ガザ地区 物資配布待つ子どもたち、攻撃により死傷 ユニセフ事務局長「許すことのできない行為」 【プレスリリース】
公益財団法人日本ユニセフ協会

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ガザ地区デルバラハで、栄養支援物資の配布の列に並んでいたところ、空爆によりけがをした10歳のリーマさん(パレスチナ、2025年7月10日撮影) (C) UNICEF/UNI829270/Eleyan
【2025年7月10日 ニューヨーク発】
パレスチナ・ガザ地区で、支援物資の配布を待っていた、子どもを含む複数の人々が亡くなったことを受け、ユニセフ(国連児童基金)事務局長のキャサリン・ラッセル事務局長は以下の声明を発表しました。
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10日の朝、ガザ地区デルバラハで、子どものための栄養補給物資をもらおうと列に並んでいた、9人の子どもと4人の女性を含む15人のパレスチナの人が命を落としたという報道に接し、愕然としています。さらに、19人の子どもを含む30人が負傷したと報じられています。
支援は、ユニセフのパートナー組織により、切迫した状況にある家族に対して提供されていました。命を守るための支援を受けようとしていた家族を死に至らしめることは、到底許すことのできない行為です。
列に並んでいたのは、何カ月にもわたる飢餓と絶望の中で、子どもの命をつなぐための助けを求める母親たちでした。その中の一人、ドニアさんは、1歳の息子モハメッドちゃんをこの攻撃で亡くしました。ドニアさんは「息子は数時間前に初めて言葉を発したばかりでした」と語りました。彼女自身も爆風で重傷を負い、今、モハメッドちゃんが残した小さな靴を握りしめて病院のベッドに横たわっています。このような悲劇に直面する親がいてはなりません。
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ガザ地区デルバラハで、栄養支援物資の配布の列にいた人々が犠牲になった空爆の現場(パレスチナ、2025年7月10日撮影) (C) UNICEF/UNI829267/Eleyan
これは、何カ月にもわたって支援物資の搬入がほとんど認められず、紛争当事者が民間人の保護に関する基本的な責任を果たさなかった結果であり、ガザ地区の多くの人々が直面している残酷な現実です。
支援物資がないことにより、子どもは飢えに直面し、飢きんが発生する危険性が高まっています。命を守る支援とサービスが全面的に再開されるまで、栄養不良の子どもの数は増え続けるでしょう。
国際法で定められていることは明確です。すべての紛争当事者は、民間人の保護および、人道支援が安全かつ妨げられることなく届けられるよう担保する義務を負っています。
私たちはイスラエルに対し、特に子どもを含む民間人の保護において、国際人道法を全面的に遵守するよう交戦規則を早急に見直すことを求めます。また、今回の事件およびすべての違反の申し立てに関する徹底的な独立調査を行うことを求めます。
愛する人を亡くされたご遺族の皆さま、そしてこの最も危険な状況下でガザの子どもに支援を続けているパートナーたちを含む、今回、影響を受けたすべての方々に、心よりお悔やみ申し上げます。
ユニセフはあらためて、即時かつ永続的な停戦、人質の解放、そしてすべての当事者に対し子どもや人道支援関係者を含む民間人の保護を呼び掛けます。食料、水、栄養、保健医療に関する物資は、子どもたちに安全かつ迅速に届けられなければなりません。子どもたちや市民の死と苦しみは、終わらせなければなりません。
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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。(
https://www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する32の国と地域を含みます
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、32の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、アドボカシーを担っています。(
https://www.unicef.or.jp )
プレスリリース提供:PR TIMES

記事提供:PRTimes