東陽テクニカ、「オンプレ型」量子コンピューターを日本で販売、大学や企業への実機導入を推進
東陽テクニカ

欧州大手IQMと販売代理店契約を締結、専門人材の育成も開始
株式会社東陽テクニカ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:高野 俊也(こうの としや)、以下 東陽テクニカ)は、2025年7月16日、量子コンピューターをグローバル展開するIQM Quantum Computers(アイキューエム・クアンタム・コンピューターズ、本社:フィンランド・エスポー、共同CEO:Jan Goetz(ヤン・ゲッツ), Mikko Valimaki(ミッコ・ヴァリマキ)、以下 IQM)と日本における量子コンピューターの販売代理店契約を締結しました。IQMが注力する技術領域と当社の既存事業領域の親和性が高いことから、両社が連携して国内での事業展開を進めることとなりました。これにより、大学や研究機関、企業での実機導入を後押しするとともに、量子技術の専門人材の育成や社会実装化を推進していきます。
【 背景 】
量子コンピューターは、量子力学の原理を利用して高度な計算処理を行う次世代コンピューターです。材料開発、自動運転開発、量子暗号通信、防衛、創薬、環境工学など、従来のコンピューターでは難しい複雑で膨大な計算の処理能力を備えていることから、世界的に注目されています。日本政府も2025年を「量子産業化元年」と位置付けて社会実装を推進しており、2030年までに「量子技術の国内利用者1,000万人」「量子技術による生産額50兆円」などを目標に掲げています。インターネットを介して遠隔利用するクラウドサービスが普及する一方で、オンプレミス型の国内導入は限られており、特に大学や研究機関では実機を活用した教育・研究環境の整備が十分に進んでいないのが現状です。
【 目的・意義 】
IQMは、クラウドサービスに加えて、世界最先端レベルの先進モデルから1台当たり約2億円の低価格帯入門モデルまで多様なラインアップをオンプレミスで提供する、超電導型量子コンピューター分野の世界的リーディング企業です。2025年7月末時点で2億ユーロ以上の資金を調達し、世界8カ国(フィンランド、ドイツ、フランス、イタリア、米国、シンガポール、韓国、台湾)において10件以上の納入実績があります。
5量子ビットを備えた入門モデル「IQM Spark(IQMスパーク)」は、大学・研究機関で量子技術教育や人材育成に活用されており、日本国内でも同様のニーズが高まっています。また、20~150量子ビットを備えた「IQM Radiance(IQMラディアンス)」は、EU諸国を中心に暗号・セキュリティをはじめ、材料科学、創薬、環境工学など幅広い分野での先端研究に活用され、さらに高度な解析への応用が見込まれています。
さらに、オンプレミス型はクローズド環境で使用するため機密性が高く、アクセス制御や物理セキュリティも自己管理が可能です。また、ネットワークを介さないため応答速度が速く、リアルタイム性が求められる処理にも適していることから、日本市場においても高い導入効果が期待されています。
【 今後の展望 】
東陽テクニカは、本日、量子技術に特化した専門組織「量子コンピューティング・カンパニー」を設置しました。IQMが有する最先端の量子コンピューター技術と当社が展開する多様な事業領域における技術・知見を融合することで量子コンピューターの活用分野を開拓し、ユースケースの創出や新たなビジネスモデルの開発を推進していきます。また、実機を用いた教育・研究機会の提供や関連企業・団体との連携を通じて、量子技術の人材育成と社会実装を後押ししていきます。
【 サステナブルな社会づくりへの貢献 】
東陽テクニカは、「“はかる”技術で未来を創る」という企業理念のもと、豊かな社会、人と地球に優しい環境づくりに貢献するため、サステナビリティ経営の重要課題として5つのマテリアリティを特定しています。本件は、その中でも「技術革新と産業発展への貢献」、「安心・安全で豊かな暮らしの実現」を推進する重点施策です。
脱炭素、エネルギー、自動運転、情報セキュリティ、海洋、防衛、ライフサイエンスなど、多岐にわたる分野で積み上げた当社の先進的な計測技術やグローバルネットワークと、IQMの最先端の量子技術・知見を組み合わせることで新たなソリューションを提供し、エネルギー開発やサイバーセキュリティ、気候変動など、世界が直面するさまざまな課題の解決を目指してまいります。
両社のCEOは以下のようにコメントしています。
株式会社東陽テクニカ 代表取締役社長 高野 俊也
「今回の締結は、量子コンピューターの世界的リーディング企業であるIQMが注力する技術領域と、当社が展開する事業領域の親和性が高いことから、両社の力強いコミットメントのもと実現したものです。両社で連携し、大学・研究機関や企業での実機導入を加速させるとともに、日本における量子技術を担う専門人材の育成と社会実装を推進していきます。」
IQM Quantum Computers 共同CEO Mikko Valimaki
「日本は、量子コンピューター分野において重要な市場のひとつです。日本で高度な技術ソリューションを展開する東陽テクニカとのパートナーシップは、私たちが最先端のフルスタック量子コンピューターを日本市場に提供し、さまざまな事業分野で量子技術の実用化を加速させるという強い決意の表れです。」
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IQM Spark
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IQM Radiance
製品概要
[画像3:
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※各製品については、当社Webサイトをご参照ください(
https://www.toyo.co.jp/quantum/)
※各製品の価格は、当社にお問い合わせください。
<IQMについて>
IQMは、超電導型量子コンピューター分野の世界的リーダーです。オンプレミス型のフルスタック量子コンピューターに加えて、IQMのコンピューターにアクセスできるクラウド・プラットフォームを提供しています。主な顧客には、高性能コンピューティング(HPC)センターをはじめ、研究機関、大学、企業などが含まれ、これらの顧客はIQMのソフトウェアとハードウェアに完全にアクセスすることができます。フィンランドを本拠とするIQMは、フランス、ドイツ、イタリア、日本、ポーランド、スペイン、シンガポール、韓国、米国に拠点を展開しています。
IQM Web サイト
https://meetiqm.com/
IQMの沿革
2018年:設立
2019年:フィンランドのスタートアップとして最大規模の1,140万ユーロのシード資金を調達
2020年:5量子ビット量子コンピューターを開発
2023年:米国およびアジア太平洋地域に事業展開、20量子ビット量子コンピューターを納入、
フラッグシップ製品「IQM Radiance」を開発
2024年:54量子ビット量子コンピューターを納入、累計製造台数30台を達成
2025年:世界での納入実績10件以上を達成、
IQM内に試験・研究開発の目的で30台以上の量子コンピューターを設置
<株式会社東陽テクニカについて>
東陽テクニカは、最先端の“はかる”技術のリーディングカンパニーとして、技術革新を推進しています。その事業分野は、脱炭素/エネルギー、先進モビリティ、情報通信、EMC、ソフトウェア開発、防衛、情報セキュリティ、ライフサイエンスなど多岐にわたり、クリーンエネルギーや自動運転の開発などトレンド分野への最新計測ソリューションの提供や、独自の計測技術を生かした自社製品開発にも注力しています。新規事業投資やM&A による成長戦略のもと国内外事業を拡大し、安全で環境にやさしい社会づくりと産業界の発展に貢献してまいります。
株式会社東陽テクニカ Webサイト:
https://www.toyo.co.jp/プレスリリース提供:PR TIMES


記事提供:PRTimes