第38回東京国際映画祭についてのプレス目線による考察
一般社団法人モナコウィークインターナショナル
世界の映画祭と日本国内の映画祭を比較してみる
世界の名だたる映画祭ではほぼ常連であるプレスや映画関係者と顔を合わせる機会が多いが、東京国際映画祭については海外の映画祭と比較して外国人の姿が極端に少ない印象を受けた。
馴染みの外国人記者や関係者にその理由を尋ねたところ、返ってきたのは「日本の映画祭は何かと規制が多くて、祭りを楽しむことができない」という声だった。
確かにフェスティバル(祭り)は、大衆と神輿の担ぎ手とが一丸となって楽しむものというのが筆者の認識である。しかし、外国人のプレスや映画業界の人間に話を聞くと、具体的な不満として次のような点が挙げられた。
「サインを求めることすら許されない」
「明確なルール説明があるならわかるが、事前説明が最初から無いのに、現場に行くといきなり注意をされる」
「記事に必要な画角の映像や写真を撮ろうとすると、『ダメだ』と言われる」
彼らは「息苦しくて、日本の映画祭には行きたくない」という話を口々にこぼす。
海外の映画祭と日本国内の映画祭の大きな違い
世界最大の映画祭に位置付けられているカンヌ国際映画祭を例にとると、物品持ち込みのセキュリティ検査は厳密に行われる。一方、日本の映画祭ではそれが皆無と言っていいほど緩い。それにもかかわらず、海外の映画祭では、直接スターにサインやセルフィーを求める行為に対し、トム・クルーズをはじめとする世界的なアクターですらフランクに応じてくれるのが普通である。
一方、日本の国際映画祭は何故か、セルフィーはおろか、サインを求めると映画祭のスタッフから「ダメだ」と言われる。海外の映画祭で見かけるスターたちも、悪気がなくファンサービスに応じないシーンは時折見かけるが、日本の映画祭における悪しき慣習の影響を受けているように見える。
弊社CEO樽谷大助氏のセキュリティである元K-1ファイターの宮本正明氏も、事前に運営上のルールについて聞かされていない状態で、会場係から「知らないルール」について度々説明されることで、難色の表情を露わにするシーンが多くあった。
東京国際映画祭の現場について
誤解を恐れずに申し上げれば、これは日本のアクター批判ではなく、映画業界の慣習についての問題提起である。グローバルスタンダードの映画祭と比較すると、その価値基準に大きな開きがあるように見えてならない。
こうした疑問点について、海外の数多くの映画祭に通じている弊社CEOの樽谷大助より、ピーターチャンへのインタビュー後、恐縮ながら、東京国際映画祭のディレクターである市山尚三氏に対し、海外の実態を踏まえた上での今後の在り方について意見を具申させていただいた。
市山氏からは、樽谷大助からの意見について「今後の東京国際映画祭の運営の在り方については参考にさせていただく」とのお言葉をいただいた。
世界の映画祭に席巻する「日本の映画祭の在り方と未来」を考えてみる
世界を席巻するアニメを始めとした日本発のサブカルチャーについては、海外のファンからは憧憬の眼差しでその面白さや素晴らしさについて語られることが多い。一方で、日本の国際映画祭は息苦しくて行きたくないと言われてしまうのは、何か悔しさを覚えずにはいられない。祭りとしての映画祭の在り方がこれから改善され、サブカルチャー同様に世界から素晴らしいと称賛される映画祭になることを期待したい。

欧州ジャーナリスト連盟(European Federation of Journalists)
会員No.JP465 N J269写真家
日本外国特派員協会メンバー
会員No.TA1321
(社)モナコウィークインターナショナル
取材 国際ジャーナリスト
樽谷大助d.tarutani0120@gmail.com
取材アシスタント KANAME YAGIHASHI
取材アシスタント宮本正明
配信元企業:一般社団法人モナコウィークインターナショナル
プレスリリース詳細へドリームニューストップへ
記事提供:DreamNews