【水素】水電解セルおよび燃料電池の研究開発を支援 -ラボ向けEIS測定システムALDAS-αを発売
HIOKI

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EIS測定システム ALDAS-α
HIOKI(日置電機株式会社:長野県上田市、代表取締役社長:岡澤尊宏)は、2025年10月29日、水電解セルおよび燃料電池の研究開発に向けたEIS測定システム ALDAS-α(アルダス・アルファ)を発売します。ALDAS-αは高精度なインピーダンス測定により、水電解セルや燃料電池の特性評価を加速させ、水素エネルギーを活用した持続可能な社会の実現を支援します。
■ 開発の背景
気候変動対策が世界的に加速する中、水素は世界のエネルギー転換における重要な役割を果たす存在として注目されています。国際エネルギー機関(IEA)の推計によると、2024年の世界の水素需要は約1億トンに達し *1 、カーボンニュートラル実現に向けた水素の需要が高まっていることを示しています。クリーンエネルギーである水素は、自動車や海運などのモビリティ分野、電池に代わるエネルギー貯蔵手段、混焼 *2 による発電など、さまざまな分野での活用が期待されています。
*1 Global Hydrogen Review 2025 - Analysis, IEA
*2 混焼:火力発電において燃料に水素を混ぜて燃焼させる技術。二酸化炭素排出量の削減に貢献する。
ALDAS-αは、水電解セルと燃料電池の研究開発分野で使用されます。水電解セルとは、電気分解によって水(H 2 O)を水素(H 2 )と酸素(O 2 )に分解する最小単位の部品です。このセルを複数重ねた(スタック)装置全体を水電解装置と呼びます。研究開発ではセルを様々な条件下で稼働させながら電気化学インピーダンス分光法によるインピーダンス測定(EIS測定)を行うことにより、セルの内部状態や劣化要因を推定します。
また、水電解セルや燃料電池の性能向上には、触媒や固体高分子膜といった材料レベルでの評価が重要です。触媒に使用される貴金属の担持量や高分子膜の種類と、最終的なセルの性能との関係性を明らかにするためにEIS測定は有効な方法です。
当社は2025年2月に、大型の水電解セル、スタック評価向けの「電解セルアナライザ ALDAS-Mini」を発売しました。今回発売するALDAS-αは、小型セルを対象とした研究開発向けモデルとなります。基礎研究から実証研究段階における測定まで、ALDASシリーズが水素の活用促進に幅広く貢献していきます。
■ 特長
1. 評価サイクルの向上
一般的にセルのEIS測定で使用される電気化学測定器は、1回の測定に30分以上の時間がかかります。一方ALDAS-αは、1回あたり約7.6分 *3 の測定を実現しました。測定時間の大幅な短縮により、ユーザーの測定サイクルを改善します。
*3 測定条件による
2. 高電流密度領域での測定
セルの高性能化を目指し、高電流密度領域での測定ニーズが高まっています。この測定では大電流を流す必要があるため、一般的にはブースター電源を用いますが、ALDAS-αは測定器本体から直接DC20Aまでの電流を印加可能です。
3. 既存設備にも簡単接続
現在使用している評価装置を改造することなく簡単に接続し、EIS測定を開始できます。段取り替え手順を少なくすることで、準備から測定開始までの時間を短縮します。
4. 複数セルの同時計測
セルスタック内で最大8セルの同時計測に対応し、セルごとの性能比較を可能にします。
■ 主な用途
- 1cm² から5cm²程度の小型セルを、高電流密度で評価- 非発電状態における燃料電池の解放端子電圧(OCV)測定- セルの加速劣化試験- 長時間耐久試験におけるオーミック抵抗のモニタリング
■ EIS測定システム ALDAS-α 製品ページ
https://www.hioki.com/jp-ja/products/specialized-solutions/advanced-tech/id_1269042プレスリリース提供:PR TIMES
記事提供:PRTimes