四日市市、「行政の情報ロス」をAIで解消:月12万件の市民対応を効率化
カラクリ株式会社

AIエージェント「GeN」で、課の統廃合に左右されない情報提供基盤を確立
カスタマーサポート向けAIエージェントを提供するカラクリ株式会社(東京都中央区:代表取締役CEO 小田志門、以下カラクリ)は、四日市市が当社の顧客対応AIエージェント「Generative Navigator」(以下、GeN)を導入したことを発表します。市は、月間約12万件、総通話時間5,200時間に及ぶ市民問い合わせの対応負荷軽減と、自治体特有の情報管理の課題解決を目指し、GeNの採用を決定しました。本導入により、年度ごとの組織改編に左右されず、職員の継続的なメンテナンス負荷を大幅に軽減する情報基盤が確立されます。24時間365日、市民の自己解決をサポートする高精度なデジタル顧客接点の提供を目指します。
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導入背景:自治体の組織的な課題と住民サービスの品質維持
四日市市が市民サービスのデジタル化を推進する背景には、主に以下の二つの課題があり、また市民サービスの利便性向上への強い思いがあります。
市民の多様な問い合わせニーズへの対応:市には、月間約12万件、総通話時間5,200時間にわたる多くの問い合わせが寄せられています。これらの問い合わせに、限られた時間の中で迅速かつ正確に対応し続けることは、行政としてのサービスの継続性と品質維持における大きな課題となっていました。特に、夜間や早朝といった電話窓口の営業時間外や、災害時・大規模な行政イベント時には、情報へのアクセスニーズが急増しており、「今すぐ知りたい」という市民の要望に応える新しい手段の提供が求められていました。
行政情報の正確性と最新性の維持:自治体では、年度ごとの組織改編(課の統廃合)が多く発生します。これに伴い、市民向けのFAQコンテンツや各種制度案内の継続的な更新・整備が難しくなるという構造的な課題があります。情報の更新が遅れると、市民の皆様に不正確な情報が届いてしまうリスクが生じるため、職員の手間を最小限に抑えつつ、常に最新で正確な情報を安定して提供できる基盤の確立が不可欠でした。
市は、単なる電話問い合わせ件数の削減に留まらず、市民の自己解決能力を高めることで、市民との新しい接点を創出することを目的として、AIエージェントの導入を検討しました。
導入の決め手:特許技術による「聞き返し」とメンテナンス負荷の軽減
GeNの導入を決定づけたのは、自治体特有の情報整備課題を解決し、市民に質の高い回答体験を提供する機能です。
特許技術による高い正答率: 市民が求めている答えにたどり着くために、カラクリの特許技術を用いた「聞き返し機能」を搭載しています。これにより、利用者側の質問が曖昧な場合でも、AIが的確な選択肢を提示して意図を絞り込むことで、正答率が飛躍的に向上します。
【住民税の納期限に関する具体例】
例えば、市民が「納期限」と検索した場合、GeNはすぐに回答を提示せず、「住民税の納期限ですか?」「固定資産税の納期限ですか?」など、関連性の高い選択肢を提示して聞き返すことで、市民が求める情報へ確実に誘導します。これにより、不正確な回答による市民の不信感を防ぐことが可能となります。
組織改編に強い情報基盤: GeNは、市民向けのホームページの最新情報を回答ソースとして利用します。これにより担当課がFAQコンテンツを個別に作成・更新する負荷を大幅に軽減できるとご評価いただきました。
GeNの活用方法と期待される効果
夜間や早朝など電話窓口の営業時間外でも、市民が知りたい情報に即座にアクセスできる手段を提供します。
GeNが一次対応を担うことで、職員が雑多な定型問い合わせに対応する時間を削減します。また、職員側にも「GeNが回答するために、ホームページの情報を常に最新かつ正確に保つ」という意識付けを促し、情報整備のサイクルを確立します。
簡単な問い合わせをGeNが担うことで、電話窓口の担当者は、DV相談や複雑な個人情報に関わる案件など、より丁寧な対応が必要な事案に注力できるようになり、窓口全体のサービス品質が向上します。
「Generative Navigator」サービス概要
「GeN」は、顧客対応の核となる「問題特定」のプロセスをAIで再現する技術で特許を取得した、国産の顧客対応AIエージェントです。顧客の発話意図を深く理解し、適切な回答に導くことを特徴としています。
特許取得の聞き返し機能: 従来の生成AIの課題であった「ハルシネーション(誤った回答)」を防ぐため、回答ではなく「質問」を生成する構造を採用。ユーザーの質問の意図を確認する聞き返し機能で、入力の質を高め、解決率を向上します。
運用コストの削減: 従来のチャットボットと異なり、AIの学習やシナリオ構築は一切不要で、運用負担を最小限に抑えます。
四日市市 担当者のコメント
市民の皆様には、電話窓口につながるのを待ったり、来庁したりといった手段以外に、ストレスなく自己解決できる手段を提供することが、私たちの使命だと考えています。AIエージェントが、定型的な問い合わせ対応から職員を解放し、結果として市民にとっても職員にとってもより良いサービス体験をもたらしてくれることを期待しています。
過去、チャットボット導入で直面したのは、組織改編によってFAQのメンテナンスが追いつかなくなるという自治体特有の課題でした。GeNの導入は、個別のFAQ整備という手間を減らしつつ、特許技術による高い精度で市民の自己解決をサポートするものです。これにより、市民に真に還元できる行政サービスを実現できると確信しています。
▶ 会社概要
カラクリは「FriendlyTechnology」というビジョンを掲げ、大規模言語モデル(LLM)のカスタマーサポートへの実用化を目指すAIスタートアップです。2018年からはトランスフォーマーモデルであるBERTの研究を開始し、2022年からはGPTを含む大規模言語モデルの研究に取り組んでいます。また当社のSaaS事業で提供するカスタマーサポート向けAIシリーズは、高島屋、SBI証券、セブン-イレブン・ジャパン、星野リゾートなど、各業界のトップ企業に選ばれ続けています。
【主な実績】
・2018年 ICCサミット「スタートアップ・カタパルト」入賞
・2020年 Google for Startups Accelerator2020に採択
・2022年 Google for Startups Growth Academy Tech 2022に採択
・2023年 AWS LLM開発支援プログラムに採択
・2024年 生成AI実用化推進プログラムに認定
・2024年 Meta社 完全招待制の生成AI開発者会議に参加
・2024年 経産省「GENIAC」に採択
住所 : 〒104-0045 東京都中央区築地2-7-3 Camel 築地 II
設立 : 2016年10月3日
代表者 : 代表取締役CEO 小田 志門
事業内容 : カスタマーサポート特化型AI「KARAKURI」シリーズの開発・提供・運営など
URL :
https://about.karakuri.ai/プレスリリース提供:PR TIMES

記事提供:PRTimes