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約400種類の嗅覚受容体の反応を網羅的に解析する技術を確立

花王株式会社(ニュースリリース)

約400種類の嗅覚受容体の反応を網羅的に解析する技術

感じるにおいの質ごとに特徴的なパターンがあることを解明


花王株式会社(社長・長谷部佳宏)感覚科学研究所は、ヒトが持つ約400種類の嗅覚受容体のほぼすべてを培養細胞の表面に発現させることに世界で初めて*1成功し、においに対する嗅覚受容体の反応を網羅的に解析する技術「ScentVista 400TM(セントビスタフォーダブルオー)」を確立しました。この技術によって、ヒトのにおいの感覚は、嗅いだにおい物質に対する嗅覚受容体の反応パターンによって理解できる可能性が示されました。
[動画: https://www.youtube.com/watch?v=DK6LcU9iMvI ]
動画. 約400種類の嗅覚受容体の反応を網羅的に解析する技術「ScentVista 400」

今回の研究成果は、2025年度日本味と匂学会第59回大会(2025年9月8~10日・大阪府)にて発表し、優秀発表賞を受賞しました。

*1 生命科学、生物医学を検索できる世界で代表的な科学文献データベースPubMedを用いて、 “human”, “odorant” and “receptor”で学術論文を検索。「約400種類と言われる嗅覚受容体のほぼすべてを培養細胞の表面に発現させた例」について該当なし(2025年8月28日現在、花王調べ)。

背景

ヒトの鼻には約400種類の嗅覚受容体があり、それぞれがセンサーのように働いて、数十万種類あるといわれるにおい物質の中から特定のにおい物質を認識します。その情報が脳に伝わることで、ヒトはにおいを感じます。

においの感じ方を調べるには、嗅覚受容体がにおい物質を認識したときの反応を確認する必要があります。しかし、ヒトの鼻で直接実験することはできないため、通常は嗅覚受容体を発現させた培養細胞を用います。嗅覚受容体は、鼻では細胞表面に存在することでにおい物質を認識しますが、培養細胞では、表面に安定して存在できず細胞内にとどまってしまうため、におい物質を認識することができません。そのため、これまで反応を確認できたヒトの嗅覚受容体は全体のわずか1割程度にとどまっていました。

この課題に対し、花王は2023年に嗅覚受容体を細胞表面に発現させる技術を開発し、その成果のひとつとしてムスクを認識する嗅覚受容体を特定しました*2。
花王は、さらに今回、この技術を従来解析できなかった嗅覚受容体に適用し、約400種類の反応を網羅的に解析できる方法の確立に取り組みました。そして、嗅覚受容体の反応を手がかりに、ヒトがどのようににおいを感じているのか、これまで不明だったにおい認識のメカニズム、すなわち嗅覚の本質の解明に挑みました。

*2 2023年9月13日 花王ニュースリリース 
「ムスクの香り」を網羅的に認識する嗅覚受容体の発見 ~化学構造からムスク香料の高精度な予測が可能に~

約400種類の、ヒトが持つほぼすべての嗅覚受容体の反応を網羅的に解析する技術の構築

嗅覚受容体はアミノ酸が連なってできたタンパク質です。今回花王は、従来解析できなかったヒトの嗅覚受容体それぞれについて、培養細胞表面に存在できない原因となるアミノ酸を一つひとつ推定し、それを解決できると予測されるアミノ酸に置き換えました。その結果、ほぼすべての嗅覚受容体を培養細胞の表面に安定して発現させることに成功し、におい物質を認識できる状態を再現することができました(図1)。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/70897/568/70897-568-148adced97a055d2261e8e1d7f2e5003-3900x1593.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図1. アミノ酸の置き換えに伴う嗅覚受容体の培養細胞での存在場所の違い

この成果をもとに、嗅覚受容体を持つ約400種類の培養細胞をくぼみが並ぶマイクロプレートに配置し、そこににおいを添加することで反応を一度に網羅的に解析できる技術「ScentVista 400」を構築しました。

感じるにおいの質ごとに特徴的な嗅覚受容体の反応パターンがあることを解明

「ScentVista 400」では、嗅覚受容体がにおい物質を認識すると光を生じ、その光の強度によって反応を確認します。この技術を用いて、約400種類の嗅覚受容体が、香りや不快なにおいを感じさせるさまざまなにおい物質に対してどのように反応するのか調べました。すると、よく似たにおいに対しては同様の、異なるにおいに対しては異なる、嗅覚受容体の反応パターンが示されました。

例えば、花弁を原料とするローズオイルと、葉や枝を原料とするゼラニウムオイルは、花の種類も原料とする部位も異なりますが、よく似た香りを持っています。そこで、ローズオイルとゼラニウムオイルそれぞれに対する嗅覚受容体の反応パターンを確認すると、その形は類似していました。また、インドールというにおい物質は、薄い濃度では好ましいジャスミンのようなフローラルな香り、濃い濃度では不快な便臭に感じますが、嗅覚受容体の反応パターンも、濃度によって異なる結果を示しました(図2、3)。
これらの結果から、ヒトのにおいの感覚は、嗅覚受容体の反応パターンによって理解できる可能性が示されました。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/70897/568/70897-568-0e49081f56ccddda16d0d972f1c9a014-1770x1165.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図2. 異なる香料でも嗅覚受容体の反応パターンが似ている例
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/70897/568/70897-568-e5b4959dbfda7fdc48740129bf824b8c-1770x1165.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図3. 同じにおい物質でも濃度によって嗅覚受容体の反応パターンが異なる例

まとめ

花王は、約400種類のきゅう覚受容体のほぼすべてを培養細胞の表面に発現させることに世界で初めて成功し、においに対する嗅覚受容体の反応を網羅的に解析する技術「ScentVista 400」を確立しました。それにより、感じるにおいの質ごとに特徴的な嗅覚受容体の反応パターンがあることを見いだしました。

この成果を応用することで、人・衣類・生活空間などに由来する不快なにおいを心地よい香りの反応パターンへと変換し、優れた消臭効果を持つ新しい香りをデザインできる可能性があります。また、同じ反応パターンを維持しながら香料の量を低減したり、種類を削減したりすることも期待されます。

花王は、今後さらに嗅覚の本質についての理解を深め、世界中の生活者に喜ばれる香りの世界を追求していきます。

プレスリリース提供:PR TIMES

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