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マンション高騰は止まらないのか? 築古需要が暴く首都圏価格の正体

マンションリサーチ株式会社

マンション高騰は止まらないのか? 築古需要が暴く首

――坪単価の推移と購買行動の変化から読み解く――


坪単価という指標の重要性

マンション価格の高騰や下落を評価する際、もっともよく用いられるのが「坪単価」です。坪単価とは、1坪(約3.3平方メートル )あたりの価格を指し、物件の規模や立地条件が異なっていても、価格の水準を相対的に比較できる便利な指標です。たとえば同じエリア内で専有面積の違うマンションを比較する場合、総額ベースでは判断が難しいことがありますが、坪単価で見ることで市場全体の動きや価格の過熱感を直感的に把握できます。こうした理由から、坪単価は市場分析や購入判断において不可欠な指標となっています。

一都三県における価格動向

グラフ1:一都三県:中古マンション成約坪単価推移
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/13438/141/13438-141-2f2e7ade9f9e96d0e4d6daa09ea0c8f0-1920x1080.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
出典:福嶋総研


実際に一都三県(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)の中古マンション成約事例を坪単価で追うと、東京都のみが依然として高騰傾向を維持しています。これに対して、神奈川県、千葉県、埼玉県の3県は、2012年以降は東京都に追随するように価格を伸ばしてきましたが、2024年前半以降は横ばい、もしくはやや下落の兆しを見せ始めています。こうしたデータだけを切り取れば「首都圏のマンション価格は天井を打ち、いよいよ下落局面に入ったのではないか」と思われるかもしれません。
しかし、実際には価格動向の背景には複数の要因が複雑に絡み合っており、一見した動きだけで単純に「下落局面」と結論づけるのは危険です。そこで今回は特に神奈川県・千葉県・埼玉県の動向に焦点を当て、築年帯別に分析を行い、その実態を整理してみたいと思います。

築年帯別の価格推移

グラフ2:エリア別×築年帯別成約坪単価推移
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/13438/141/13438-141-1f0789d47256a2d7d7f4e5956b4bff7a-1920x1080.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
出典:福嶋総研



今回の調査では中古マンション市場を築年数で大きく以下の3つに分類しました。

 1. 2006年以降築

 2. 1983年~2005年築

 3. 1982年以前築

この3区分ごとの坪単価の推移をみると、非常に興味深い結果が得られます。いずれの地域においても「2006年以降築」のマンションは依然として価格が高騰を続けており、他の築年帯と明確に異なる動きを示しています。築浅物件は耐震性能の高さや最新設備の充実度、そして投資対象としての資産価値維持の期待感から、常に一定の需要があります。したがって坪単価の上昇は自然な結果とも言えます。
一方で、「1983年~2005年築」「1982年以前築」の物件は横ばいの傾向にあり、大幅な下落はみられません。これは、築年数が古くなることで価格が落ち着いている一方、立地や利便性によっては底堅い需要が存在しているからです。特に駅近や人気エリアでは、築年数が古くても住み替え需要が継続的に存在し、価格を支えています。

成約件数の変化が示す購買行動

グラフ3:エリア別×築年帯別成約数の割合の推移
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/13438/141/13438-141-40ddefc60a0b4632d879326dd227a5e9-1920x1080.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
出典:福嶋総研


さらに注目すべきは、築年帯ごとの成約件数の割合の変化です。グラフ3でみると、坪単価が高騰している「2006年以降築」のマンションの成約割合は減少傾向にあります。裏を返せば、比較的価格が安い「1983年~2005年築」や「1982年以前築」のマンションの成約割合が増加していることを意味します。
これは、購入者の多くが「新しい物件に手を出したいが、総額が高すぎて手が届かない」という現実に直面し、次善の選択として築年数が古い物件にシフトしていることを示しています。マンション価格が高騰し続ける中、消費者は「立地」「広さ」「築年数」のバランスをとりながら妥協点を探し、購入に踏み切っているのです。

坪単価横ばいの裏側

このように、成約件数のシェア変化が全体の坪単価の動きを左右しています。具体的には、坪単価が高くなりやすい築浅物件の比率が下がり、相対的に坪単価が安い築古物件の比率が高まったため、平均として算出される全体の坪単価が横ばい、あるいはやや下落に見えるという仕組みです。
つまり、数字の上では「価格が下がっている」と見える場合でも、実際には「築浅物件の値下がり」ではなく「築古物件への需要シフト」が主要因である可能性が高いということです。ここを誤解してしまうと、市場全体が値崩れしていると誤った認識を持つリスクがあるため、注意が必要です。

購入者の心理と市場環境

なぜ今、築古物件への需要シフトが加速しているのでしょうか。その背景には、金利環境と家計の購買力の問題があります。2020年代前半、日本は長らく続いた超低金利政策からの転換期に入りつつあり、住宅ローン金利の上昇が強く意識されるようになりました。
購入者の多くは駆け込み的に購入を決断するケースが増えています。しかし、同時に新築や築浅マンションの価格は年収倍率で考えると手が届かない水準まで上がっており、結果的に「築古だが価格的に現実的な物件」に需要が流れているのです。

市場が示す「天井感」

こうした購買行動は、ある意味で市場が「価格の天井」に近づいているサインとも解釈できます。実際、給与所得者層の購買力を超える価格帯では成約件数が伸びず、相対的に割安な物件に取引が集中するからです。これは市場全体のダイナミズムとして非常に重要であり、「どの築年帯が売れているか」を見ることは、単に価格の平均値を見るよりも市場の実態を理解する上で有効です。

今後の展望

今後、金利がさらに上昇すれば、住宅ローン返済の負担感は一層強まります。そうなると、高額な築浅マンションの需要はますます限定的になり、築古や郊外物件へのシフトが進む可能性があります。逆に言えば、築浅マンションの売主は価格を調整しなければ成約に至らない状況が増えるかもしれません。
一方で、駅近や再開発エリアなど立地条件に恵まれた物件は、築年数に関わらず底堅い需要が続くと考えられます。特に都心や主要駅近郊では、外国人投資家の需要や賃貸需要も含めて安定しているため、大幅な下落は起こりにくいでしょう。

まとめ

以上の分析を踏まえると、「東京都を除く首都圏のマンション価格は下落局面に入った」と単純に言うことはできません。むしろ、築浅マンションは依然として高騰している一方で、築古マンションの需要シェア拡大により平均坪単価が横ばいに見えているのが実態です。そしてその背景には、金利上昇への警戒と、給与所得者の購買力の限界という現実が横たわっています。
言い換えれば、市場は今「価格高騰の最終局面」に差しかかっており、購入者の選択行動がそれを示唆している段階だと言えるでしょう。


筆者プロフィール
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/13438/141/13438-141-71197db58c70c6aff9fe56c381d4a0f0-312x337.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]

福嶋 真司(ふくしましんじ)

マンションリサーチ株式会社
データ事業開発室 
不動産データ分析責任者

福嶋総研
代表社員



早稲田大学理工学部経営システム工学科卒。大手不動産会社にてマーケティング調査を担当後、
建築設計事務所にて法務・労務を担当。現在はマンションリサーチ株式会社にて不動産市場調査・評価指標の研究・開発等を行う一方で、顧客企業の不動産事業における意思決定等のサポートを行う。また大手メディア・学術機関等にもデータ及び分析結果を提供する。

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【マンションリサーチ株式会社について】
マンションリサーチ株式会社では、 不動産売却一括査定サイトを運営しており、 2011年創業以来「日本全国の中古マンションをほぼ網羅した14万棟のマンションデータ」「約3億件の不動産売出事例データ」及び「不動産売却を志向するユーザー属性の分析データ」の収集してまいりました。 当社ではこれらのデータを基に集客支援・業務効率化支援及び不動産関連データ販売等を行っております。

会社名: マンションリサーチ株式会社
代表取締役社長: 山田力
所在地: 東京都千代田区神田美土代町5-2 第2日成ビル5階
設立年月日: 2011年4月
資本金 : 1億円

プレスリリース提供:PR TIMES

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記事提供:PRTimes

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