サゴタニ牧農(広島市湯来町)が「2025年度グッドデザイン金賞」を受賞
砂谷株式会社

~牧場を通した地域共育型デザイン~
広島市佐伯区湯来町にて事業を行うサゴタニ牧農(砂谷株式会社)は、「2025年度グッドデザイン金賞」を受賞いたしました。
受賞対象の概要
この取り組みは、戦前の開拓から始まった三代にわたる酪農の営みを背景に、「酪農のあるべき姿とは何か?」という問いから出発しています。コロナ禍を機に放牧酪農へと舵を切り、「暮らしと命がつながる酪農」の価値を実感できるあり方の再設計を目指しています。地域と協働しながら放牧地や体験農園、交流拠点を整備するとともに、ロゴやパッケージなどのデザイン面からも理念を可視化し、これからの酪農の姿を問い直すプロジェクトです。
グッドデザイン賞 URL
https://www.g-mark.org/gallery/winners/31098?years=2025
[画像1:
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デザインのポイント
- 都市近郊の中山間地域・湯来町で地域とともに育つ「暮らしの中にある酪農」を体現。- 牛にも人にも優しい放牧への転換 「人・牛・自然の循環」を重視し、段階的な放牧酪農に挑戦中。- 創業80周年を機に「サゴタニ牧農」としてリブランディングと価値の再構築。
受賞デザインの背景
食べることは、生きること。その原点が忘れられつつある今、私たちは命とのつながりを改めて見つめ直したいと考えました。日本の食料自給率は38%、食品ロスは年間600万トン。「いただきます」の意味が薄れ、食が命から離れていく現実に向き合う中で、2020年、私たちは国内でも実践例の少ない放牧酪農への転換を決意し、毎年1haずつ開拓を始めました。草を食む牛の堆肥が土に還り、草を育み、また牛が食べ、乳となる。この循環が見える風景は、「自分が何を食べて生きているのか」を考える入口となるはずです。放牧は単なる手法ではなく、食や農の意味を問い続ける姿勢であり、そこで生まれる風景は、どんな言葉よりも“食べること”の本質を語りかけてきます。私たちは、そんな風景を通して「より良く生きる」を応援できる場を育てていきたいと願っています。そして、日本各地で一次産業を支える人たちとともに、未来へのヒントを探していきたいと考えています。
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経緯と成果
放牧酪農への転換を決めたことで牛と人、地域の関係を編み直す取り組みが始まりました。放牧地の造成には地域住民や地元の金融機関、取引先、延べ500名を超える協力者が共に汗を流し、クラウドファンディングを通じて支援も集めました(2040年の完成を目指して活動中)。さらに、売店兼休憩所をつくり(NYU SAGOTANI)、人が集い語らう場を創出。いちご農園(MOUICHIGO)や満月会(イベント)、牧場映画祭、中高生の修学旅行受入れなど、多様な交流の機会を設けました。取り組みに合わせてロゴやパッケージも刷新、ブランドとの一貫性を高めています。
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開拓中の放牧地
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放牧地見学ツアー
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満月会
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リニューアルしたパッケージ
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売店兼休憩所(NYU SAGOTANI)
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いちご農園(MOUICHIGO)
審査委員の評価コメント(公式サイトより引用)
「酪農のあるべき姿」を根本から問い直し、牛・人・土地のより良い循環を目指して変革に挑んだ取り組み。コロナ禍を契機に、本州でわずかな放牧酪農へと転換し、輸入飼料依存から脱却する実践は、持続可能性と経営的安定性を同時に切り拓く挑戦として高く評価できる。売上の増加、来場者や雇用の拡大など、社会的・経済的意義も大きい。牛乳の風味の多様性を価値化し、パッケージやロゴなどを通じて「動物・人・土地のより良い循環」という視点を一貫して伝えるデザインへと展開した点も秀逸であり、人々に新たな気づきを促す点で際立っている。さらに、体験農園や地元農産品マーケット、高齢者や女性も働きやすい農園づくりへと広がり、地域全体を巻き込む循環の場を生み出している。一次産業における「そもそも」を問い直し、未来の風景を構想しながら、地域社会や環境へと接続していく射程の長さを備えている。有形無形のデザインを介して強いメッセージを投げかけ、一次産業から地域社会、さらには地球環境へと多層的に展望を広げている姿勢に、強い感銘を受ける。
未来に向けて
近年、酪農を取り巻く環境は厳しさを増しています。輸入飼料の価格高騰や気候変動の影響により、全国で離農が進んでいます。私たちも例外ではなく、日々変化する環境の中で酪農の意味を問い直す日々が続いています。
一方で、酪農は本来、草を育て、牛がその草を食べ、堆肥が再び大地を肥やす、命の循環の中にある営みです。8000年以上にわたり人々と共にあったこの営みは、自然と調和しながら生きる知恵の象徴でもあります。
私たちは今一度、酪農のあるべき姿を見つめ直し、それを地域社会や環境と接続させることで、「地域に牧場があって良かった」と思っていただける未来を、これからも仲間と共に築いていきます。
牧場紹介MOVIE
[動画:
https://www.youtube.com/watch?v=MT4-Zyhd_qk ]
デザイナー紹介
UMA/design farm
2007年、原田祐馬により設立。大阪を拠点に文化や福祉、地域に関わるプロジェクトを中心に、グラフィック、空間、展覧会や企画開発などを通して理念を可視化し、新しい体験をつくりだすことを目指している。「ともに考え、ともにつくる」を大切に、対話と実験を繰り返すサスティナブルなデザインを実践。受賞歴はグッドデザイン賞2016・金賞、日本サインデザイン賞最優秀賞、日本タイポグラフィ年鑑ベストワーク、CSデザイン賞準グランプリなど。サゴタニ牧農の担当は原田祐馬、平川かな江。
Web www.umamu.jp
Instagram @umadesignfarm
[画像9:
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会社紹介
砂谷株式会社
代表取締役社長:久保正彦
所在地:広島県広島市佐伯区湯来町伏谷1321
会社HP:
https://www.sagotani.net/
Instagram:
https://www.instagram.com/sagotanifarm/
[画像10:
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プレスリリース提供:PR TIMES





記事提供:PRTimes