【週刊台湾ビジネスニュース】兵器開発で提携、安倍晋三研究センター、高鉄乗車人数過去最高、宅配便の自動受取ロッカー、せき止め湖決壊被害甚大【2025/09/29号】
威志企管顧問股イ分有限公司(ワイズコンサルティンググループ)

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台湾に拠点を置き、各種コンサルティング、リサーチ、日本人向け台湾経済ニュース、クラウドサービスの提供などを行う情報サービス企業グループ「ワイズコンサルティング」は、台湾経済・社会に関する注目動向をまとめた最新レポートを発表しました。
本号では、台風18号による花蓮県せき止め湖決壊の甚大な被害を中心に、中科院装備の米軍事企業による海外販売、国立政治大学での「安倍晋三研究センター」設立、高雄駅前の大規模都市再開発計画、さらにセブン-イレブンのAI活用宅配ロッカー開発といった、災害・防衛・外交・都市開発・小売の分野における台湾の最新動きを幅広く分析しています。
【トピック1】
《25年台風18号》花蓮県のせき止め湖決壊、死者15人・行方不明31人に
「スーパー台風」に発達した台風18号(アジア名・ラガサ、中国語名・樺加沙)が台湾の南の海上を通過したことによる豪雨で、23日午後に花蓮県の馬太鞍渓(河川)の上流にできた堰止湖(せきとめこ)が決壊し、6800万トンの水や土砂が光復郷に流れ込んだ。1階に住む高齢者などを中心に、25日午前10時の発表によると、15人が死亡、32人が負傷し、依然31人が行方不明だ。中央政府は21日以降、避難するよう何度も通告しており、花蓮県政府の郷鎮公所(役場)は同日午後に住民の避難措置を実施するはずだった。
せき止め湖は今年7月の台風6号(アジア名・ウィパー)の影響で、馬太鞍渓上流の国有地が大規模に崩落し、土砂が河道をせき止めて形成された。農業部林業自然保育処(林保署)は7月末に、花蓮県の馬太鞍渓のせき止め湖は、満水時の水位が1150メートルと認定した。当時の水位は1040メートルだった。8月8日に、水位は1071メートルまで上昇したが、豪雨がなければ、10月に自然に消失すると予想していた。
台風18号が勢力を強めながら接近し、中央災害対策本部指揮官の劉世芳・内政部長は21日午前、直ちに避難が必要と判断し、避難の対象範囲を設定した。同日午後、花蓮県政府と鳳林鎮、光復郷、万栄郷の公所(役場)とオンライン会議を行い、花蓮県政府に対し避難措置を要請した。
花蓮県政府は、中央政府が指定した範囲に従って、世帯数と世帯人数を確認し、21日午前11時までに公所(役場)に通知し、同日午後から避難するよう伝えた。避難方法は、内政部の指導方針に従い、「親族・知人宅への避難」「避難所への避難」「高所への避難」の3種類。
中央災害対策本部は22日午前7時、「紅色警戒」(避難指示レベルの警戒)を発し、避難を呼びかけるショートメッセージを住民の携帯電話に送信した。林保署花蓮分署は花蓮県政府に対し緊急通知を出し、直ちに避難措置を実施するよう要請した。中央災害対策本部は同日午後、屏東県と花蓮県と台東県とオンライン会議を開いた際にも、避難措置を求めた。オンライン会議には、花蓮県は顔新章・副県長(国民党)が出席し、徐榛蔚・県長(国民党)は姿を見せなかった。
徐・花蓮県長は18日から韓国に出張中で、台風18号の接近に伴い、その後の日本への出張を取りやめて22日夕方に台湾に戻った。
せき止め湖の水位は23日午前0時の1123メートルから1141メートルまで上昇した。
花蓮県の災害対策本部は2級だったが、23日午後にせき止め湖が決壊後、県長が指揮を執る1級に引き上げられた。
遺体が見つかった場所は、中央政府が指定した避難対象範囲内だった。
■避難が半歩遅れ
卓栄泰・行政院長(民進党)は24日午前、決壊で流失した馬太鞍渓橋を視察し、政府は関係機関に避難計画を指示していたが、今となってみれば不足があったと述べた。視察に同行していた傅崐萁・立法委員(国民党、前・花蓮県長、徐榛蔚・現県長の夫)は、高齢者に高所への避難を求めても、足腰が弱くて逃げられないと語った。
被災地では、600人以上が避難所での生活を余儀なくされ、自宅に戻れない状況が続いている。民間の慈善団体の仏教慈済慈善事業基金会(慈済基金会)が24日、流れ込んだ泥の撤去作業を開始した。
【トピック2】
中科院開発の戦車装備、米軍事企業が代理販売へ
兵器の開発、製造を手掛ける研究機関、国家中山科学研究院(中科院、NCSIST)は、同機関が開発したM60A3戦車用戦車砲制御・照準システムの各国向け代理販売を米軍事企業、レオナルドDRSに委託する。双方は、18~20日に開催された航空宇宙や防衛産業の国際展示会、台北国際航太暨国防工業展覧会(TADTE、国防展)で提携の覚書(MOU)を交わした。中科院の装備の海外向け販売が外部委託されるのは初めてのケースだ。
【トピック3】
「安倍晋三研究センター」、政治大に開設
故・安倍晋三元首相の誕生日に当たる21日、国立政治大学(台北市文山区)は、安倍氏をはじめとする日本の外交・経済政策を研究するため、国際事務学院の付属機関として「安倍晋三研究センター」の正式な開設を宣言した。開所式には頼清徳・総統や安倍氏の妻、昭恵さん、日本の対台湾窓口機関、公益財団法人日本台湾交流協会(大使館に相当)台北事務所の片山和之代表らが出席した。
【トピック4】
台鉄高雄駅前の都市再開発案、34年に完成予定
高雄市政府は22日、台湾鉄路(台鉄)高雄駅(高雄市三民区)駅前の都市再開発計画で、不動産開発の冠徳建設(キンダム・デベロップメント)が最優秀申請者に選ばれたと発表した。冠徳建設の馬志綱・董事長は、虎ノ門ヒルズを手掛けた森ビルのグループ会社、森ビル都市企画と協力し、平日休日問わず人々が生活し、訪れる都市空間を作ると話した。2034年に完成予定。
【トピック5】
セブン-イレブン、宅配便の自動受取ロッカー開発
コンビニエンスストア、セブン-イレブンを展開する統一超商(プレジデント・チェーンストア)は、経済部商業発展署と、人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)技術を活用した宅配便の自動受取ロッカーを開発したと発表した。荷物を従来の2倍に当たる1坪当たり100個以上保管し、カウンターに並ばずに受け取ることができる。第4四半期(10~12月)の稼働を予定している。
※補足解説は、以下の動画でもご覧いただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=zHeJsAGUafw
[画像:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/59899/276/59899-276-a4df6671c658940983bccb99d4bcd63c-1040x580.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
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