【イプロスものづくり】「メカトロニクス」の基礎知識資料の第1章を公開
株式会社イプロス

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BtoB情報検索サイト「イプロス」「イプロスものづくり」を運営する株式会社イプロス(本社:東京都港区)は、「メカトロニクス」の知識資料の第1章を公開しました。
<もくじ>
1. メカトロニクスとは
2. メカトロニクスの構成要素
3. メカトロニクスのメカニズム技術
4. メカトロニクスのアクチュエータ技術
5. メカトロニクスの電気・電子回路技術
6. メカトロニクスのセンサ技術
7. メカトロニクスの制御技術
8. 自動化とロボット技術
9. メカトロニクスとIoT、AIの連携
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メカトロニクスとは、さまざまなメカ部品や電子機器が組み込まれている機械を制御する技術のことです。本連載では今後、ロボット産業やAI・IoT 技術のさらなる発展により、ますます重要となるメカトロニクスを、9回にわたり解説します。
初回となる今回は、メカトロニクスを定義と語源、身近な例、変遷などから学びます。
<第1回 もくじ>
1. メカトロニクスとは
2. メカトロニクスの身近な例
3. メカトロニクスの変遷
メカトロニクスの定義は、明確ではありません。
製品設計に携わる人の立場、時代、用途によって、十人十色です。
一般的にメカトロニクスといえば、機械工学(メカ)、電気・電子工学(エレキ)、情報工学や制御工学(ソフト)を組み合わせて、与えられた目的(動作)を自動で実現する技術を指すということは、共通の認識といってよいでしょう(図1)。
複数の分野にまたがる技術を一つにまとめる、システムインテグレート(擦り合わせ)技術でもあります。
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【図1:メカトロニクスの一般的な定義】
私たちの身近にある自動車、家電、ロボットなどの機械には、さまざまなメカ部品や電子機器が組み込まれています。これらを制御し、目的の動きを実現させる技術が、メカトロニクスです。
さらにメカトロニクスは、異領域分野の技術を吸収しながら、新しい領域を持続的に作り出しています。例えばロボティクス領域では、基本のメカトロニクス技術に、認知・心理工学や人工知能工学なども取り入れて、より人間に近い存在を作り出す取り組みがあります。
今後、IoT やAI などの技術革新がさらに進むと、全く別の新しい分野との融合も起こることでしょう。
メカトロニクス(mechatronics)は、機械工学のメカニズム(mechanism)と、電気・電子工学のエレクトロニクス(electronics)を融合させた和製英語です。
1960年代後半、株式会社安川電機によって提唱されました。当初は主に製造現場など、限られた場所で使われていました。
今では国境を越え、学術論文で使用されるなど、世界中で通用する言葉となっています。
機械に複雑な動作をさせるには、カムやリンクなどの機械要素部品を複雑・緻密に組み合わせる必要があります。これをからくりといいます。
からくりをたくさん使った製品は、製作に時間がかかり、組み立てにくい難点があります。
また製品も大型化し、高価になります。
からくりの部分を電気・制御系に置き換えると、複雑な動作を短い工程で実現できます。
さらに、機械要素の組み合わせだけでは限られた動きしかできないのに対し、電気・制御の技術を用いると、機械をより高度に動作させ、機能の幅を広げることができます(図2)。
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【図2:からくりとメカトロニクスの模式図】
近年では、エンジンを電気モータに置き換えることで、部品点数を大幅に減らした電気自動車の登場、さらに自動運転の実用化・汎用化へと、新たな革命を迎えています。
このようにメカトロニクスが技術の基礎となって、社会に大きな変革をもたらしていくでしょう。
メカトロニクスは、モノづくりの動向と切っても切れない関係にあります。
従来は、工場内の製造工程を自動化するFA技術(Factory Automation)が重視されてきました。
現在では、人間をサポートする製品や消費者が思ってもみなかったような製品など、付加価値の高い製品を作る技術が求められ、モノづくりに対するニーズも変化しています。
時代の動向とメカ・エレキ・ソフトが融合したメカトロニクス技術の変遷を、振り返ってみましょう(図3)。
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【図3:メカトロニクス技術発展の変遷】
・第1次メカトロ革命(1960年頃から)
人間の労働作業を、自動化(機械)へと置き換えるFA化に注力した時代です。
リンク、カム、歯車などのメカ系を電気的に制御することで、少品種の大量生産を達成しました。
・第2次メカトロ革命(1980年頃から)
売れるモノをタイミングよく作ることに注力した時代です。
トランジスタ、IC、LSI(大規模集積回路)などのエレキ系の技術を取り入れ、多品種の少量生産を達成しました。
・第3次メカトロ革命(2000年頃から)
人間のライフスタイルの変化に、即座に対応するため、低コスト化や高機能化に注力した時代です。
簡単なメカにサーボを融合させ、マイコンによる組み込みソフトウェアによって、変種の変量生産を達成しました。
・第4次メカトロ技術(近年)
IoTやAIなどの発展により、ネットワーク技術を中心とする付加価値の高い製品が求められる時代です。メカトロニクスでは、メカ設計とデジタル制御システムが統一化され、エレキでは微細化と集積が十分に進み、ソフトウェアも非常に高度になります。
多種多量生産、一種一量生産が求められます。
今後のメカトロ技術は、技術的な難易度が上がり、求められる製品も変わります。
設計者には、システムインテグレート技術の深い理解と同時に、豊かな発想力、柔軟な姿勢が強く求められるようになるでしょう。
いかがでしたか?
今回は、日本で生まれたメカトロニクスという言葉の定義、技術発展の変遷などを解説しました。
次回はセンサ、コントローラ、アクチュエータ、電子回路・制御回路など、メカトロニクスの構成要素を説明します。お楽しみに!
続きはDLしてご覧くださいプレスリリース提供:PR TIMES



記事提供:PRTimes