ispace U.S.、ミッション3の成功に向けた体制強化として「スタンディング・レビュー・ボード」を設立
株式会社ispace

株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)(証券コード9348)は、当社米国法人であるispace technologies U.S., inc.(以下ispace-U.S.)が、2027年にi打ち上げを予定している、ミッション3(正式名称:Team Draper Commercial Mission 1)成功に向けた取り組みの一環として、外部有識者による「スタンディング・レビュー・ボード」(Standing Review Board、以下SRB)を新たに設立したことを発表します。
SRBには宇宙業界をリードする外部有識者が参画し、システムレベルの視点から月着陸船のプログラムおよび技術課題をレビューします。特に、既知のリスクに加え、認識されていない潜在的な、リスクや新たに出現するリスク(いわゆる “unknown unknowns”)に対しても検討し、ミッション3(正式名称:Team Draper Commercial Mission 1)の成功に貢献します。
委員長にはかつてNASAのサイエンス部門副長官を務めたアラン・スターン博士(Dr. Alan Stern)が就任し、その他にも宇宙産業の知見を有する著名なリーダー陣が外部アドバイザーとして参画します。アラン・スターン博士は、2025年4月に創設した米国ルナ・サイエンス・アドバイザリー・ボードの委員長を務めるとともに、株式会社ispaceのルナ・アドバイザリー・ボードのメンバーも務めています。
■ ispace-U.S. CEOエリザベス・クリストのコメント
「このSRBの設立は、NASAの長期宇宙探査ビジョンに貢献し、ミッション3(正式名称:Team Draper Commercial Mission 1)を確実に成功させるためのispaceの姿勢を示すものです。私たちは、卓越したリーダーの皆さまと協力しあえることを大変光栄に思っており、ミッションの成熟度をさらに高めていくことが出来ると確信しています。」
■ スタンディング・レビュー・ボードのメンバー紹介(アルファベット順)
- スティーブ・バテル(Steve Battel)、バテル・エンジニアリング社 社長、ミシガン大学工学部教授- ウィリアム(ビル)クラーク(William (Bill) Clark)、コンサルタント- クリストファー・デスーザ博士(Dr. Christopher D'Souza)、NASA 誘導・航法・制御分野におけるテクニカルフェロー- トッド・メイ(Todd May)、KBR 科学・宇宙事業部門 上級副社長、元マーシャル宇宙飛行センター所長(2016~2018)- ピエロ・ミオット博士(Dr. Piero Miotto)、ドレイパー研究所 ラボフェロー- シェリー・パーバン(Sherry Pervan)、独立系航空宇宙工学コンサルタント- 氏家 亮、株式会社ispace CTO
アラン・スターン氏(Alan Stern)委員長
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元NASA副長官。冥王星とカイパーベルトを探査するNASAニュー・ホライズンズ・ミッションの主任研究員を務めた。また、民間宇宙飛行士、米国国家科学委員会の委員を務める一方、「タイム100」誌の「最も影響力のある100人」に2度選出されている。数多くの科学・技術論文や記事の執筆・編集を手がけ、複数の著書もある。現在は主に航空宇宙コンサルティング業務に従事している。
スティーブ・バテル(Steve Battel)
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システムエンジニア、設計者、マネージャーとして48年の経験を有し、NASAおよび米国国防総省(DoD)の300件以上の宇宙関連プロジェクトに携わる。そのうち120件以上のミッションにて、アドバイザーとしてレビューや助言の役割を担う。宇宙関連分野の業界において、地球観測、惑星地球化学、宇宙物理学、天体物理学の分野の発明家として知られ、また、独自の電子システムを用いた宇宙機器の開発を牽引する技術的リーダーとして広く知られている。バテル・エンジニアリング社の社長を務め、ミシガン大学電気工学科および気候・宇宙科学工学科の教授も務める全米技術アカデミー(NAE)会員、米国航空宇宙学会(AIAA)および米国科学振興協会(AAAS)のフェローを務める。
ウィリアム(ビル)クラーク氏(William (Bill) Clark)
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航空宇宙企業の独立コンサルタント
シエラネバダコーポレーション、ispace-US等米民間航空宇宙企業のコンサルタントを務める。これまで、新興UAVシステムおよび企業の競争力評価確立支援、価格優位性獲得モデルアルゴリズムの支援、戦略的計画策定活動のレビュー等を実施。現在は顧客成長戦略、プログラム獲得戦略、提案支援、組織開発、経営幹部のコーチング支援、商業宇宙旅行企業に向けたシステムエンジニアリングを主導。プログラム開発、戦略的計画立案、戦略的・技術的システム分析、事業獲得、経営幹部向けプログラム管理、
プログラム実行、プロセス主導型運営における成長・規模拡大を支える計画立案を強みとしている
クリストファー・デスーザ氏(Dr. Christopher D'Souza)
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NASAの誘導・航法・制御(Guidance, Navigation, and Control:GNC)分野のテクニカルフェローを務める。2005年にNASAジョンソン宇宙センターに入所。2009年からはGNC自律飛行システム部門の副部門長として、有人宇宙機の誘導・航法・目標設定を担う22名のエンジニアチームを率いた。2014年には有人宇宙飛行(Navigation Technical Discipline Lead)における航法技術分野の責任者に選出された。
トッド・メイ氏(Todd May)
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KBR社 サイエンス&スペース事業部門 シニア・バイス・プレジデント/元NASAマーシャル宇宙飛行センター所長(2016年~2018年)2016年2月から2018年7月まで、NASAマーシャル宇宙飛行センターの所長を務める。それ以前は、2015年8月より、副所長を、11月より所長代行を務めた。また、2011年8月より、SLS(スペース・ローンチ・システム)の責任者を務め、現在開発中のSLSロケットは、NASAのオリオン宇宙船に搭乗した宇宙飛行士を小惑星や、最終的には火星を含む深宇宙でのミッションへ輸送可能といわれている。メイ氏はエンジン試験や詳細な重要設計審査を含む一連のマイルストーンをSLSに導いた。
ピエロ・ミオット氏(Piero Miotto)
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ドレイパー研究所の研究員であり、宇宙機および航空機向けの高度なアルゴリズムと飛行ソフトウェア、自律的な誘導・航法・制御技術を専門とする。フライトソフトウェア、航法、ロバスト制御の専門知識を活かし、これまで惑星着陸からランデブー・ドッキング、極超音速飛行などミッションに貢献。ispaceの、ミッション2およびミッション3における降下誘導・航法・制御アルゴリズムおよび飛行ソフトウェアの技術ディレクターを務める。MIT 航空宇宙工学科で確率的推定制御の博士号を取得し、イタリア・ローマ大学で航空学の学士号を取得。米国航空宇宙学会(AIAA)アソシエイトフェロー、元ACGSC(航空宇宙制御・航法・誘導システム委員会)議長。
シェリー・パーバン氏(Sherry Pervan)
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航空宇宙産業のシステムエンジニアとして35年の経験を有し、システム工学、宇宙機ミッション設計、軌道設計、軌道解析、打ち上げおよび軌道上運用、地上システムに関する豊富な実績を持つ。12年にわたり、複数のクライアントと協力し、NASA科学ミッション提案書および概念研究報告書の改善に貢献。NASA地球・宇宙科学ミッション提案書および概念研究報告書評価のプロジェクトマネージャーとして、各ミッションの技術・管理・コスト(TMC)面の審査や、NASAプロジェクトの独立審査チームにも参画。
氏家 亮
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東北大学大学院理学研究科宇宙地球物理学修士号取得。2009年からJAXAでソフトウェア・シミュレーションエンジニアとして勤務。宇宙機のソフトウェア独立検証、ソフトウェアアーキテクチャ研究、誘導制御シミュレーション研究及びシステム安全設計研究に従事。2015年マサチューセッツ工科大学(MIT)に留学し、System Design and Management Programを修了。2016年からは、JAXAにおいて複合システム最適化研究に従事。2017年から宇宙ステーション補給機「こうのとり」の後継機プロジェクト(HTV-X)に参加し、主に誘導制御及びNASAインタフェース調整に従事。2018年に宇宙分野での新たな挑戦を求めてispaceへ転職、ランダーのシステムエンジニアのマネージャー兼プロジェクトマネジャー補佐などを経て2022年6月にCTO就任
■ ispace technologies, U.S., inc. (
https://ispace-us.com/)について
コロラド州デンバー郊外に位置する、株式会社ispace のUS法人。地球から月への輸送サービスを政府及び民間顧客に提供する米国の月開発企業。月の資源活用に着目し、月、および地球と月の間において人類の生活圏、経済圏を構築することを目指している。ispace-U.S.は米国で設計・製造・打ち上げが行われるAPEX1.0ランダー開発の中心地であると同時に、北米における事業の拠点としての役割を担う。Team Draperの一員として、アメリカ航空宇宙局(NASA)の商業月面輸送サービス(Commercial Lunar Payload Services, CLPS)に採択され、NASAが後援する複数の科学ペイロードを月周回軌道及び月面へ輸送する予定。
■ 株式会社ispace (
https://ispace-inc.com/jpn/ )について
「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在約300名のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営した。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、月市場への参入をサポートするための月データビジネスコンセプトの立ち上げも行う。2022年12月11日には SpaceXのFalcon 9を使用し、同社初となるミッション1のランダーの打ち上げを完了。続くミッション2も2025年1月15日に打上げを完了した。これらはR&D(研究開発)の位置づけで、ランダーの設計および技術の検証と、月面輸送サービスと月面データサービスの提供という事業モデルの検証および強化を目的としたミッションであり、結果、ispaceは月周回までの確かな輸送能力や、ランダーの姿勢制御、誘導制御機能を実証することが出来た。2027年iには、米国法人が主導するミッション3(正式名称:Team Draper Commercial Mission 1)の打ち上げを予定しており、ミッション1、2で得られたデータやノウハウをフィードバックした、より精度の高い月面輸送サービスの提供によって、NASAが行う「アルテミス計画」にも貢献する計画。さらに、2028年iiには、経産省SBIR補助金を活用し、現在日本で開発中のシリーズ3ランダー(仮称)を用いたミッション4(旧ミッション6)の打ち上げを予定している。
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i 2025年11月時点の想定
ii当該打上げ時期については2025年10月時点の予定であり、今後変更する可能性があります。なお、当社が補助対象事業として採択されたSBIR(Small Business Innovation Research)制度の公募テーマ「月面ランダーの開発・運用実証」の事業実施期間が原則として2027年度とされており、SBIR制度に基づく補助金の対象となるミッション4は、当初2027年中の打上げとして経済産業省及びSBIR事務局と合意しておりましたが、2025年11月時点では当社内の開発計画上、2028年内の打上げとなることを見込んでおります。本変更については今後、関係省庁及びSBIR事務局と調整中の段階であり、最終的には経済産業省により正式に計画変更が認可されることとなります。
プレスリリース提供:PR TIMES





記事提供:PRTimes