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【自然と生きていく】みなかみ「上ノ原 入会の森」が自然共生サイトに認定!

群馬県みなかみ町

【自然と生きていく】みなかみ「上ノ原 入会の森」が

認められた伝統的な草地管理と生物多様性との関係とは・・・


 群馬県みなかみ町藤原地区にある「上ノ原 入会の森」が自然共生サイト※1に認定されました。
 「上ノ原 入会の森」は、かつて薪炭林・茅場(ススキ草原)として地域の暮らしと密接に関わっていた土地。放置による森林化や草地の衰退が進む中、地元住民やボランティア団体「森林塾青水」などが連携して、再び草地を形成・維持し、ミズナラ林と茅場草地の共存する里山景観を再生してきました。
 このたび自然共生サイトに認定されたことは、地域の暮らし・文化・自然を総合的に未来へ継承していく「自然と人との共生」のモデルとして、国に認められたということです。さらに、草地・林・水源・景観・地域資源など複数の価値を内包する場として、地域・流域・都市をつなぐ重要な役割を担います。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/123774/20/123774-20-f670156e0dbab582eefbc0da1783adba-3900x2854.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
自然共生サイト認定報告を行った森林塾青水塾長 北山郁人さん(左)と、みなかみ町 阿部町長(右)

地域の力によって再生した「上ノ原 入会の森」

 古くより「上ノ原 入会の森」は「入会地」として、住民たちが共同で茅や薪炭を得るために森林や茅場を管理してきました。しかし、生活様式の変化に伴い、200haあった広大な上ノ原の茅場はその機能を失い、スキー場として開発されるなど、草原も減少していきました。
 そんな中、地元住民や森林塾青水が、茅場文化と自然の再生をテーマに活動し、伝統的な草地管理である「野焼き」を復活させるなど、現在21haの入会エリアには、昔ながらの風景が戻ってきました。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/123774/20/123774-20-58ebdcc515425eb6df02088fdd1c15e0-3000x2000.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
秋には一面に広がるススキ草原と紅葉を見ることができ、心癒される空間となる。

草地管理がもたらす生物多様性とは

 この地では草地管理の伝統を受け継ぎ、年間を通して草地を有効活用する営みが行われ、その一つ一つが生物多様性を育む環境づくりに大きく影響しています。茅場での一例をご紹介します。
人の手が加わることで豊かになる
 上ノ原茅場で毎年4月下旬に行われる野焼き。人為的に設けた防火帯に囲まれたエリアを焼く「防火帯方式」で実施されています。防火帯づくりは真夏から始まっており、炎天下の中ススキの地上部を刈り取り、生育を抑えています。また野焼き直前には、枯れススキを除去し可燃物を減らすなど、安全な野焼きのために万全な体制が整えられています。 
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/123774/20/123774-20-32857db44c13e40099959ad09330e16b-969x650.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
枯草に火をつけ、野焼きを行う。
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/123774/20/123774-20-91a7f114a2d6fa1d32f8acf84d990557-969x650.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
野焼きを終え、広がる末黒野。

 草原を維持するために必要不可欠な野焼きですが、森林化を防ぐ働きが生物多様性に大きく貢献しています。野焼きをすることで樹木はダメージを受けますが、地中の根茎や根は焼けず生き残ります。そして太陽の光が地表に届きやすくなり、植物の芽吹きや生長の助けになっています。そのままにしておくと樹木が入り込み、草原の明るい環境を好む動植物は生態系のバランスを崩してしまいますが、継続的な火入れを行うことで、現在では絶滅危惧種を含む多くの生物が生息しています。
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/123774/20/123774-20-507bf832f2b97e5a844a3c4bb3044099-626x425.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
カモシカ
[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/123774/20/123774-20-fcf410ad4bae89887cd7737ec140e8c1-626x425.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
ヒメシジミ
[画像7: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/123774/20/123774-20-1b3eceb5047940594605b0ba00dbccdf-626x425.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
オミナエシ

 また上ノ原の茅場では、毎年3,000~4,000束の茅を関東一円の文化財等の屋根材として供給しています。今後は、これまでの資源採取だけでなく、環境学習の場としての活用やリトリートなど、自然からの恩恵を受けながら、新しい形で活用していく気運が高まっています。
[画像8: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/123774/20/123774-20-8e48f4ed6c227cf6f10f2d7b236d0ee8-3900x2600.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
背丈より高いススキを昔ながらの技法で刈り取る。

[画像9: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/123774/20/123774-20-a1a111335790055a6b50c041dd44a019-800x534.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
豊かな自然に囲まれ、自分自身と向き合う時間を生み出す。
[画像10: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/123774/20/123774-20-bb37fc9d39d8cd1e51bc8e462185387a-800x534.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
日常から離れて、心と身体をリフレッシュさせる。

上ノ原、そしてみなかみの現在とこれから

 世界的な目標「ネイチャーポジティブ」※2「30by30」※3を実現するため、令和7年4月に「地域生物多様性増進法」が施行されました。日本のみならず世界の国々でも、自然を増やすアクションを起こしている中、今回「上ノ原 入会の森」が認定されたことは、様々な環境問題を抱えた我々が立ち返らないといけない原点ではないかと考えさせられます。一見、草地の状態を保つための継続的な作業と思われがちですが、これまでの知恵や経験を活かした「温故知新」スタイルは、世界に誇れるネイチャーポジティブな「先進的」取組だといえるはずです。

みなかみ町では他にも、みなかみユネスコエコパークの掲げる「人・水・森」をテーマに、以下のような自然と人が共生する持続可能なまちづくりに尽力しています。
[画像11: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/123774/20/123774-20-7b20d39395e0ddd50d6367b95117e6b5-1280x1297.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]

ネイチャーポジティブプロジェクト
赤谷プロジェクト
・広葉樹産業化プロジェクト
・自伐型林業の推進



 今後も関係各所と連携を図りながら「いまあるもの」を「まもり・いかし・ひろめる」取組を続けていきます。

※1 環境省では、令和5年度から「民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域」を「自然共生サイト」に認定してきました。ネイチャーポジティブに向けた民間等の活動を更に促進するため、令和7年4月から、自然共生サイトを法制化した新法・地域生物多様性増進法が施行され、今年度は環境大臣、農林水産大臣及び国土交通大臣による認定となりました。
※2自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させること。
※32030年までに、陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする目標。

【問い合わせ先】
みなかみ町役場 企画課 地域創生係
〒379-1393 群馬県みなかみ町後閑381番地
電話:0278-25-5032
みなかみ町HP:https://www.town.minakami.gunma.jp/

森林塾青水
塾長:北山 郁人
E-mail:info@seisui.org
森林塾青水公式サイト:http://commonf.net/wordpress/

プレスリリース提供:PR TIMES

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記事提供:PRTimes

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