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【セイスイ工業、2025年総括と2026年業界展望を発表】老朽化が進む下水道インフラとバックアップ体制の実態が問われる年に

セイスイ工業株式会社

【セイスイ工業、2025年総括と2026年業界展望を発表】

~更新期を迎えるインフラと「止めない」ための備えとは~


排水・汚泥処理の専門企業であるセイスイ工業株式会社(本社:千葉県千葉市若葉区、代表取締役:井本謙一)は、仮設水処理プラントのレンタル事業を通じて全国2,650件超の現場を支援してきた立場から、2025年の業界動向を総括するとともに、自治体職員を対象とした独自調査の結果を踏まえ、2026年の業界展望を発表いたしました。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/58301/41/58301-41-477cdd8031e4142ddceb019e1a52914f-740x420.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]



日本の下水道インフラの現状

日本の上下水道インフラは、高度経済成長期に一気に整備された結果、今後数十年のあいだに更新需要が集中することが予測されています。2023年3月時点で、下水道管路(約49万km)のうち耐用年数50年を超える管路は約4万km(約7%)。この割合は2030年には約16%、2040年には約34%に増える見込みです。水道管路(約74万km)についても同様に、耐用年数超過の管路は現在約9%ですが、2040年には約41%に達すると予測されています。

一方、現在の下水道管路の年間更新率は約0.6%、水道管路は約0.65%にとどまっており、このペースでは全管路の更新に100年以上かかる計算になります。老朽化の進行に更新が追いついていない構図が、全国で共通の課題になりつつあります。

老朽化に起因する事故も各地で発生しています。水道施設では、老朽管の破損などによる漏水・破裂事故が年間2万件を超えるとされ、下水道管の損傷による道路陥没事故も2022年度には全国で約2,600件に達しました。直径1mを超える大規模な陥没も全体の約2%を占めており、事故は「まれな例外」ではなく、統計上は日常的に起きている水準です。

国土交通省は「インフラ長寿命化計画」、厚生労働省は「新水道ビジョン」などを通じて、事後対応から予防保全への転換、ライフサイクル全体を見据えた維持管理の最適化、広域連携による経営基盤の強化などの方針を示しています。しかし、個別の自治体レベルでは財政的な制約や人材不足から、全ての設備を予防的に更新することは現実的ではありません。どこを優先的に更新し、どこはリスクを許容しつつ運用を続けるのか、判断が求められる局面に入っています。

2025年に発生した主な事故と対応事例

八潮市道路陥没事故
2025年1月に埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故は、老朽化インフラが生活に与える影響の大きさを示す象徴的な事例でした。地下深くに埋設された口径4.75mの流域下水道管が、硫化水素ガスによる腐食などにより損傷し、道路下に空洞が発生して路面が崩落。トラック運転手が犠牲となり、周辺9市3町・約120万人にトイレを含む下水道使用の自粛が要請されました。
仮設バイパス管の敷設だけでも3か月以上、本格復旧には5~7年を要する見込みとされており、1つの事故が広域の住民生活に長期的な影響を与え得ることが明らかになりました。

玄海町下水処理場での設備故障
同じく2025年1月、佐賀県玄海町の北部浄化センターでは設備故障により下水が水槽から溢れ、施設地下が水没する事案が発生しました。通常、このような事態ではバキューム車を24時間体制で運用する必要があり、作業員の負担やコストが大きな課題となります。
この現場では、仮設水処理プラントの導入により処理機能の早期回復が図られました。貯留タンクで下水を一時的に受け止め、前処理と生物処理を組み合わせることで、バキューム車の24時間運用を回避。海への放流が可能な水質を確保し、人的・金銭的負担を抑えながら約3週間で処理機能を回復させています。

これら2つの事例からは、老朽化した設備と突発的な障害、現場の人員・予算の制約が重なったとき、既存設備だけではリスクを十分に抑えきれない可能性があることが見えてきます。全ての設備を事故の前に更新することは難しい一方で、事故や災害が発生した際に処理機能を補うバックアップ手段をあらかじめ準備しておくことの重要性が改めて示されました。

独自調査から見たバックアップ体制の現状

セイスイ工業は2025年、全国の自治体で下水道業務に携わる職員を対象に、「下水道インフラ老朽化対策に関する実態調査」「災害・事故時の下水道バックアップ体制に関する実態調査」の2つのインターネット調査を実施しました。前者は下水道インフラの老朽化対策の進捗状況を、後者は災害や事故時のバックアップ体制の整備状況を把握することを目的とし、それぞれ約100名の自治体職員から回答を得ました。

高いリスク認識と整備の遅れ
今後の下水道インフラの事故リスクについて、「非常に高い」と答えた人が40.2%、「やや高い」が32.4%で、合計72.6%が「高い」と認識していました。
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※2025年版|下水道インフラ老朽化対策に関する実態調査

理由として「法定耐用年数(50年)を超えた下水道管が多い」(54.1%)、「老朽化による劣化箇所が増えている」(45.9%)、「バックアップ体制が十分でない」(33.8%)などが挙げられました。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/58301/41/58301-41-ffc3906cda6644f340e868507f2ffa3f-1920x1329.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
※2025年版|下水道インフラ老朽化対策に関する実態調査

また、大規模災害による下水処理施設停止のリスクについても、「非常に高いリスクとして認識している」が51.5%、「ある程度のリスクとして認識している」が33.0%で、合計84.5%が何らかのリスクを感じていると回答し、過去5年以内に災害や事故で機能停止・処理能力低下を経験した自治体は約半数に達しました。
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/58301/41/58301-41-90c4e0a41e3b1c04e3ed22099182cb2c-1999x1385.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
※災害・事故時の下水道バックアップ体制に関する実態調査
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/58301/41/58301-41-8797fc9527c33b2b71eda90cbe040ed8-1999x1385.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
※災害・事故時の下水道バックアップ体制に関する実態調査

一方、災害時の下水処理機能停止に備えた代替処理設備やバックアップ体制が「十分に整備されている」と答えたのは19.4%にとどまりました。
[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/58301/41/58301-41-8d48dc89293f5a5846ebc3756f5cb707-1980x1371.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
※災害・事故時の下水道バックアップ体制に関する実態調査

主な理由として「維持管理コストの負担」(46.8%)、「初期投資費用の高さ」(33.9%)、「予算確保の困難」(29.0%)などが挙げられています。

仮設水処理プラントへの期待

そのようななか、仮設水処理プラントの活用については高い関心が示されました。「災害時の下水処理機能停止に備える選択肢として有効だと思うか」という問いに、「非常にそう思う」が51.5%、「ややそう思う」が35.9%で、合計87.4%が肯定的に回答しました。
[画像7: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/58301/41/58301-41-59008b2286874c6b624d9f63e85ab2ef-1980x1371.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
※災害・事故時の下水道バックアップ体制に関する実態調査

期待されるポイントとして「短期間で設置・撤去できる」(55.6%)、「限られたスペースで設置できる」(54.4%)、「必要なときに迅速に調達できる」(48.9%)など、柔軟性への評価が挙げられました。
[画像8: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/58301/41/58301-41-0c9d3fe81fb04543261e2e106b633012-1980x1371.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
※災害・事故時の下水道バックアップ体制に関する実態調査

これらの結果から、多くの自治体がリスクの高さを認識しながらも、恒久設備だけでバックアップ体制を整備することには限界を感じている一方、仮設水処理プラントのような柔軟な選択肢には大きな期待を寄せていることが分かります。

2026年の業界展望|「止めない」ための備えが問われる年に

更新投資と現状維持のあいだの第三の方策
老朽化した下水道インフラへの対応として、自治体が取りうる選択肢は大きく3つあります。
- 設備を順次更新・改築し、老朽化した施設を計画的に入れ替える- 最低限の補修を行い、トラブル発生時にその都度対応する- 1と並行して、事故や災害時に備えたバックアップ体制を整える
1は理想的ですが財政的に難しい場合が多く、2は八潮市の事例のように事故発生時の影響が広域に及ぶリスクがあります。2026年以降、限られた予算と人員の中で現実的な選択肢として注目されるのが3の「バックアップ体制の整備」です。

仮設水処理の役割拡大
国や関連団体が示す防災計画やガイドラインでも、災害時の代替処理や広域連携の必要性が繰り返し指摘されています。仮設水処理プラントは、本設設備と同等レベルの処理性能を持ちながら、必要な期間だけ設置して運転し、役割を終えれば撤去できる仕組みです。更新工事中のバックアップ、事故・災害時の応急処理、処理能力の一時的な増強など、さまざまな場面での活用が広がると見込まれます。
2026年は、「すべてを更新することは難しくても、止めないための備えは設計できる」という考え方が、より多くの自治体で具体化される年になると考えられます。老朽化状況を踏まえたリスク診断、大規模管破損時や処理場機能停止時の初動フローの整備、仮設処理の標準プラン策定など、平時からの準備が進むことが期待されます。

セイスイ工業の取り組み
セイスイ工業は2025年9月、「日本のインフラ維持と持続可能な社会を支える仮設水処理市場拡大事業」が中小企業成長加速化補助金(1次公募)に採択されました。1,270件の申請のうち207件のみが採択される採択率約16.3%という競争の中で評価されたことは、仮設水処理市場の拡大が社会的に期待されていることの現れと考えています。

2026年は、仮設水処理プラントの処理能力拡大、機器ラインナップの強化、主要エリアへの機器配置を進め、業界全体の課題解決に貢献していきます。また、八潮市や玄海町での対応実績と調査知見を踏まえ、自治体向けのバックアップ体制支援メニューを整備し、「止めないための備え」の具体化を支援してまいります。

終わりに

老朽化の進行と更新の遅れ、災害・事故リスクの高まり、予算・人員不足という制約の中で、自治体がインフラを守り続けることは容易ではありません。しかし、2025年の事故事例や調査結果が示すように、リスク認識は確実に高まっており、バックアップ体制への関心も広がっています。
2026年は、更新投資だけでは埋めにくいギャップを補う「第三の方策」が、より具体的な形で動き出す年になることが期待されます。セイスイ工業は、インフラの裏側を支える一員として、業界全体の課題解決に貢献してまいります。

会社概要

会社名:セイスイ工業株式会社
設立:1974年12月 代表取締役:井本 謙一
所在地:千葉県千葉市若葉区上泉町424-18 ちばリサーチパーク内
事業内容:
- 排水、汚泥処理のプランニング- 排水、汚泥処理プラントのレンタル- デカンタ型遠心分離機のレンタル- 各種水処理機器のレンタル- 【NETIS】土木泥水再利用システム(震災対応)- 【NETIS】汚染土壌分級システム(震災対応)- 株式会社IHI ビジネスパートナー
URL:https://seisui-kk.com

プレスリリース提供:PR TIMES

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記事提供:PRTimes

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