「頭部CT画像解析AIエンジンDoctorNET Heuron CTS」日本国内における薬事認証取得
株式会社ドクターネット

~救急医療の診断支援を強化し、医師の働き方改革にも貢献~
[画像1:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/43643/9/43643-9-f42d918da5b947e09bb69c256a18a424-1201x631.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
株式会社ドクターネット(本社:東京都港区、代表取締役社長兼CEO 長谷川雅子)は、「頭部CT画像解析AIエンジンDoctorNET Heuron CTS (以下、DoctorNET Heuron CTS)」において、医薬品医療機器等法※1に基づき、指定管理医療機器の製造販売認証(認証番号:307AGBZX00052000)を取得しました。本製品は、2025年10月下旬から、人工知能エンジンによる遠隔画像診断支援サービス「AI-RAD(エイアイ・ラド)」を通じて全国の医療機関に向けて提供を開始します。
「DoctorNET Heuron CTS 」は、頭部CT画像 (非造影)における脳関心領域を自動で抽出し、高吸収域及び低吸収域を検出する医用画像解析AIエンジンであり、特に放射線科医が不在となる夜間・休日の時間帯や、医師の少ない地方医療機関において、救急外来の医師による迅速な頭部CTの画像診断と意思決定を支援することを目的としており、医師の働き方改革にも貢献する新たな医療支援ツールとして期待されています。
※1 「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」の略称
「DoctorNET Heuron CTS」は、頭部CT画像から、頭蓋内の高吸収領域及び低吸収領域を自動抽出するAIエンジンです。
これにより、迅速かつ適切な診断が求められる頭部の診断や意思決定を支援します。
製品の主な特長:
1.高吸収領域のセグメンテーションとその体積を計測します。
2.あらかじめ定義された10箇所の関心領域をセグメンテーションし、低吸収傾向を示す関心領域の強調、および各領域のCT値を計測します。
[画像2:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/43643/9/43643-9-b7bad5342d5402929e89ae42d77a26e2-514x724.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
DoctorNET Heuron CTSのレポートフォーマット(高吸収領域の検出時)
[画像3:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/43643/9/43643-9-0aede252b1883b5c0d5b0e1e325a800a-514x730.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
DoctorNET Heuron CTSのレポートフォーマット(低吸収領域の検出時)
基本情報:
・認証年月日: 令和7年10月2日
・医療機器認証番号:307AGBZX00052000
・類別:プログラム(01) 疾病診断用プログラム
・一般的名称:汎用画像診断装置ワークステーション用プログラム
・販売名:頭部CT画像解析AIエンジン DoctorNET Heuron CTS
・クラス分類:クラスII
・共同開発:Heuron Co., Ltd.(韓国)
・提供開始予定日:令和7年10月下旬
「頭部CT画像解析AIエンジン DoctorNET Heuron CTS」は、放射線科医の画像診断を補助する既存の画像診断AIとは異なり、特に夜間や休日など放射線科医が常駐しない時間帯において、その有用性が期待されています。
脳卒中は、早期に診断・治療が行われれば、後遺症を残さず社会復帰できる可能性のある疾患です。一方で、救急外来では、医療スタッフが多忙な環境の中で対応しており、診断や対応の遅れが発生する可能性があります。特に脳卒中の診断に熟練した医師が不在の場合、MRIの追加撮影や専門医の呼び出しのため、判断に時間を要するケースも少なくありません。
その際に、AIが撮影後に膨大な数の画像を解析し、頭部の関心領域を短時間で抽出・マーキングすることで、当直医は重点的に確認すべき部位を迅速に把握でき、診断の遅延や見落としのリスクを軽減します。
[画像4:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/43643/9/43643-9-9e09561d3843154e1921944e1a805252-1201x631.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
医療現場での「頭部CT画像解析AIエンジン DoctorNET Heuron CTS」の活用イメージ
本AIエンジンによる画像解析支援は、夜間・休日の診断精度向上に寄与し、医師の負担軽減と働き方改革の推進に貢献します。特に脳卒中の迅速な対応が求められる救急現場で、AIは診断の遅延や見落としを防ぎ、医師の業務効率を高め、働き方の改善・改革に寄与します。
医師の働き方改革の推進により、夜間・休日の診療体制は「宿日直許可」や「オンコール勤務」の取り扱いの厳格化といった制度的対応を迫られています。こうした背景のもと、救急医療の現場では、専門的な画像診断・読影体制の維持が大きな課題となっています。現状でも、放射線科医が常駐している救急病院は、全国でわずか13.4%に過ぎず、多くの救急外来では勤務医が1名体制で対応しているのが実情で、専門的な画像診断を迅速に行う体制の確保は困難な状況です。※2さらに医師の働き方改革の影響により、夜間・休日の勤務が制限されることで、こうした読影医不足に拍車がかかり、診断体制の維持が一層困難になっています。
また、地方の医療機関では医師不足が深刻であり、特に放射線科医の地域偏在が顕著です。日本医学放射線学会の調査によれば、都道府県別に放射線科医の潜在的業務量には最大3.88倍の差があり、放射線科医の関与が限定的な状態でCT・MRI検査が行われるケースも報告されています。※3
こうした状況に対し、厚生労働省は「医師の働き方改革の視点を踏まえたAIの利活用」に言及しており、AIによる診療支援が医療体制の質の維持や施設基準の見直しにもつながる可能性があるとしています。※4
さらに、国際比較においても、日本の放射線科医数はOECD加盟国の中で最下位レベルであり、人口100万人あたりの放射線科医数は36人と、OECD平均(約101人)の約3分の1にとどまっています。一方で、日本ではCTやMRIの検査件数が非常に多く、1人の放射線科医が年間に対応する件数はOECD平均の4.3倍に達しており、業務負荷が極めて高いことが明らかになっています。※5
※2 参考:安部威彦・田城孝雄「救急医療における診療放射線技師の読影補助の現状と課題(アンケート調査からみた読影補助のあり方について)」
日本診療放射線技師会誌 第65巻 第7号(2018年7月)pp.688-693
https://www.jart.jp/docs/2018-07_paper02.pdf
※3 参考:隈丸加奈子ほか「CT および MRI 検査における放射線科医の潜在的業務量の国別および日本の地域別の差異」
日本医学放射線学会(2021年)
https://www.radiology.jp/content/files/ser_1.pdf
※4 参考:厚生労働省「AIの開発・利活用に関連する施策」
https://h-crisis.niph.go.jp/wp-content/uploads/2022/12/20221223111514_content_10601000_001028539.pdf
※5 参考:中島康雄ほか「放射線科医の数と業務量の国際比較 - 日本放射線科専門医会ワーキンググループ報告」
日本医学放射線学会(2008年)
https://radiology.jp/content/files/ser_2.pdf
「DoctorNET Heuron CTS」は、ドクターネットが提供する人工知能エンジンによる遠隔画像診断支援サービス「AI-RAD(エイアイ・ラド)」を通じて、全国の医療機関に向けて提供されます。
すでに、ドクターネットのサービスをご利用いただいている約1,500施設の医療機関においては、現在の遠隔依頼システムをそのまま活用して本AIエンジンをご利用いただけます。新たなシステム導入作業は不要です。
また、新規の医療機関においても、AI-RADの導入に必要な初期設定や操作説明、運用支援をドクターネットがサポートいたします。既存サービスや院内システムとの連携が容易で、新たなシステム導入の負担も少なく、解析料金は従量制のため、初期投資を抑えて導入することが可能です。遠隔画像診断の導入が初めての施設でも、安心してご利用いただける体制を整えています。
提供開始は2025年10月下旬を予定しており、初期導入にあたっては操作説明や運用支援もご用意しています。
医用画像診断支援AIエンジンは、対象となる医用画像撮影装置(CT, MRI等)および疾患・病変ごとに個別の開発が必要であり、単一のAIエンジン開発会社が全領域をカバーすることは現実的ではありません。このためドクターネットは、人工知能エンジンによる遠隔画像診断支援サービス「AI-RAD」を通じ、複数企業・複数領域のAIエンジンを、年間約320万症例の遠隔診断データを用いて評価・選定し、遠隔画像診断支援サービスのネットワークで医療機関へ提供することを目指しています。
すでに世界各国のAI開発企業との共同プロジェクトを進めており、日本市場へのローカライズや薬事承認取得のノウハウを蓄積しています。こうした取り組みは、今後も幅広いパートナーとの協業を拡大する上で重要な基盤になると考えています。
これまでにも、韓国JLK社や韓国Monitor Corporation社との協業を通じて得られた知見はドクターネットの強みの一つとなっており、今回Heuron Co., Ltd. 社との共同開発を進めたことで、この強みがさらに拡充されたと考えています。
株式会社ドクターネットは、日本の遠隔画像診断支援業界においてシェアNo.1のリーディングカンパニーとして、「世界の医療を支える目になる」の企業理念のもと、2025年に創業30年を迎えました。
現在、全国約1,500の医療機関と提携し、年間約320万症例・一日約10,000症例の遠隔画像診断支援を行っており、日本国内の放射線診断専門医の15%に相当する約1,000名が登録しており、全国の医療現場を支える読影インフラとして、その役割を拡大し続けています。
・コーポレートサイト:
https://dr-net.co.jp/
・公式note:
https://note.dr-net.co.jp/
株式会社ドクターネット 事業開発室
TEL:03-3459-5665
Email:biz-info@doctor-net.co.jp
プレスリリース提供:PR TIMES



記事提供:PRTimes