キンドリル、AI活用の準備状況を調査した「People Readiness Report 2025 (日本語版)」を発表
キンドリルジャパン株式会社
日本はグローバル(※)と比べ、顧客向け価値創出に活用し、人を置き換えるのではなく、人材や組織をサポートする目的でAIを利用する傾向が明らかに
キンドリルジャパン株式会社(以下 キンドリル)は本日、日本独自のインサイトを追加した「People Readiness Report 2025(日本語版)」を公開しました。People Readiness Report 2025は、25の業界と8つの地域にわたる1,000名を超える経営幹部とテクノロジー責任者を対象にした調査で、AI投資と人材の準備状況との間に顕著なギャップがあることを明らかにしています。
People Readiness Report 2025の主な調査結果は以下の通りです。
95%の企業がAIに投資 71%のリーダーが、従業員がAIを効果的に活用する準備が整っていないと回答 51%が、自社にはAIを管理するために必要なスキルを持った人材が不足していると回答 45%のCEOは、従業員がAIに対して抵抗感を持っていると回答
また、従業員の準備状況は業界によって異なりました。
銀行・金融サービスと保険業界における企業の準備状況は優れている一方で、
ヘルスケア業界における企業の準備状況は途上であるという調査結果でした。
日本独自の調査結果としては、日本企業の28%がAIを製品やサービスに組み込んでおり、グローバル平均の21%より高い結果になりました。これは、顧客向けの製品やサービスの開発といった社外目的の分野に関し、日本企業のAI技術の活用がより進んでいることを示しています。AIによる雇用喪失への不安が広がることでの従業員エンゲージメントへの影響については、グローバル平均では50%が影響が広がっていると回答するなか、日本企業は39%にとどまっています。日本企業がAIを人を置き換える目的ではなく、人材や組織をサポートし、強化する目的で活用していることを示唆しています。
一方、自社のさまざまな分野でAIを活用していると回答した日本企業はグローバル平均の95%に対し89%、従業員がAIの可能性を最大限に活用する備えができていないと回答した日本企業はグローバル平均の71%に対し、85%という結果となりました。相対的に、日本企業がAI活用に消極的で、従業員の備えが不足しているという認識の背景には、AIのスキルを持った人材の不足、人材管理手法の見直しやリスキリングへの後れ、AI導入に関する戦略策定の後れといった課題の存在が想定されます。
日本とグローバル平均を比較した結果は次のとおりです。
自社のさまざまな領域でAIを活用している:グローバル平均95%に対し日本企業89% 従業員はAIの可能性を最大限に活用する備えができていない:グローバル平均71%に対し日本企業85% 従業員は今後5年間にわたるAI活用の変化に対応するための備えができている:グローバル平均53%に対し日本企業45% AIへの障壁や課題として、解雇不安や従業員エンゲージメントへの影響を指摘:グローバル平均50%に対し日本企業39% AIテクノロジーを管理できるスキルのある人材が不足している:グローバル平均51%に対し日本企業53%
・ AIを受け入れている:グローバル平均64%に対し日本企業は60%
・ AIに対する抵抗感がある:グローバル平均21%に対し日本企業は23%
AIを製品・サービスに組み込んでいる:グローバル平均21%に対し日本企業は28% ビジネス成長のためにAIを活用している:グローバル平均63%に対し日本企業は62%
People Readiness Report 2025では、多くの企業がAIの導入を試みているにもかかわらず、ほとんどの企業が顧客向けの新たな製品やサービスを生み出すような、画期的なユースケースを生み出せていないことが明らかになりました。調査対象企業で最も多く報告されたユースケースは生成AIツールですが、AIを活用したインサイトを意思決定の向上やビジネスの成長に活用していると回答したリーダーは10人中4人でした。AIの主要なユースケースとして、顧客向けの新製品やサービスの開発と回答したリーダーはわずか20%にとどまっています。
本調査では、人材育成に取り組みながら、ビジネスの成長にAIを活用している少数グループ「AIリーダー企業」の存在も明らかになりました。AIリーダー企業は戦略的に人材に関する意思決定を行い、従業員全体にメリットをもたらしています。これらの企業は、AI導入を妨げる3つの主要な障壁を独自の方法で解決しており、次の分野において恩恵を受けています。
1. 組織のチェンジマネジメント:職場におけるAI導入に向けて、本格的なチェンジマネジメント戦略を策定し、実行した割合: AI リーダー企業93%に対し他の企業は31%
2. AIに対する従業員の信頼: AIが従業員のエンゲージメントに影響を与えることへの懸念を挙げた割合:AI リーダー企業37%に対し他の企業は52%
3. スキルギャップ:従業員の現在のスキルを正確に把握するためのツールとプロセスを備えていると同意した割合:AI リーダー企業70%に対し他の企業は42%、スキルに関する問題が全くないと回答した割合:AI リーダー企業41%に対し他の企業は18%
キンドリルジャパンの技術理事である劉功義は、次のように述べています。「ビジネス成長のためにAIを効果的に活用できている企業はわずかです。この調査では、データアーキテクチャーとテクノロジーインフラが重要な要素であるものの、人材と組織の育成を優先しない企業は成長の機会を逃してしまうことが分かりました」
キンドリルジャパンの取締役 常務執行役員 人事担当の伊奈恵美子は、次のように述べています。「AI時代に向けた人材の準備はビジネスリーダーにとって喫緊の課題です。キンドリルは、カルチャーとシステムを組み合わせた全体的なエコシステムを構築することで、私たちの人材とビジネスが継続的な変化に対応できるようにしています。これは、AIがビジネスに及ぼす影響を予測し、スキルをお客様のニーズと統合して理解することで、従業員が必要なスキルを習得し、生成AIツールを業務で効果的に活用できるようにするための多角的なアプローチです」
最高情報責任者(CIO)や最高技術責任者(CTO)と比較すると、CEOは自社のAI導入が初期段階にあると回答する割合が高く、AIを支えるインフラが不十分だと回答する割合は2.5倍にのぼりました。この違いは、AIに関連する人材課題の解決方法や、企業の成功のために必要だと考える個々のスキルの選定にも表れています。また、CEOは従業員をスキルアップさせるよりも、外部人材の活用を選ぶ傾向が強く見られます。
キンドリルジャパンの最高技術責任者(CTO)である河合琢磨は、次のように述べています。「明るい展望として、経営陣の意思統一ができた組織は、同じ方向に進むだけでなく、すでに成果を生み出しています。この取り組みは容易ではありませんが、テクノロジー戦略をビジネス全体の目標と一致させることは、AIのメリットを最大限に引き出すためにリーダーが取るべき最も重要な行動です」
以上
※グローバル平均とは、調査対象地域のグローバル8カ国の企業に行った結果を平均したものです。
当プレスリリースは、2025年5月29日(米国現地時間)にKyndrylが発表したプレスリリースの抄訳です。原文は下記URLを参照してください。
https://www.kyndryl.com/us/en/about-us/news/2025/05/ai-workforce-impact-report
キンドリル(Kyndryl Holdings, Inc.)について
キンドリル(NYSE: KD)は、ミッションクリティカルなエンタープライズ・テクノロジー・サービスのリーディングプロバイダーで、60カ国以上で数千にのぼる企業のお客様にアドバイザリー、インプリメンテーション、マネージドサービスを提供しています。世界最大のITインフラストラクチャーサービスプロバイダーとして、世界中で日々利用されている複雑な情報システムの設計、構築、管理、モダナイズを行っています。 詳細については、www.kyndryl.com(英語)またはwww.kyndryl.com/jp/ja をご覧ください。
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