神戸学院大学×一丸ファルコス株式会社 血管新生を促進するプロテオグリカン材料が、日本で特許権を取得しました
神戸学院大学

~培養液やゲル添加剤・再生医療分野などへの展開が期待されます~
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プロテオグリカン材料の血管新生促進作用
神戸学院大学大学院薬学研究科の水谷健一特命教授と化粧品・健康食品・医薬部外品の原料を研究開発、製造、販売、輸出入している一丸ファルコス株式会社(本社・岐阜県本巣市)との共同研究で「血管新生促進のためのユニット」を発明し、日本において、特許が登録されました(注1)。
再生医療分野や治療用デバイスなどへの展開が期待されます。
(注1)日本特許権番号:7763163(特許登録日:2025年10月23日)
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2022-514065/10/ja
【この特許権のポイント】
血管新生が盛んな発生期・発達期の脳組織は、コンドロイチン硫酸型プロテオグリカンの一種(アグリカン)が豊富な環境下にあることが、共同研究の成果として明らかになっています。この点に着目し、生体内を模倣できる環境を模索した結果、特定のゲル成分と、サケ鼻軟骨もしくはウシ鼻中隔の抽出・精製物からなる所定量のプロテオグリカン材料を培養液中に添加することで、顕著な血管新生促進作用を示すことを発見しました。
【共同研究の取り組み】
2022年度から2024年度まで、成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)の支援を受けて、再生医療等製品に応用できる新たな材料・リサーチツールを生み出すことを目的として、共同研究を推進してきました。本特許権の内容は、血管新生を促進する新たな手段を提供するもので、今後、培地・ゲル添加剤や再生医療等材料などへの製品化を進めていきます。
【用語の定義など】
・プロテオグリカン:コアタンパク質と呼ばれる1本のタンパク質に糖鎖グリコサミノグリカン(GAG)が数本から数十本結合した生体高分子であり、動物組織における細胞外マトリックス(細胞同士をつなぎとめたり、細胞に足場をつくったりする構造物)の重要な構成成分。プロテオグリカンは、細胞外で成長因子の貯留・放出を制御する機能などが報告されています。
参考文献:International Journal of Molecular Sciences 2021;22 (20):11169.
・血管新生:生体内で新たな血管のネットワークをつくる重要な形態形成現象の一つで、血管内皮細胞が他の細胞と協働して新しい血管の形成を促進する現象(出芽・伸長・分岐・管腔形成などを繰り返しながら、2次元・3次元の枝分かれ構造を有する血管に特徴的な形を作っていくこと)。血管新生促進を起こすための細胞は、体細胞としては、例えば、心筋細胞、内皮細胞(血管内皮細胞、リンパ管内皮細胞など)、壁細胞(周皮細胞など)、筋細胞(骨格筋細胞、平滑筋細胞など)、などが挙げられる。
引用(以下を改変して使用):日本血栓止血学会用語集
https://jsth.medical-words.jp/words/word-73/
・再生医療等材料:再生医療等製品に用いられる材料。再生医療等製品は、人又は動物の生きた細胞や組織を培養等の加工を施し作成されたもので、体の構造・機能の再建・修復・形成や疾病の治療・予防、遺伝子治療を目的として使用されます。
引用:再生医療ポータルサイト(日本再生医療学会)
https://saiseiiryo.jp/
【問い合わせ先一覧】
■研究内容についてのお問い合わせ:
神戸学院大学 大学院薬学研究科 特命教授 水谷健一
mizutani@pharm.kobegakuin.ac.jp
■研究内容以外のお問い合わせ:
神戸学院大学広報グループ
078-974-6084
■一丸ファルコス株式会社 開発部:
桝谷晃明(開発)、小池秀雄(知財法務)
infochizai@ichimaru.co.jp
<参考URL>
神戸学院大学 薬学研究科
薬学部オリジナルサイトプレスリリース提供:PR TIMES
記事提供:PRTimes