画像認識AIを活用しコンクリート発注数量を自動算出
NTTドコモソリューションズ

~建設現場の生産性向上および残コンクリート・戻りコンクリートの低減にむけて~
NEWS RELEASE
2025年9月25日
NTTドコモソリューションズ株式会社
株式会社奥村組
NTTドコモソリューションズ株式会社 (本社 東京都港区、代表取締役社長 三ケ尻 哲也、以下、NTTドコモソリューションズ) と株式会社奥村組 (本社 大阪市阿倍野区、代表取締役社長 奥村 太加典、以下、奥村組)は、コンクリート打設工事におけるコンクリート発注数量を自動で算出する独自のAIモデル (以下、本AIモデル) を構築しました。このたび、その中核である画像認識AIが、特定の条件下において未打設範囲を97.5%以上の精度で確認でき、実用に足る高い判定精度を有することを技術検証にて確認しました。
[画像1:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/126160/24/126160-24-2eeecc60093c56f2580a6df023423178-1273x283.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図1 評価に使用した実際の未打設領域画像と画像認識AIによる判定結果
建設現場におけるコンクリート発注数量の算出は、未打設領域を人の手で実測して算出する方法が一般的ですが、手間がかかる上に人による計測精度のばらつきや計算ミスなどが原因で発注量に誤差が生じるケースもあります。
建設業界では、2024年4月から時間外労働の罰則付き上限規制が適用されたこともあり、生産性向上の推進が必須となっています。また、コンクリート打設時の余剰である残コンクリート・戻りコンクリートがコストと環境負荷を増大させる深刻な課題となっています。
このような状況を受け、これまで画像認識AIを用いて鉄筋のガス圧接継手外観検査サービス※1を展開するなど、建設現場のDXを支援してきたNTTドコモソリューションズが持つ技術力と、全国各地で土木・建築事業を展開する奥村組が持つコンクリート打設に関するノウハウを掛け合わせ、本AIモデルを構築しました。本AIモデルの特長は、画像認識AIが、コンクリートの未打設領域をリアルタイムかつ高精度に判定する点にあります。
これにより、コンクリートの未打設領域の実測が不要となるため、作業工数の低減が期待できます。さらに、未打設領域の判定結果をもとに必要なコンクリート数量を自動算出することで、過不足のない発注が期待できます。現場の生産性向上はもちろん、残コンクリート・戻りコンクリートの発生を最小限に抑えることによる資材・廃棄コストの低減効果も見込めます。
※1 NTTドコモソリューションズの提供する「ゼネコンコラボ(R)」のAI検査機能として提供。
「ゼネコンコラボ」 は、NTTドコモソリューションズ株式会社の登録商標です。
https://www.nttcom.co.jp/collabowork/geneconcollabo/
■技術検証について
今回の技術検証では、画像認識AIがコンクリートの未打設領域を高精度に自動判定できることを確認しました。
●時期
2024年12月~2025年5月
●技術検証の目的
独自に構築した画像認識AIによるコンクリート未打設領域の判定精度の評価
●対象業務と課題
建設現場のコンクリート打設業務における生産性向上および、残コンクリート・戻りコンクリートにより発生するコストや環境負荷の低減
●技術検証内容
物流倉庫やマンション等の建築現場におけるコンクリート打設場所に設置したカメラから定期的に取得した画像をもとに、事前に設定された計測範囲内の未打設領域を自動で判定
●本AIモデルの構成要素
1.複数のコンクリート打設現場で撮影した画像におけるコンクリート未打設領域を、セマンティック・セグメンテーションを用いて学習させた画像認識AI(NTTドコモソリューションズが開発)
2.上記画像認識AIを活用し、近距離撮影により発生する画像のゆがみを補正する技術を組み合わせて高精度な判定を実現した、独自のAIモデル※2
※2 本技術はNTTドコモソリューションズと奥村組にて特許共同出願中
●技術検証結果
1.縦20m×横10m×厚さ0.2m(メートル)の範囲と想定した場合に、コンクリート未打設領域を97.5%以上の精度で認識することを確認
2.画像認識AIによる判定結果が、コンクリート発注数量の自動算出について実用化が可能となる高水準の精度であることを確認
3.判定画像に機材や人物が映り込んでいる場合でも、映り込んでいない場合と同程度の精度で判定できることを確認
[画像2:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/126160/24/126160-24-640e53973cffff1d9ad47b5d8815af62-1230x681.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図2 現場撮影から本AIモデルの処理結果出力までの流れ
[画像3:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/126160/24/126160-24-f3273b1c74eff6a010ed67915ed37012-1299x284.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図3 機材や人物が映り込んでいる画像における実際の未打設領域と画像認識AIによる判定結果
■各社の役割
(1)コンクリート未打設範囲の判定フローの検討: NTTドコモソリューションズ、奥村組
(2)映像データの提供:奥村組
(3)AIモデル構築・精度検証:NTTドコモソリューションズ
(4)撮像の透視投影変換とゆがみ補正ロジックの構築:NTTドコモソリューションズ
(5)課題抽出&対応策の検討: NTTドコモソリューションズ、奥村組
次のステップとして、 NTTドコモソリューションズと奥村組は、コンクリート発注数量を自動算出するサービスの実現にむけた建設現場での運用実証を開始します。この運用実証では、本AIモデルによる発注数量の算出精度や、現場作業の工数低減効果などの実用性を確かめます。現場の利用者からのフィードバックを収集・提供することで、本AIモデルの有効性を確認しながら、現場のニーズに即したサービスの実現をめざします。
本AIモデルを活用したサービスは、NTTドコモソリューションズのゼネコンコラボ(R)のラインアップとして、2025年度内の提供開始をめざします。両社は引き続き連携し、建設業界のDX推進と新たな価値創出に取り組みます。
プレスリリース提供:PR TIMES


記事提供:PRTimes