動植物で豊富に存在するリン脂質で、ホスファチジルコリン(レシチン)、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリンなどがあります。レシチンは卵黄に多く含まれ、マヨネーズの乳化に寄与しています。いくらなどに含まれるリン脂質に睡眠改善効果のあることが報告されています。
■セラミドについて
経口摂取によるセラミドは、経口摂取後に消化管で植物性スフィンゴイド塩基などに分解・代謝吸収され、リンパ液や血液を通して体内を循環します。これにより、肌バリア機能を改善し、全身のうるおいを保つ効果が期待され、美容サプリメントや飲料などに広く応用されています。
ダイセルでは、こんにゃく製造過程で生じる未利用資源「飛び粉」からセラミドを抽出し、アップサイクル素材*3として活用する技術を開発しました。今後も美容と健康の両面から包括的なアプローチを可能にできる展開を目指してまいります。
*3 アップサイクル素材とは単なるリユースとは異なり、廃棄物から有用なものを取り出し、元の資
源よりも高い付加価値を生み出す素材を指します。
プレスリリース提供:PR TIMES
記事提供:PRTimes