業界初のSDV成熟度フレームワークが、自動車業界に明確な基準と加速を促す
HERE Japan株式会社
・4つの成熟度フェーズにより、自動車メーカー、サプライヤー、パートナーは進捗をベンチマークし、次世代体験に向けて戦略的に前進可能に
2025年11月17日
アムステルダム- マッピングとテクノロジーのリーディングカンパニーであるHERE Technologiesは、テクノロジーアドバイザリー企業Omdiaによる独立調査を基に、自動車業界初のデータ駆動型
「ソフトウェア定義車両(SDV)成熟度フレームワーク」を発表しました。自動車メーカーは、断片化したSDV開発アプローチにより高コストの失敗や事業の持続可能性へのリスクに直面しています。本フレームワークは、急速に進化するSDV領域において、進捗を評価し戦略的意思決定を行うための業界初の共通言語を提供します。
SDV成熟度フレームワークは、新規テクノロジー企業の参入によるイノベーション加速、消費者期待の高まり、そして自動車メーカーが協業を迫られる中、業界標準を統一する役割を果たします。HEREとOmdiaは、自動車業界の進化を推進する取り組みとして、本フレームワークをSAE ITCに引き渡し、正式な分類体系としての採用を検討します。
明確なロードマップ:業界の現在地と未来
本フレームワークは、ハードウェア中心の車両からソフトウェアファーストのモビリティプラットフォームへの進化を、北米・欧州・アジアの647名の自動車専門家へのグローバル調査に基づき、4つのフェーズで定義しています。
・ フェーズ1:Connected(2026-2027年に普及)
基本的なコネクティビティのみでユーザーベネフィットは限定的。収益は従来の車両販売に依存。
・ フェーズ2:Augmented(2027-2030年に普及)
ADAS機能やOTAアップデートによるインフォテインメント強化で初めて顧客価値を提供。フリートソリューションによる収益多様化の始まり。
・ フェーズ3:Adaptive(2030-2035年に普及)
ソフトウェアファーストへの転換点。ライフサイクル全体で機能を進化させる車両へ。サブスクリプションやデータ収益化がピークに。
・ フェーズ4:Agentic(10年以上先に普及)
完全なデジタルライフサイクル統合と予測型体験。OEMはモビリティサービスプロバイダーへ進化し、収益はモビリティを超えエコシステム全体に拡大。
HERE Technologies SVP、Automotive Solutions責任者 Remco Timmer氏のコメント:
「自動車メーカーはソフトウェア駆動の未来という明確なビジョンを共有しています。本フレームワークは、業界に共通言語と実践的なロードマップを提供し、戦略を整合させ協業を促進することで、革新的なモビリティ体験を迅速に実現し、OEMが差別化と新たな収益源を獲得できるようにします」
業界の野心と消費者期待の橋渡し
本フレームワークは、技術的進捗のベンチマークにとどまらず、消費者の信頼、データプライバシー、そしてデジタルライフスタイルとのシームレスな統合といった要素の重要性にも対応しています。これらの要素は、購買意思決定やブランドロイヤルティにますます影響を与えています。AI、OTAアップデート、ゾーナルアーキテクチャが自動車イノベーションの中心となる中、SDV成熟度フレームワークは、OEMやサプライヤーが戦略や投資を、未来の車両を形作るテクノロジーに合わせるためのロードマップを提供します。
価値創出と競争優位性の進化
OEMと顧客にとっての価値創出は、各フェーズで進化します。初期段階では運用効率と安全性が中心ですが、後期フェーズではデジタル価値、パーソナライゼーション、新たなビジネスモデルへと移行します。業界がプロプライエタリなサイロからオープンで協調的な開発へ移行することは、SDVイノベーションの重要な推進要因です。フェーズ1および2では顧客価値や投資収益は限定的ですが、これらのフェーズはフェーズ3以降で大きなメリットを解き放つために不可欠です。
地域別の準備状況:顕著な差
中国およびAPACのOEMは、オープンサプライヤーエコシステム、OTAアップデート、デジタルエンジニアリング環境といった基盤機能の導入を加速しています。グローバル調査に対するOEMの回答から、SDVの準備状況には地域ごとに大きな差があることが明らかになりました。
・ オープンエコシステムのパートナーシップ
-APACのOEMの70%が、フェーズ3までに導入予定
-欧州のOEMの50%以上、北米のOEMの35%は、フェーズ4以降まで導入を見込まず
-APACのOEMの20%は、フェーズ1からオープンエコシステムを優先事項と認識
・ デジタルエンジニアリング環境
-中国のOEMの約90%が、フェーズ3までに導入予定
-中国のOEMの30%以上は、フェーズ1から導入を開始
-欧州および北米のOEMの半数以上は、フェーズ3または4まで導入を延期
これらの積極的なタイムラインは、中国およびAPACにおける根本的に異なるマインドセットを反映しています。SDVネイティブ企業は、開発サイクルを圧縮し、車両イノベーションをゼロから再構築しています。
パートナーシップエコシステムと協業
高度なSDVフェーズでの成功は、プラットフォームの共同開発、サプライヤー統合、エコシステムのオーケストレーションに依存します。HERE、AWS、業界パートナーによる最近の協業「SDV Accelerator」は、OEMがSDVエコシステムの価値をあらゆる段階で最大化するための実践的な設計図とリソースを提供する取り組みの好例です。
Omdia シニアプリンシパルアナリスト Maite Bezerra氏のコメント:
「自動車業界の断片化したSDVアプローチは、不要な複雑性、リスク、財務損失を招いています。当社のSDV成熟度フレームワークは、成功には技術だけでなく、組織変革と戦略的協業が不可欠であることを示しています。初期フェーズではリターンが限定的ですが、これらの基盤を飛ばすとコストは指数的に増加します。本フレームワークは、不確実性を排除し、戦略的意思決定を行うためのエビデンスに基づくロードマップを提供します」
SDV成熟度フレームワークの詳細および完全版レポートはこちら:
www.here.com/here-omdia-sdv-maturity-framework
調査方法
2025年7月、Omdiaはカナダ、米国、英国、フランス、ドイツ、シンガポール、日本、中国にわたる647名の業界専門家を対象に包括的な調査を実施しました。回答者は北米、欧州、アジアで均等に分布し、自動車エコシステム全体(OEM、ティア1、ティア2サプライヤー)を幅広く代表することを目指しました。本調査は、従来の自動車専門知識と、SDV実装に不可欠な新興テクノロジーの視点を組み合わせて実施されています。結果は現時点での見解を反映しており、将来の有効性を保証するものではありません。
メディアお問い合わせ先:
HERE Technologies
Jordan Stark
+1 312 316 4537
jordan.stark@here.com
HERE Technologiesについて
HERE Technologiesは、マッピングとロケーションテクノロジーのグローバルリーダーです。1985年に世界初のデジタル地図を発表して以来、40年にわたり業界を牽引し、世界のトップ企業のイノベーションを支えてきました。最新かつ豊富な統合マップと多様なソリューションを通じて、モビリティの未来を共に創造します。詳細は
https://www.here.com をご覧ください。
Omdiaについて
Omdiaは、Informa TechTarget, Inc.(Nasdaq: TTGT)の一部であるテクノロジー調査・アドバイザリー企業です。深い市場知識と実践的なインサイトにより、企業の成長戦略を支援します。
プレスリリース提供:PR TIMES
記事提供:PRTimes