ispace、栗田工業を割当先とする、第三者割当増資を発表
株式会社ispace

月面における水の革新的なソリューションの創出を目指す
株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)(証券コード9348)は、栗田工業株式会社(本社:東京都中野区、社長:江尻裕彦、以下栗田工業)を割当先とする第三者割当による新株式発行(第三者割当増資)を行うことを、本日10月6日付の取締役会決議において決定しましたので、お知らせいたします。なお、栗田工業からの出資金額は約20億円となります。
新株式発行等の詳細は、同日IRサイトにて適時開示をしております「公募及び第三者割当による新株式発行並びにオーバーアロットメントによる株式売出しに関するお知らせ」をご確認ください。
IRサイト:
https://ir.ispace-inc.com/jpn/
栗田工業には、2023年にispaceの民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」ミッション2におけるサポーティングカンパニーとして、翌年2024年には同プログラムのコーポレートパートナーとして参画いただきました。栗田工業はこれまで、民間企業として宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共に国際宇宙ステーション(ISS)における水再生システムの開発に取り組み、日本初の軌道上実証を実現するなど、宇宙開発の実績を有しております。また、宇宙での使用を想定して設計・製作した超純水システムを用いて精製した超純水を、ミッション2でペイロードとして搭載した高砂熱学工業株式会社の月面用水電解装置の実証実験のために提供されております。この様な背景から、2025年3月には、将来の月面水処理実証試験装置(以下水処理システム)の月面実証を目指し、ispaceとペイロード輸送サービスの提供に関する覚書が締結されました。
本並行第三者割当増資を含む新株式発行等を通じて、ispaceは2028年までに打ち上げを予定する2回のミッション(2027年 i打ち上げ予定のミッション3及び2028 年ii打ち上げ予定のミッション4)を確実に実行可能とする開発資金の確保を行うとともに、手元資金の充実及び財務基盤の安定化を図ります。機動的な経営判断を可能とすることで、これまでに当社が経験したミッション1及びミッション2の結果を踏まえた後続ミッションの改善を図り、より成功確度を高めるための技術と品質の継続的な向上と、市場ニーズの的確な取り込みを加速させることを目指します。
■ 株式会社ispace 代表取締役CEO 袴田武史のコメント
「栗田工業様との連携は、ispaceが掲げるシスルナ経済圏の実現に向けて、極めて重要なマイルストーンであり、持続可能な宇宙活動の基盤となる水資源の循環技術の確立に大きく寄与するものと確信しております。3月の水処理システムの技術検討における覚書と今回の資本参加を通じて、月面における水の回収・浄化・再利用に関する革新的なソリューションの創出を加速させ、将来的な有人探査や月面居住の実現に向けた礎を築いてまいります。栗田工業様との強固なパートナーシップのもと、宇宙と地球の未来に貢献する技術開発を推進してまいります。」
■ 栗田工業株式会社 イノベーション本部長 水野誠氏のコメント
「このたびispace様とともに、月面事業の実現へ新たな挑戦を開始いたします。ispace様は日本発の宇宙スタートアップとして創業し、現在は上場企業として、月面輸送や資源探査をはじめ、地球と月を結ぶ持続可能な経済圏の構築を牽引するパイオニアです。当社は長年にわたり培ってきた「水に関する知」を駆使し、地球のみならず微小重力環境下でも機能する水処理技術の開発に取り組んでまいりました。当社は、長年培ってきた水処理技術と運用ノウハウを結集し、月面における水資源の活用やインフラ構築を推進することで、宇宙における新たな価値創造を実現します。本連携は、宇宙と地球をつなぐ未来産業の礎を築き、人類の持続可能な発展に向けた大きな一歩となると確信しています。」
■ 株式会社ispace (
https://ispace-inc.com/jpn/ )について
「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在約300名のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営した。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、月市場への参入をサポートするための月データビジネスコンセプトの立ち上げも行う。2022年12月11日には SpaceXのFalcon 9を使用し、同社初となるミッション1のランダーの打ち上げを完了。続くミッション2も2025年1月15日に打上げを完了した。これらはR&D(研究開発)の位置づけで、ランダーの設計および技術の検証と、月面輸送サービスと月面データサービスの提供という事業モデルの検証および強化を目的としたミッションであり、結果、ispaceは月周回までの確かな輸送能力や、ランダーの姿勢制御、誘導制御機能を実証することが出来た。2027年iには、米国法人が主導するミッション3(正式名称:Team Draper Commercial Mission 1)の打ち上げを予定しており、ミッション1、2で得られたデータやノウハウをフィードバックした、より精度の高い月面輸送サービスの提供によって、NASAが行う「アルテミス計画」にも貢献する計画。さらに、2028年iiには、経産省SBIR補助金を活用し、現在日本で開発中のシリーズ3ランダー(仮称)を用いたミッション4(旧ミッション6)の打ち上げを予定している。
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i 2025年10月時点の想定
ii当該打上げ時期については2025年10月時点の予定であり、今後変更する可能性があります。なお、当社が補助対象事業として採択されたSBIR(Small Business Innovation Research)制度の公募テーマ「月面ランダーの開発・運用実証」の事業実施期間が原則として2027年度とされており、SBIR制度に基づく補助金の対象となるミッション4は、当初2027年中の打上げとして経済産業省及びSBIR事務局と合意しておりましたが、2025年10月時点では当社内の開発計画上、2028年内の打上げとなることを見込んでおります。本変更については今後、関係省庁及びSBIR事務局と調整中の段階であり、最終的には経済産業省により正式に計画変更が認可されることとなります。
プレスリリース提供:PR TIMES
記事提供:PRTimes