三菱化工機と上智大学が社会連携講座の開設に向け覚書を締結
三菱化工機

「フード×エネルギーのサーキュラーエコノミー化」をテーマに10月開設 先行して、国内外学生によるビジネスピッチコンテストを8月下旬に開催
三菱化工機株式会社(代表取締役 社長執行役員:田中利一、以下 三菱化工機)と上智大学(学長:杉村美紀)は、「フード×エネルギーのサーキュラーエコノミー化」をテーマとした社会連携講座※1の開設に向けた覚書を本日締結しました。
また、その取り組みの一環として上智大学および印クライスト大学学生によるビジネスピッチコンテストを8月下旬に開催します。
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社会背景・課題
日本の農作物やそれらの加工品の再生産価格※2は欧米に比べて低いという現状があります。再生産価格には種や肥料、運賃、資材、労働賃金など、生産にかかる全ての費用が含まれていますが、欧米では大規模農地での機械化・自動化による効率化、さらに付加価値化(ブランド化)することで販売価格や収益を向上させ、持続可能な農業・加工経営を支える基盤となっています。
これに対し日本では、生産コストの上昇分を農産物価格に転嫁する仕組みや、「積極的に転嫁したらよい」という考え方が供給者側において脆弱である上、販売価格への転嫁を需要者側が許容するという概念が弱く、供給者である農業経営者の多くが継続性・収益性の面で課題を抱えています。
一方で、生産された農作物の廃棄(食品ロス)も、廃棄物処理の際に発生する温室効果ガスによる地球温暖化、食品の生産・流通でのロスコストおよび廃棄物処理費用の負担増加、食物の有効活用がなされず世界的な食糧不足や飢餓に繋がる恐れがあるなど、グローバルな視点で解決すべき喫緊の課題と言えます。
本社会連携講座ではこれらの課題に対し、サーキュラーエコノミー(環境負荷の低減、資源活用の効率化、経済成長の促進、新たなビジネスモデルの創出、持続可能な社会の実現)の観点から解決策の研究を進めます。
社会連携講座について
本社会連携講座では、三菱化工機が再生可能エネルギーであるバイオガスをベースに、水素・アンモニアの活用も視野にいれた農作物の研究・生産設備の開発、および食品産廃物や家畜排せつ物などからなるバイオフードリサイクルによる「エネルギーの地域循環型オンサイトシステム構築」を担当します。
上智大学は、本講座をプロジェクト型授業(PBL: Project-Based Learning)として実施し、学生は三菱化工機より提供された技術を基盤とした農産物生産ビジネスをチームの題材とし、実行可能なビジネスモデルを立案します。特に、再生可能エネルギーや安定的な食料生産・流通システムの構築、市場における販売戦略の立案といったリアルな社会課題に挑み、農産物の本来持つ高付加価値を流通経路上で維持するようなバリューチェーンを伴った、サーキュラーエコノミー型ビジネスの在り方を探索します。
学生たちが教員の下で経済学・経営学における理論とデータ分析を用いて生み出したアイデアに対し、三菱化工機をはじめとしたビジネス現場からのリアルな評価を得て現実味のある事業プランへと昇華させ、社会的意義を持つ政策提案や「サーキュラーエコノミー型ビジネスモデル(事業計画)」として企業や自治体に対する提案も行うなど、単なる知識の習得にとどまらず、汎用性のある思考力、課題解決力、そして社会的責任感を育む機会となることを目指します。
これらの取り組みを両者が担うことで、以下の要素などを中心に、食とエネルギーの循環型社会構築の共同研究を産学連携で進めます。
【本社会連携講座の主な要素】
・資源や素材の循環により廃棄物を最小限にする経済システムの研究
・食品残渣物によるバイオマスエネルギー生成の高度化に向けた研究
・環境負荷軽減と経済成長の両立に向けた研究
・食料やエネルギー、マーケットを継続的に生み出すビジネスモデル・フローの研究
・法規制・規格基準の整備状況を踏まえた施設・機器の要件とその確立に関する検討
・その他、上記取り組みの実用化、社会実装にかかわる課題
今後の展開
三菱化工機と上智大学は、本社会連携講座を2025年10月に開設し、上智大学および上智大学が提携している国内外の大学とも連携し社会課題解決に向けた研究を推進し、これらの設計を支える学術体系および技術体系の整備と、食とエネルギーの循環型社会の早期実現を目指します。
なお、本社会連携講座の開設に先立ち、三菱化工機が共創パートナーと共に推進している、社会課題解決ソリューションおよびビジネスモデルの創出を目指すプロジェクト「MKK PROJECT」※3を展開する川崎にて、上智大学とその提携大学であるインドのクライスト大学の学生によるビジネスピッチコンテストを以下要領にて実施する予定です。
【フード×エネルギーのサーキュラーエコノミー化|ビジネスピッチコンテスト】
■テーマ:高コストな有機無農薬野菜・果実の高付加価値化と黒字化
■内容:テーマに基づくビジネスプラン立案と実商品の開発企画・販売
■期間:2025年8月下旬
※1 社会連携講座
公共性の高い共通の課題について、大学と民間企業または研究機関などの学外機関が、それぞれの技術・知見を活かして共同で研究を実施するもの
※2 再生産価格
農産物などの生産に必要なコスト(総生産コスト)が、取引価格に反映されている価格のこと
※3 MKKプロジェクト
三菱化工機が有している環境対応・創エネルギー技術と共創パートナーが有するアセットやノウハウを活用・融合させ、川崎発の社会課題解決ソリューションおよびビジネスモデルの創出を目指す取り組みのこと。
詳細はプロジェクトWebサイトをご覧ください。
https://www.kakoki.co.jp/mkkpj
三菱化工機株式会社について(東証プライム6331、神奈川県川崎市)
三菱化工機グループは、プラント・環境設備の建設・エンジニアリングと、各種単体機械の製作及び、納入後のアフターサービスを軸に事業を展開しています。製造機能を持ったエンジニアリング企業として、都市ガス・水素・石油化学・半導体・電子材料・船舶・医薬・各種水処理など様々な分野で求められる機械・設備を製作・建設し、社会の発展を力強く後押ししています。2024年度の三菱化工機グループの売り上げは592億円、従業員数は1,017名(連結)。詳細については公式ウェブサイトをご覧ください(
https://www.kakoki.co.jp/)
上智大学 SPSF(持続可能な未来を考える6学科連携英語コース)とは
上智大学の本教育プログラムは、経済、経営、総合グローバル、教育、社会、新聞の6学科が連携して提供する、全編英語による学位プログラムです。学生はそれぞれの専門分野に所属しながら、「Sustainable Futures」をテーマにした学際的な科目を履修します。授業はすべて英語で行われ、英語を学ぶのではなく、英語で学問を探究します。カリキュラムは英語のみで卒業要件を満たすように設計されており、所属学科の学位取得が可能です。9月入学制度を採用し、海外からの留学生や帰国生にも学びやすい環境を整えています。少人数制のクラスでは教員との対話やディスカッションを重視し、他学科の科目も自由に履修できるため、専門性と学際性に加えて柔軟な思考力と協働力も育まれます。SPSFは、専門性、国際性、そして協働力を兼ね備えた次世代のリーダーを育成するための上智大学の挑戦です。学生は上智大学においてグローバル社会で変革を起こすゲームチェンジャーとしての一歩を踏み出します。
プレスリリース提供:PR TIMES

記事提供:PRTimes