スペクトラム社、超高速任意波形発生器に強力なDDSオプションを搭載
Spectrum Instrumentation GmbH
デジタイザなどの計測機器メーカであるスペクトラム・インスツルメンテーション社（本社ドイツ・グロースハンスドルフ/以下、スペクトラム社）は、フラグシップである63xxシリーズの任意波形発生器（AWG）の発売から1年を経て、新たにDirect Digital Synthesis（DDS）オプションを発表しました。このオプション機能により、高性能な63xxシリーズのAWG機能がさらに拡張され、高純度で柔軟性の高い信号生成を必要とする幅広い用途に対応できるようになります。
AWGモードでは、最大10 GS/sの出力レート、16ビット分解能、および最大3.9 GHzの帯域幅で波形を生成できます。新しいDDSモードでは、63xxシリーズのAWGは1チャンネルあたり最大64個の独立した正弦波を生成でき、それぞれの周波数・振幅・位相をわずか3.2 nsecステップで変化させることが可能です。これにより、産業・医療・イメージングシステム、さらには量子研究、半導体試験、通信分野において、波形列や周波数スイープ、微調整可能な基準信号を簡単に生成できます。
製品紹介映像をご覧いただけます（5分）:
https://youtu.be/PoT0cReolRE
[画像1:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/95734/36/95734-36-328043284ba2a3fba90c4882a7a30a2b-2000x1327.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
63xxシリーズの超高速AWG向け新DDSオプションは、1チャンネルあたり最大64個の独立した正弦波（上記FFT図参照）を提供します。
新しいDDS（Direct Digital Synthesis：直接デジタル合成）オプションでは、各AWGチャンネルで最大64個のプログラム可能な正弦波コア（キャリアまたはトーンとも呼ばれます）を生成できます。各コアは周波数、振幅、位相に加え、周波数スロープおよび振幅スロープを個別に設定可能です。これらの設定変更は、リアルタイム、または事前にロードされたシーケンスの一部として、シンプルなコマンド操作により制御できます。このDDS機能を搭載した装置は、高純度かつ柔軟な信号源を必要とするアプリケーションに最適です。
スペクトラム社のCTOであるOlivier Roviniは次のように述べています。
「DDSアップグレードの大きな利点は、その効率性にあります。大容量の波形データをストリーミングする代わりに、ユーザーは装置内メモリに格納されたコンパクトなコマンドシーケンスによって信号特性を制御できます。数百万のコマンドは最小3.2 nsecの高精度タイミング分解能で保存・実行され、ジッタやグリッチのない動作を実現します。設定は外部トリガ、内部タイマー、またはコマンドによって実行でき、複雑なパルス列、周波数スイープ、AM/FM変調、独自形状のトランジションなどの生成が容易になります。」
63xxシリーズ任意波形発生器（AWG）は、2種類のハードウェア形式、全22モデルで構成されています。
- PCIeベースのM5i.63xxモデル
これらのカード型AWGはPCへ直接組み込み可能で、省スペースかつ高速データ転送を必要とする環境に最適です。1または2チャンネル構成に対応し、出力レートは3.2～10 GS/s（デュアルチャンネル時は5 GS/s）です。Spectrum独自のStar-Hub同期システムを用いることで、最大8枚のカードを同期接続でき、最大16チャンネル／512 DDSコアの同時動作を実現します。
- NETBOXシリーズ（DN2.63xおよびDN6.63xモデル）
LXI準拠のスタンドアロン型機器で、ベンチトップまたはラックマウントでの使用に適しています。Ethernet接続によりPCやネットワークと簡単に連携でき、1～12の同期チャンネル構成を選択可能です。出力レートは3.2 GS/sまたは5 GS/s、最大6チャンネルで10 GS/sをサポートし、最大384コア（DDSコア）をプログラム可能です。
[画像2:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/95734/36/95734-36-1b043948b590f6697a7e152b5c82702e-1962x981.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
DDSモードの例：わずか数コマンドで正弦波を生成し（オレンジ）、周波数を加速させ（ブルー）、振幅を低下させる（グリーン）
重要なのは、DDSオプションを追加した場合も、AWGの本来の機能が損なわれることなく、引き続き、シングルショット、ループ、ゲート、ストリーミングなどの高度な動作モードを含む任意波形再生機能をすべて利用できる点です。これにより、ユーザーは実質的に1台で2つの計測器を手にすることになります。
すべてのSpectrum製品には、WindowsおよびLinux向けのソフトウェアサポートが付属し、Python、MATLAB、C++、LabVIEWなどの主要プログラミング言語向けのサンプルコードが提供されています。
また、操作性に優れた高レベルPython APIも用意されています。
63xxシリーズ用のDDSオプションは現在入手可能で、Spectrumのエンジニアによる生涯技術サポートおよびソフトウェアとファームウェアの無償アップデートが提供されます。
スペクトラム・インスツルメンテーション社(Spectrum Instrumentation)について
1989年に創業したスペクトラム社(CEO 兼 創業者Gisela Hassler)は、モジュラー設計を利用することでデジタイザ製品および波形発生器製品をPCカード（PCIeおよびPXIe）やスタンドアローンのEthernetユニット（LXI）として幅広く生み出しています。スペクトラム社は35年間に、トップブランドの業界リーダーやほとんどすべての一流大学を含む、世界中のお客様に製品をご利用いただいています。当社はドイツのハンブルク近郊に本社を構えており、5年保証と設計エンジニアやローカルパートナーによる優れたサポートを提供しております。スペクトラム社の詳細については、
https://www.spectrum-instrumentation.comをご確認ください。
プレスリリース提供：PR TIMES
記事提供：PRTimes
