「令和7年度東北地方整備局管内業務発表会」にて除雪支援システム「SRSS」に関する論文が最優秀賞を受賞
ダイナミックマッププラットフォーム株式会社

ダイナミックマッププラットフォーム株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長CEO: 吉村 修一、以下「当社」)は、6月19日(木)~20日(金)にかけて国土交通省東北地方整備局主催で開催された「令和7年度東北地方整備局管内業務発表会」において、当社のグループ会社・ダイナミックマッププラットフォームAxyz(本社: 東京都渋谷区、代表取締役社長: 雨谷広道、以下「Axyz」)が提供する除雪支援システム「SRSS」に関する論文が最優秀賞を受賞しましたことをお知らせします。
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八幡平アスピーテラインの「雪の回廊」
<論文「除雪支援システムについて」概要>
当論文は「除雪支援システムについて」と題し、盛岡広域振興局土木部 岩手土木センターの菊地 和久主査が作成・発表したものです。
■「八幡平アスピーテライン」春先除雪における課題
●作業環境における安全確保が困難な中、作業員による長年の経験と勘に依存して作業を実施
岩手県の主要観光道路「八幡平アスピーテライン」は、春になると道路の両側に雪の壁がそびえ立ち、岩手県を代表する春の絶景「雪の回廊」として知られています。しかし、この「雪の回廊」を形成するための春先の除雪作業(春先除雪)は、最大8mもの高さに積み上がった雪を掘り進める極めて過酷なもので、作業環境における安全確保は課題の1つとなっています。厚い積雪により道路は見えず、降雪による視界不良やがけ地での滑落リスクといった物理的な難題がある中、作業員による長年の経験と勘に頼って作業を進めているのが現状です。
●目印となる指標木の破損により正確な道路位置を把握が難しく、補充コストも負担に
従来の除雪作業では、積雪後でも道路幅が分かるよう、降雪前に目印として約6mの高さの指標木を設置しています。しかし、厳しい冬の間の強風や雪の重みで、これらの指標木が倒れたり、折れたりすることが少なくありません。このことで正確な道路位置を把握することが困難になるケースが多く、また、毎年多くの指標木が破損するため、その補充にかかる費用も大きな負担となっています。
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春先除雪前の位置確認イメージ
●熟練作業員の高齢化により、技術を継承する担い手の確保・育成も課題
「令和3年度岩手県建設業構造実態調査」(県建設技術振興課)によると、岩手県内の建設業就業者の半数以上が50歳を超えており、春先除雪においても熟練作業員の高齢化が進行しています。しかし作業員が一人前になるには通常15年から20年程度の経験が必要とされており、その高度な技術を継承する担い手の確保・育成も喫緊の課題となっています。
■SRSS導入の成果
これらの課題を解決し、より安全で効率的な除雪作業を実現するため、岩手県はAxyzが提供する除雪支援システム「SRSS」を導入。SRSSは自動運転車にも利用されている当社の高精度3次元データを応用し、センチメートル級の高精度ガイダンスをタブレット端末で提供するサービスで、岩手県では2023年に実証実験を行い、2024年冬季から実運用を開始しました。その成果は以下の通りです。
●高精度なガイダンスで、作業の効率化による働き方改革および安全性の向上を実現
SRSSは携帯電話の電波が届かない山間部や吹雪などの悪天候においても安定して動作し、センチメートル級の非常に高精度なガイダンスを提供。これにより除雪作業が効率化し、作業時間の短縮を実現しました。その結果、これまで作業員の休暇は作業状況に左右され、予定よりも休日が減るなど不規則になりがちでしたが、週休2日を実現するなど働き方改革の推進に貢献しました。また、SRSSのタブレット上でがけ地などの危険箇所や障害物の位置を正確に把握できるため、作業の安全性の向上にも寄与しました。
●目印となる指標木の本数を減らし、補充コストや設置撤去の手間を削減
2025 年においては、これまで300 本設置していた指標木を、1/3の100 本程度まで大幅に減らして春先除雪を実施。2025年は近隣の観測所での累加降雪量が2024年よりも約180cmも多く、作業の進捗が心配される厳しい条件下でしたが、予定通りに作業を完了することができました。指標木は厳しい冬の間の強風や雪の重みで破損することも多くありますが、指標木を減らすことで、破損したものの補充にかかるコストの削減、ならびに設置撤去にかかる作業員の手間の削減を実現しました。
●複数の現場作業員より好意的なコメントも
実際にSRSSを使用した現場の作業員からは以下のコメントをいただき、好意的な評価を受けることができました。
「画面上でがけ地などの危険箇所や、雪に埋もれた構造物の位置が事前に分かるため、安心して作業に集中できるようになった。安全性が格段に向上したと感じる。」
「これまで道路の位置を探るのに多くの時間を費やしていたが、SRSSのおかげでその作業が大幅に効率化された。結果として作業時間が短縮され、以前よりも多く休日を確保できるようになった。」
「道路の位置確認作業は、従来15 年から20 年程度の長い経験が必要とされてきたが、SRSSがあれば、経験の浅い作業員でも自信を持って作業に取り組むことが可能。これは若手育成の観点からも非常に大きい。」
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八幡平アスピーテラインにおけるSRSS使用の様子
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八幡平アスピーテラインにおけるSRSS使用の様子
令和7年度東北地方整備局管内業務発表会では、これらの成果が高い評価を受け、最優秀賞を受賞しました。
なお、本件に関しては、岩手県県土整備部発行「美しい県土づくりNEWS 2025年7月号」にも掲載されています。
https://www.pref.iwate.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/084/887/iwate-kendonews-202507-21.pdf
実際の発表論文等は以下、令和7年度東北地方整備局管内業務発表会の公式サイトよりご覧ください。
https://www.thr.mlit.go.jp/bumon/b00097/k00360/happyoukai/R7/index.html
当社は高精度3次元データのプラットフォーマーとして、今後も除雪支援をはじめとするさまざまな業界分野においてイノベーションを創出し、社会課題に貢献します。
<除雪支援システム「SRSS」について>
自動運転車にも利用されている当社の高精度3次元地図データと、高精度の自己位置推定が可能な「CLAS※1」を活用した「RTK測位※2」を組み合わせ、Axyzが除雪作業向けにカスタマイズしたサービスです。GNSS受信機から得られる高精度位置情報により自車位置を把握しながら、雪の下に隠れている路肩やマンホールなどをタブレット端末上で“見える化”することで、安全かつ円滑な除雪作業をサポートします。
●サービス詳細:
https://www.dynamic-maps.co.jp/srss/
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(左)「SRSS」の画面 (右)「SRSS」使用イメージ
※1 CLAS: 準天頂衛星(みちびき)から配信される補強情報。
※2 RTK測位: GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星を利用した測位方法。センチメートル級の高い精度で位置情報を求めることが可能。
<ダイナミックマッププラットフォームAxyz株式会社について>
設立: 2022年10月
本社: 東京都渋谷区
代表者: 雨谷 広道
事業内容: 高精度3次元データを活用した新規事業の創出
<ダイナミックマッププラットフォーム株式会社について>
当社は日本政府のバックアップと、自動車メーカー10社を含む国内企業が一体となった『オールジャパン体制』で設立されました。日本を拠点に、アメリカ・ドイツ・韓国・中東にグループ会社を展開。
現実の世界をデジタル空間に複製する高精度3次元データのプラットフォーマーとして、様々な産業分野におけるイノベーションを支えています。
設立: 2016年6月
本社: 東京都渋谷区
代表者: 吉村 修一
事業内容: 自動運転・ADASをはじめ多様な産業を対象とした高精度3次元データの提供
URL:
https://www.dynamic-maps.co.jp/プレスリリース提供:PR TIMES




記事提供:PRTimes