中国との政治摩擦による訪日需要への影響は「限定的」-過去事例と市場構造から独自分析(BeA)~春節商戦は引き続き堅調見通し~
株式会社BeA

尖閣問題(2012-2013年)との比較で分かる「市場の強靭性」インバウンド支援企業BeAが最新見解を発表
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訪日インバウンド支援事業を展開する株式会社BeA(所在地:東京都渋谷区/代表取締役:武内 大)は、現在発生している日中間の政治摩擦が、中国の訪日旅行需要に与える影響について独自分析を取りまとめました。
当社の結論として、現時点(2025年11月19日)において影響は限定的であり、春節商戦に向けた訪日需要の基調は維持されていると判断しています。
本分析は、多くの企業・自治体が抱く「中国人訪日客がどうなるのか」という不安を解消し、正確な市場判断に資することを目的としています。
■ 1. 一部でツアー停止・キャンセルはあるが、市場全体の基調は維持
11月中旬以降、中国の一部旅行会社において日本行きツアーの販売停止やキャンセル対応が報告されています。
しかし当社は、市場全体に対する影響は限定的と評価しています。
その背景には、過去事例と現在の市場構造の違いがあります。
■ 2. 過去事例:2012-2013年「尖閣問題」における影響とその回復
2012年の尖閣諸島問題では、中国国内で大規模な反日デモが発生し、政府・旅行会社ともに渡航抑制姿勢を強めました。
その結果、中国人訪日客数は10~12月に 一時的に半減。
しかし回復は急速に進み、
・2012年通年:前年比 +36.6%
・2013年1月:回復基調へ
・2013年3月:前年並みに回復
最終的に2013年は通年で前年比 −8% に留まりました。
当時は団体旅行が約8割を占めていたため、抑制措置の影響が大きく出やすい市場構造でした。
それでも年間需要は底堅く回復しています。
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2012年1月~2013年8月の訪日中国人数推移
■ 3. 2025年の市場構造:個人旅行(FIT)主体への大転換
現在の訪日中国市場は、2010年代前半とは全く異なり、
FIT:90%以上
団体旅行:10%未満
という構造に変化しています。
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2012年と2025年の市場構造
そのため、旅行会社による一部の団体ツアー停止は、
市場全体に与える影響が小さいという特徴があります。
■ 4. 現状の政府・旅行会社の措置は “ソフト” な範囲に留まる
今回の政治摩擦に関して、日中両国ともに法的拘束力のあるハード措置は一切取っていません。
▼ 中国側の状況(注意喚起レベル)
11月14日:外務省が日本への渡航自粛を通達
11月16日:文化・観光省が日本旅行を控えるよう通達
いずれも「渡航禁止」ではなく、事実上の“注意喚起”に留まります。
▼ 日本側の状況
ビザ発給の制限:なし
入国規制:なし
※ビザ発給停止は日本側の措置であるものの、市場に大きな影響を与えるハード措置の有無を確認することは、安心材料として重要であるため、今回明記しています。
▼ 航空会社の対応
大手中国系航空会社は、
11月15日~12月31日出発の日本路線を対象に、
変更・払い戻しの無料対応を実施。
これは規制ではなく、“顧客対応としての柔軟措置”です。
■ 5.追加処置があった場合の影響度
今後考えられうる追加処置とその影響ですが、現時点では大きな懸念はないと見込んでいます。
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追加処置別想定影響度
■ 6. 総合評価(2025年11月19日時点)
現時点の市場への影響は限定的
FIT主体の市場構造と、双方のハード措置の不在から、訪日中国人客数の中期的な下押しは限定的と判断しています。
一方で短期的変動はあり得る
ニュース報道・SNS世論などの影響で、短期的(数週間~1か月)にはキャンセル・予約控えが発生し得る可能性はあるものの、過去の回復速度を踏まえると、緊張緩和後の回復は早いことが見込まれます。
今後について
【1】春節需要に向けた準備は継続すべき
根強い訪日意欲と市場基調から、現在準備を進めている受入態勢の整備は維持・継続しましょう。
【2】今後1か月が重要な注視期間
これから12月にかけての期間で追加措置があるかないかが市場の短期動向を左右します。
【総括】
現時点では、日中いずれもビザ停止や入国規制といったハード措置を発動しておらず、市場への影響は限定的です。
一部のキャンセルが見られても、中期的な訪日需要の基調は揺らいでいません。
企業・自治体においては、中国向けプロモーションの中断や受入態勢の縮小を判断する必要はなく、春節に向けた準備を継続・維持すべき局面と考えています。
【代表コメント】
株式会社BeA 代表取締役 武内 大
「中国との政治的な緊張が生じると、企業の皆さまから“訪日需要は止まるのか”というお問い合わせを多くいただきます。しかし、現状は過度に悲観する必要はありません。
現在の中国市場はFIT主体であり、需要の底堅さは過去とは比較にならないほど強いものです。
春節に向け、むしろ“準備の質”が問われる局面であると認識しています。」
プレスリリース提供:PR TIMES



記事提供:PRTimes