SDGsの理念を大切に、多国間主義に則って、一人ひとりが大切にされる公正で 平等で 平和で 豊かな未来の創造を
SDGsジャパン

SDGs市民社会ネットワーク【高市新首相の所信表明演説を受けて】
2025年10月21日に第104代内閣総理大臣に選出された高市早苗新首相は、10月24日に所信表明演説をおこないました。これを受けて、(一社)SDGs市民社会ネットワーク(SDGsジャパン)は、以下のコメントを発表しました。
[画像:
https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/27673/82/27673-82-cd8fd77fa47a3883dab0c088e3f3c36e-1280x720.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
2025年11月12日
【高市新首相の所信表明演説を受けて】
一般社団法人 SDGs市民社会ネットワーク
SDGsは、気候危機や拡がるばかりの格差に代表される現在の持続不可能な世界を変革し、「誰一人取り残さずに」平和で豊かな未来を創造するために国際社会が合意した目標です。その達成には、多国間主義への信頼と連帯が不可欠です。
SDGsの理念を大切に、多国間主義に則って、一人ひとりが大切にされる
公正で 平等で 平和で 豊かな未来の創造を
高市新首相の所信表明演説を受け、SDGs市民社会ネットワーク(以下、SDGsジャパン)は、持続可能で包摂的な社会への変革なくして未来は築けないという観点から以下を強く訴えます。
1. 取り残されがちな人を包摂し、誰もに居場所があり能力を発揮できる「温かく豊かな経済」を
日本はSDGsの目標10「人や国の不平等をなくそう」について克服すべき課題を抱えていることが指摘されています。その観点からは、取り残されがちな人の課題を理解し、格差の是正に取り組む施策が不可欠です。
ダブルワーク、トリプルワークでないと生活が成り立たない人たちに代表される生活困窮者─なかでも大きな影響を被っているのはシングルマザーを始めとする人たちです─の雇用課題を解決する経済政策を是非とも進めてください。
また、経済政策では「国連ビジネスと人権に関する指導原則」に代表される経済活動における人権尊重の重要性を是非、強調してください。日本の企業活動が、日本で世界で働く人の幸福と豊かさに結びつく責任あるビジネスとなるよう積極的な施策を打ち出してください。折しも今年は、日本政府による「ビジネスと人権行動計画」の改定年にあたっています。
2. 対話と交渉を通じた平和と安全保障の追求を
首相は、今年度中に防衛費を「対GDP比2%水準」に増額する方針を打ち出しました。この方針は、日本の安全保障政策が、トランプ政権の軍事化政策に同調することを意味しており、対話と交渉を重視してきた日本の外交政策の後退が強く懸念されます。
私たちは、防衛力の強化が、暮らしを支える分野への投資を圧迫することを強く危惧しています。現時点で日本の教育分野への公的支出はGDP比で約3.9%にとどまり、OECD平均(約5.1%)を大きく下回っています。また、国際協力においても、日本のODA(政府開発援助)はGNI比0.39%と、国際目標である0.7%には遠く及びません。防衛費の増額が、教育、社会福祉、国際協力等の分野の予算削減につながり、国内外で人々の命と暮らしを支える政策の後退に結びつくことを懸念しています。
国家の安全と防衛を主眼とする「国家安全保障」にとどまらず、日本政府が国際社会での議論を牽引してきた理念である、一人ひとりの生命・生活・尊厳を守る「人間の安全保障」の追求を今後も重視してください。「人」への投資─国内外の教育、医療、社会保障などへの戦略的支出─を優先することが、持続可能な未来と国際平和への貢献として、日本が国際社会で尊敬され存在感を発揮する道であると確信しています。
3. 持続可能な未来に向けて、環境、ジェンダー平等への明確なコミットメントを
持続可能な未来を創造するための喫緊の課題である気候危機や生物多様性といった地球規模の環境課題への言及が限定的だったことを懸念しています。環境政策は人々の暮らしと持続的な経済の基盤です。環境問題は国際的な安全保障課題の一環と考えられるようになってもいます。
また、ジェンダー平等実現への言及がほとんどなかったことは残念です。女性の健康支援にとどまらず、女性の社会参画や構造的なジェンダー格差解消への対策を是非、打ち出してください。日本初の女性首相として、女性を始めとしてすべての人が能力を発揮できる社会の実現に向け、明確なコミットメントを示しリーダーシップを発揮してください。
これまでの国際合意を再確認し、是非とも地球規模の環境課題の解決やジェンダー平等実現に向けて具体的な政策と施策を進めてください。自国中心主義に陥ることなく、多国間主義の枠組みを尊重し、SDGsの達成に向けた日本による国際社会への貢献をさらに強化してください。
4. 市民社会を始めとする多様な人々の現実と声に耳を傾けて一人ひとりの命と暮らしが大切にされる政治を
政策形成や実施の過程では、透明性と説明責任が何より重要です。女性、障害者、ユース、高齢者、外国籍市民、無国籍者、先住民族を始めとする、社会的に周縁化され脆弱な立場に置かれがちな多様な人々の声に丁寧に耳を傾け、政策に反映させることが民主主義の基盤であり、「誰一人取り残さない」社会への道です。差別、排除、排外主義をしりぞけ共生を大切にし、市民の意味ある参加と対話を重視する開かれた政治こそが、一人ひとりの命と暮らしが大切にされる平和で安定した社会の土台になると私たちは信じています。
d27673-82-d5c73ca0687e81673aa6091626e35df0.pdf【本声明に関するお問い合わせ先】
一般社団法人 SDGs市民社会ネットワーク(通称 SDGsジャパン)
事務局(担当: 小松)office@sdgs-japan.net
〒102-0072 東京都千代田区飯田橋1-7-10 山京ビル本館605
TEL:03-5357-1773、FAX:03-5357-1774
HP:
https://www.sdgs-japan.net/プレスリリース提供:PR TIMES
記事提供:PRTimes