水を推進剤とする人工衛星用推進技術のスタートアップ 株式会社Pale Blueへ出資
三菱電機株式会社

人工衛星用推進技術を強化し、持続可能な宇宙空間の利活用に貢献
三菱電機株式会社は、グローバル・ブレイン株式会社と共同で運営するコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)ファンド「MEイノベーションファンド(※1)」が出資する第13号案件として、水を推進剤に用いた小型衛星用推進機(※2)の開発・製造・販売を進める株式会社Pale Blue(以下、ペールブルー)へ出資しました。
近年、世界的に人工衛星の打ち上げ数が増加し、衛星コンステレーション(※3)を活用したさまざまなビジネスが拡大しています。人工衛星の動力源である推進機は、衛星運用や軌道間輸送などを実現するための重要なコンポーネントの1つであり、安全性やコスト効率に優れ、環境負荷が小さい推進技術への期待が高まっています。
ペールブルーは、東京大学発のディープテックスタートアップとして2020年に設立され、「低圧常温における水の蒸発機構(※4)」と「耐酸化性を有する低電力プラズマの生成」をコア技術とした独自の水推進機の開発を通じて、安全で持続可能な宇宙インフラの構築を目指しています。同社の技術は水を推進剤としており、他の推進剤に比べて安全性が高く、コストや入手性、環境負荷などの面でも大きな優位性を持つことが特長です。すでに小型衛星での宇宙実証を複数回実施しており、十分な実績と高い信頼性があります。また、生産技術開発拠点の立ち上げなど、生産体制の構築に向けた活動にも取り組んでいます。
今後、当社はペールブルーへの出資を通じて、同社との技術協業を推進することで、当社宇宙事業の競争力向上を図るとともに、持続可能な宇宙空間の利活用に貢献してまいります。
株式会社Pale Blue 共同創業者 兼 代表取締役 浅川 純 氏 コメント
「このたび、宇宙システム領域で豊富な実績と先進技術を有する三菱電機に出資いただけたことを大変光栄に思います。当社は推進機を起点に、宇宙空間での移動能力、すなわちモビリティを提供することで活動領域の拡大に貢献します。三菱電機との協業を通じて、技術的信頼性のさらなる向上を図り、ビジョンとして掲げている「宇宙産業のコアとなるモビリティの創成」の実現を進めてまいります。」
三菱電機株式会社 上席執行役員 ビジネスイノベーション本部長 松原 公実 コメント
「ペールブルーは、水を用いた革新的な推進技術によって、宇宙輸送の安全性・効率性・環境適合性を同時に実現し得るポテンシャルを有しています。こうした持続可能な推進技術は極めて重要な要素であり、当社が目指す宇宙事業の方向性とも非常に親和性が高いと判断しました。今回の出資を契機に、ペールブルーとの技術共創を深め、宇宙ビジネスの革新と社会価値創出に貢献してまいります。」
■ペールブルーの概要
[表:
https://prtimes.jp/data/corp/120285/table/281_1_a6efb2498287711a639e294c907a875f.jpg?v=202508070617 ]
■三菱電機グループについて
私たち三菱電機グループは、たゆまぬ技術革新と限りない創造力により、活力とゆとりある社会の実現に貢献します。社会・環境を豊かにしながら事業を発展させる「トレード・オン」の活動を加速させ、サステナビリティを実現します。また、デジタル基盤「Serendie(R)」を活用し、お客様から得られたデータをデジタル空間に集約・分析するとともに、グループ内が強くつながり知恵を出し合うことで、新たな価値を生み出し社会課題の解決に貢献する「循環型 デジタル・エンジニアリング」を推進しています。1921年の創業以来、100年を超える歴史を有し、社会システム、エネルギーシステム、防衛・宇宙システム、FAシステム、自動車機器、ビルシステム、空調・家電、デジタルイノベーション、半導体・デバイスといった事業を展開しています。世界に200以上のグループ会社と約15万人の従業員を擁し、2024年度の連結売上高は5 兆5,217 億円でした。詳細は、
www.MitsubishiElectric.co.jpをご覧ください。
※1 「MEイノベーションファンド」を設立(2022年1月13日公表)
https://www.MitsubishiElectric.co.jp/ja/pr/2022/pdf/0113.pdf
※2 物体を前進させるための装置や機械のことで、車におけるエンジンにあたるもの
※3 多数の衛星を同じ軌道上に配置し、一体的に運用するシステム
※4 低圧環境において、水を高温に加熱することなく蒸発させる仕組み
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