『豊臣期大坂図屏風』国際視察交流会2025 in オーストリア・エッゲンベルク宮殿を開催
オーストリア大使館観光部

遠くオーストリアで眠っていた屏風の謎に、日墺の関係者が再び迫る
2000年代の初めにグラーツのエッゲンベルク宮殿で“再発見”された『豊臣期大坂図屏風』は、大坂夏の陣によって失われた豊臣時代の大坂城と城下町の研究に重要な手がかりをもたらしました。それから約20年後の2025年10月2日、日本の関係者2名がエッゲンベルク宮殿を訪問し、本屏風と対面。研究のきっかけを作ったバルバラ・カイザー博士と、トークセッションをおこないました。1時間半に及んだ本トークセッションの全文は、
オーストリア大使館観光部の公式サイトにて公開しています。
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屏風の間に集まった関係者 (C) Universalmuseum Joanneum / J.J. Kucek
オーストリア大使館観光部が主催した本企画では、滋賀県・竹生島宝厳寺住職の峰覚雄氏、関西大学文学部教授の長谷洋一氏が、グラーツにある世界文化遺産のエッゲンベルク宮殿を訪問しました。
竹生島宝厳寺にある唐門(国宝)は、『豊臣期大坂図屏風』によって、豊臣大坂城の唯一現存する建物遺構「極楽橋」であることが確認されました。「極楽橋」は1600年(慶長5年)に大坂城から京都の豊国神社に、その2年後に琵琶湖の竹生島に移築されましたが、極楽橋以外の建物は大阪夏の陣で失われたため、極楽橋が描かれていること自体が、本屏風が豊臣大坂城を表したものであることの決定打となりました。分解されて壁紙に埋め込まれた屏風と初めて対面した峰住職は、「屏風が宮殿に違和感なく溶け込んでいることに驚いた」と感想を述べました。
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宝厳寺唐門と峰住職 (C)Oesterreich Werbung/ Tokyo
また、関西大学文学部の長谷教授は、関西大学なにわ・大阪文化遺産学研究センター(現なにわ大阪研究センター)の研究員として、本屏風の研究に携わりました。やはり今回がエッゲンベルク宮殿初訪問となった長谷教授は、「もしかしたら他のヨーロッパの美術館に同様の屏風が存在するかもしれない。日本の若い学生たちに、ヨーロッパに流出している日本美術にもっと興味を持ってほしい」と話しました。
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関西大学第1学舎1号館の屏風の復元陶板と長谷教授 (C)Oesterreich Werbung/ Tokyo
約1時間半にわたるトークセッションでは、『豊臣期大坂図屏風』を見出したバルバラ・カイザー博士と長谷教授、峰住職の三氏が登壇し、屏風がグラーツに伝わった経緯や、屏風の存在を知ったときの衝撃、屏風の発見により実現した宝厳寺唐門の修復、そして未来への期待など、多角的な視点から熱い議論が交わされました。その全文は、
オーストリア大使館観光部のウェブサイトにて公開しています。
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左から、バルバラ・カイザー博士、長谷洋一教授、峰覚雄住職 (C)びわこビジターズビューロー
また、今回の視察には公益社団法人びわこビジターズビューロー(滋賀県)の職員が同行し、グラーツ市観光局CEOディーター・ハルト=シュトレマイヤー氏、およびシュタイヤマルク州立博物館ユニバーサル・ヨアネウム代表のマルコ・メレ博士と面会。滋賀観光の魅力を紹介したあと、三者による観光相互協力の協定書への署名が行われました。なお、2021年の
「オーストリアと琵琶湖の形が似ている」というSNSの投稿をきっかけに、滋賀県とオーストリアは交流を深めています。(参考資料:
滋賀県公式サイト)
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左から、グラーツ市観光局CEO ディーター・ハルト=シュトレマイヤー氏、州立博物館ユニバーサル・ヨアネウム代表 マルコ・メレ博士、びわこビジターズビューロー 原田佳和氏 (C) Universalmuseum Joanneum / J.J. Kucek
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滋賀県とオーストリアの交流のきっかけとなったSNS投稿
本イベントを企画したオーストリア大使館観光部の関係者は、「『豊臣期大坂図屏風』は、バラバラに分解されて壁紙になるという一見不幸な運命を辿ったからこそ、喪失を免れた稀有な存在。日本とオーストリアを結ぶ歴史的奇跡を、ぜひグラーツで実際にご覧いただきたい」と話します。
『豊臣期大坂図屏風』は、エッゲンベルク宮殿のガイドツアーに参加することで見学できます。開館時期は毎年3月末頃から10月末頃まで(冬季閉館)です。
エッゲンベルク宮殿の詳しい情報は、
弊観光部サイト内「エッゲンベルク宮殿の七不思議」をご覧ください。
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『豊臣期大坂図屏風』が壁紙として埋め込まれているエッゲンベルク宮殿の「日本の間」(C)Oesterreich Werbung/ Tokyo
イベント概要
【日時】2025 年10 月2 日(木)13:00~18:00
【会場】エッゲンベルク宮殿(オーストリア・グラーツ市)
【内容】第一部:エッゲンベルク宮殿見学・築城 400周年記念展『シュタイヤマルク・ショー』見学/第二部:トークセッション『豊臣期大坂図屏風』/第三部:滋賀県とグラーツ市の観光交流
【出席者(敬称略)】
<日本側>宝厳寺住職 峰覚雄/関西大学文学部教授 長谷洋一/びわこビジターズビューロー 原田佳和、レイス有紀子
<グラーツ側>エッゲンベルク宮殿学芸員 バルバラ・カイザー/エッゲンベルク宮殿代表 パウル・シュスター/州立博物館ユニバーサル・ヨアネウム代表 マルコ・メレ/グラーツ市観光局CEO ディーター・ハルト=シュトレマイヤー
<独日通訳>原田紗希江
<主催・モデレーター>オーストリア大使館観光部 大西悠
【関連サイト】
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『豊臣期大坂図屏風』国際視察交流会2025 トークセッション全文-
世界遺産エッゲンベルク宮殿の七不思議プレスリリース提供:PR TIMES





記事提供:PRTimes