【提言】未来を切り拓くAIロボティクス
株式会社三菱総合研究所

日本が再び世界をリードするための3つの提言 サービスロボット大国を目指して
株式会社三菱総合研究所(代表取締役社長:籔田健二、以下 MRI)は、日本の長期的な課題と2050年までの技術進展の見通しを踏まえ、AIロボティクスを活用した「サービスロボット」の社会浸透を通じて、持続可能な産業成長と社会課題解決を目指し、日本が国際競争力を取り戻すための3つの方策を提言します。
日本は現在、人口減少による担い手不足、社会インフラの維持困難、産業の国際競争力低下など、深刻な課題に直面しています。この危機を乗り越え、持続可能な成長を実現するには、革新技術の活用が欠かせません。中でも、AI技術を取り込んだロボット技術である“AIロボティクス”は、社会課題の解決と新たな産業創出を可能にする最重要技術として急速に進展しています。
AIの分野では、2025 年に「AI エージェント」の本格導入が始まりました。今後、人間のように幅広い知的活動をこなす、汎用人工知能(以下AGI)が、2030年前後に実装されるといわれています。ロボットの分野では、情報処理、センサー、制御、バッテリーなど、本体を構成する要素技術の進展とともに、これらを統合する技術も高度化しています。このように、ソフトウェア面でのAIの急発展とロボット本体のハードウェア技術の進展により、AIとロボットが融合したAIロボティクスとしての発展が期待されています。その先、幅広い身体活動ができるフィジカルAGIが、2035年頃から段階的に普及します。
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三菱総合研究所作成
しかし、米中両国の技術競争が激化する中、日本はかつてリードしていたロボット産業での優位性を失いつつあります。今後は特化型サービスロボットの急速な実用化が期待され、その市場規模は2050年にかけて大きく拡大する見込みです。そうした状況下、日本が強みを持っていた産業ロボット分野とは異なるアプローチが求められます。
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三菱総合研究所作成
MRIは、AIロボティクスを活用したサービスロボットの社会浸透を通じて、持続可能な産業成長と社会課題解決を目指し、日本が国際競争力を取り戻すための3つの方策を提言します。特に、日本が強みを発揮できる3つの分野に着目し、「要素技術開発」「リアルデータ活用」「受容性を踏まえた実装」という日本の優位性を活かすことが重要です。
1. エコシステム形成にむけた戦略の再構築
- サービスロボットの社会実装を加速するため、その受容性と社会実装レベルのギャップを早急に埋める。- 産業ロボット(従来の製造ラインロボット)とは異なる、サービスロボットに適したサプライチェーンの構築が必要。
2. 市場特性を踏まえた技術開発
- サービスロボット市場の特性を正確に把握し、ニーズに合った技術開発が必要。特化型技術開発と利用者視点に基づく環境整備を重視すべき。- 行政は有望なユースケースを重点的に支援すべき。この一例として、介護・生活分野、エリアマネジメント分野、極限環境分野について具体的に取り上げた。
3. 企業・社会内部の“知”を武器に
- 日本の優れたサービス品質を生かすため、現場の「身体知」(人間の身体や感覚を通じて蓄積される暗黙知)を有効活用する。- ユーザーが安心してデータを提供・活用できるよう、身体知のデータ化と活用に向け、産業界、行政、社会全体が連携してデータ基盤の整備と活用を進め、現場に眠る知識を統合する。
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三菱総合研究所作成
日本が培ってきた高品質、高信頼性という環境は、AIロボティクスの今後の発展を踏まえると大きな武器になります。産業ロボットの経験に基づき、今こそサービスロボットの発展を見据えた飛躍の時です。本提言がその起点となることを強く期待します。
レポート全文
未来を切り拓くAI ロボティクス [7.9MB]
https://www.mri.co.jp/knowledge/column/i5inlu000002n800-att/nr20251006.pdf
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