【レディクルIVSイベントレポート1.|後編】
フロンティア株式会社

IVS2025『上場経営者にアホのふりして無邪気に質問してみたら?』上場経営者のリアルを追求するパネルセッション
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本記事は、2025年7月3日に開催された「IVS2025」のパネルセッション『上場経営者にアホのふりして無邪気に質問してみたら?』のレポート後編です。前編では、3年先の事業計画の立て方や、重要KPIの見極め方といったリアルな経営の裏側が語られました。
「IVS2025」は、グローバルVC・Headline Asiaが運営する、日本最大級のスタートアップカンファレンス。当社(フロンティア株式会社)はダイヤモンドスポンサーとして協賛し、今年は3つのセッションへ登壇し、2つのサイドイベントを主催しました。
本セッションには、当社 常務取締役CMO・田中翔理と、株式会社kickflow 代表取締役・重松氏のスタートアップ経営者2名が登壇。モデレーターには株式会社ReBoost 代表取締役社長・河合氏を迎え、上場企業である株式会社FCEの取締役・上級執行役員 永田氏に対し、「IPO後のプレッシャー」や「経営者に必要な資質」など、普段はなかなか聞けない本音を“アホのふり”で引き出すスタイルで進行しました。
本編では、セッション後半の白熱したやりとりをご紹介します。上場経営者のリアルに、さらに深く迫ります。
パネリスト:
・永田 純一郎 氏(株式会社FCE 取締役・上級執行役員)
・重松 泰斗 氏(株式会社kickflow 代表取締役)
・田中 翔理 氏(フロンティア株式会社 常務取締役CMO)
モデレーター:
・河合 聡一郎 氏(株式会社ReBoost 代表取締役社長)
田中氏:話は少し逸れますが、都市伝説的に「上場すると株主に刺されるかもしれないから電車移動は控える」といった話を聞いたことがあります(笑)。永田さん、ご自身の移動手段に変化はありましたか?
永田氏:だいぶ偏ったイメージですね(笑)。
ただ、ありがたいことにFCEは上場以来ずっと業績を伸ばし続けており、誰も損していない状況を作れているので、今のところ大丈夫かなとは思っています。
ちなみに僕は今でも主に電車で移動していますし、なんならLOOP(電動キックボード)にも乗ります(笑)。
もちろん株価は水物なので、そうならないように頑張らないととは思っています。
河合氏:生活の景色で変わったことはありますか?ご家族の反応や、周囲の態度など、IPO後の変化を感じる場面はありますか?
永田氏:正直、あまり実感はないですね。
もともとプライベートよりも仕事に時間を使っているので、生活が劇的に変わったという感覚は薄いのかもしれません。ただ、家族や社員から「ローンを組む時に信用力が上がるらしい」という話は聞きますし、新人が入社してくれた時には、「上場企業に入った」という安心感にもつながっているようです。
自身の生活が何か変わったかというと、あまり変わってないですね。
河合氏:つまり「生活そのものよりも社会的な価値が上がった」と実感する場面が増えたということですね。
永田氏:そうですね。
あとは、いろんな方と初めてお会いした際にも、「この人は何をしているんだろう?」と懐疑的に見られることが少なくなったと感じます。
重松氏:上場すると、採用面や金融機関との関係性が変わるとよく聞きますが、マーケティングや営業面でも変化はあるんでしょうか?
信用力が高まることで「売れやすくなる」効果があるのではと思っているのですが、実際のところはどうなんでしょう?
永田氏:それは実際ありますね。
立ち上げ期にも商品力はあったのですが、まだ知名度が低かったこともあり、営業先に「FCE」という社名を調べられると、「7つの習慣」が上位に表示されるんです。
そうすると「この会社、DX領域で本当に信頼できるの?」と不安視されることがありました。
特に自治体や大手企業の場合、「事業の継続性」や「信頼性」が重視されるので、「だったら無難に某大手にしよう」と、最終選定から外れることも実際にありました。
それが今では、「ユーザー満足度ランキングで高評価を得ています」「上場企業です」といった実績があるため、そうした不安を感じさせず、スムーズに受注できるケースが増えました。
その意味でも、「上場する価値は十分にある」と感じています。
重松氏:でも、上場前に負けた理由が信頼力がないからだって気づくのが難しいじゃないですか。それは上場後に勝てるようになってから認識できたんですか?
永田氏:まさにそうです。ロボパットをトライアル導入していただき、現場の担当者や部長からは「これはいい」と評価をもらえていたのに、最終的には案件が通らないことがありました。
なぜダメだったのか後から聞くと、「上層部が事業の安定性を不安視していた」というような理由だったりする。
そうしたことも、実際に落選した経験や、その後のやり取りから見えてきましたね。
田中氏:上場前と上場後で、社員を定着させるための施策や評価制度で変化はありましたか?
永田氏:まさに評価制度と育成方法は、継続的に見直しを続けています。
一方で、私たちが軸にしている「バリュー」と「パフォーマンス」による評価制度の基本構造は、変えていません。
「パフォーマンス」は営業成績などの“成果”を、「バリュー」はFCEらしい行動や在り方、つまり“会社にどんな良い影響を与えているか”を見ています。
成果(パフォーマンス)はもちろん報酬の反映対象ですが、評価制度としてより重視しているのは「バリュー」の方です。
FCEでは、この人に何をやってもらおうかと仕事をあてるのではなく、まず仕事や役割があり、それを担える人をつける。もしくは、バリューが高く「この人ならやってくれるだろう」というメンバーを期待人事で抜擢しています。
幹部陣で回していく場合でも「何を大事にするか」という価値観を”若手に伝え続けることが重要”かなと思っています。
それをどう実現するかについては、今も試行錯誤していますね。
重松氏:バリューを評価するのって難しくないですか?経営陣ならともかく、ミドルマネジメント層には負荷が大きいのではと思うんですが、どう運用されているんですか?
永田氏:そこは大事なポイントなので、私たちは「2つの段階」で設計しています。
まず前提として、「バリュー」が曖昧なままだと、評価が感覚頼りになってしまいますよね。
だからFCEでは「バリューブック」を作成しており、私たちが大切にしている価値観を、行動ベースで明文化しています。
つまり、「バリューが高い」とは“こういうスタンス・こういうアクションをする人”と定義しているんです。
その上で、実際の評価は2つに分けています。
報酬に関わる評価は幹部が担当し、一方で、四半期ごとのフィードバックはリーダーやマネージャーが行います。
これはトレーニングの意味合いもありますし、評価と育成を両立する仕組みとして機能しています。
河合氏:未上場企業だと報酬設計にある程度柔軟性があると思いますが、上場すると制度設計が難しくなる印象があります。
IPO後に発生する報酬の課題については、どう向き合ってきましたか?
永田氏:その通りで、報酬制度には上場後ならではの課題があります。FCEでも、上場前から代表の石川と一緒にずっと取り組んできました。
というのも、IPO前後で入社した社員の間に「社員番号による格差」が生まれてしまう。また、経営層と現場の間にも格差ができやすい。
こうした“組織やマインドの分断”は避けられない部分もありますが、それを前提にした制度設計が必要だと思っています。
”IPOに向けて貢献してくれた社員にしっかり報いたい”し、その後に”新しく活躍してくれたメンバーにも報いたい”。そういう思いで設計しています。
河合氏:どんなポジションでも、チャレンジを続けていれば報われる設計にされているんですね。
永田氏:はい。FCEのパーパスは「チャレンジあふれる未来をつくる」です。
だから理想は、「FCEで挑戦し続ければ必ず報われる」と社員に思ってもらえる状態をつくること。
そのために、外部の専門家にも意見を聞きながら、起こりうるリスクを先回りして想定し、できるだけストレスなく挑戦できる環境を整えています。
河合氏:多くの企業がIPO後に報酬制度を再構築する中で、FCEさんは未上場の時から設計されていたのが面白いですね。
重松氏:先ほど、経営チームで3年先の目標をチューニングしているというお話がありましたが、実際の経営会議ではどんなアジェンダを扱っていて、どれくらいの頻度で行っているのでしょうか?
永田氏:取締役会とは別に経営層の部門長クラスが集まる報告会を隔週で行っています。そこでは各事業の状況や成功事例の共有を行っていて、共有された内容を自部署に持ち帰り、現場へ展開していく流れができています。
例えば、ロボパットのブースでの営業マンの成功事例を、トレーニングを行う部門のメンバーがどう成功したかを聞きに行くみたいなイメージですね。
重松氏:役員がアクションを決めたりするミーティングもあるんですか?
永田氏:ありますね。プロジェクト単位でサッと集まって、週1の定例を3ヶ月分設定することもあれば、経営層での合宿形式のミーティングもあります。
そういえば合宿で思い出しましたが、昔は貸切バスで移動していたんですが、上場後は「バラバラに行ってくれ」と言われるようになりまして(笑)。
同じ移動手段で何かあった時のリスクを考えると、全員一緒は避けたほうがいいという判断です。
上場企業の役員になると、“いなくなったとき”を想定され始めるんだなと、ちょっとした現実を感じました(笑)。
個人としてはただの心配かもしれませんが、企業としては継続性を担保する必要がありますからね。
田中氏:アホみたいな質問なんですが、経営会議とかでケンカってしますか?
永田氏:プライベートは分からないですが、ディスカッションで白熱することはあっても、ケンカになることはないですね。
アホな質問に真面目に返してしまうんですけど、意見がぶつかったときに「どっちが正しいか?」っていう構図になると、対立になりやすいじゃないですか。
でもFCEでは『7つの習慣』を事業としても実践していて、「人と意見が違うこと」は大前提なんです。Aさんの意見とBさんの意見、どっちが正しいかというより、むしろ「2つの意見が出てきてからがスタート」になるんですね。
だからケンカにならないし、遺恨も残らない。やっぱり『7つの習慣』があるおかげで、議論の質も保たれています。共通言語があるって本当に大きいです。正直、これがなかったらもっとコミュニケーションは難しかったと思いますね。
上場を目指す企業は、ぜひ『7つの習慣』研修、受けておくといいですよ(笑)。
重松氏:僕もアホみたいな質問があります(笑)。YahooファイナンスやYahoo掲示板ってどれくらい見てるんですか?
河合氏:経営者でも、全然見ない人と毎日見る人で、けっこう分かれますよね。
永田氏:僕はめちゃくちゃ見ます。というか、全社員に見るように言っています。
ありがたい質問です(笑)。
たとえば、「これはイケる」と思って出したリリースが全然話題にならなかったり、意図しない捉え方をされていたりすることって、よくあるんですよ。
だからこそ、上場企業として「世の中からどう見られているか」「どんな期待を持たれているか」をインプットすることは、全社員にとって重要なんです。
社員教育の一環として、「Yahoo!掲示板は毎日見て、自分たちの立ち位置を客観視しよう」と伝えています。
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会場にはたくさんの来場者が詰めかけた
タイトルのとおり、和やかな雰囲気の中にも本質を突く議論が交わされた本セッション。
モデレーターの河合氏は、「組織全体が熱量を持って取り組む仕組みづくりへの関心は高く、“個人としての価値”というより“社会的価値”というプレッシャーの中で経営されている印象を受けた」と振り返ります。
上場企業の経営者たちが語るリアルに、会場全体が引き込まれた貴重な時間となりました。
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【会社概要】
社名 :フロンティア株式会社
本社所在地 : 東京都渋谷区恵比寿4丁目20番3号 恵比寿ガーデンプレイスタワー14階・15階
代表者 : 代表取締役社長 高橋 政裕
事業内容 : ビジネスマッチングエージェント「レディクル」の運営
創業 : 2009年11月
URL :
https://frontier-gr.jp/
【公式SNS】
Facebook :
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X :
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Linkedin :
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