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世界初!キリンと東京大学が、ヒトiPS細胞由来小腸オルガノイドを用いて細胞老化により栄養素吸収が低下することを確認

キリンホールディングス株式会社

世界初!キリンと東京大学が、ヒトiPS細胞由来小腸オ


 キリンホールディングス株式会社(社長 COO 南方健志、以下キリン)と東京大学大学院農学生命科学研究科(総長 藤井輝夫、以下東京大学)は、ヒトiPS細胞由来小腸オルガノイド※1を用いた細胞老化モデル※2において、老化した小腸上皮細胞で栄養素吸収が低下することを世界で初めて※3確認しました。さらにそのメカニズムとして、細胞の性質が変化する上皮間葉転換(Epithelial to Mesenchymal Transition、以下EMT)という現象が関わっていることを発見しました。当研究成果は、2025年12月3日(水)~5日(金)に横浜で開催された「第48回日本分子生物学会年会」で発表しました。
 超高齢社会を背景に、老化に関する研究の重要性は高まっています。老化に関連する健康課題の一つである「腸の老化」は、高齢者において栄養素吸収の低下を引き起こし、フレイルをはじめとした全身の健康課題につながると考えられていますが、ヒトでの評価が難しいことから基礎研究や解明が進んでいませんでした。キリンと東京大学はこの「腸の老化」に着目し、老化した細胞における生体現象の解明を目的とした共同研究を進めてきました。
 本研究の成果となる、老化による小腸上皮の栄養素吸収低下の確認とメカニズムの解明は、「腸の老化」現象のさらなる理解と、「腸の老化」を抑制する機能性素材の開発につながる意義あるものと考えます。

※1 オルガノイドとは臓器・組織を模倣した3次元構造体であり「人工臓器」とも呼ばれている
※2 2025年にキリンと東京大学の共同研究で開発した老化の特徴を再現したモデル
(参考:世界初!キリンと東京大学が、ヒトiPS細胞由来小腸オルガノイドを用いた老化抑制素材の有効性確認に成功 | 2025年 | KIRIN - キリンホールディングス株式会社
※3 PubMed、医中誌WEBに掲載された原著論文に基づく(2025年11月26日(水)調査実施 ナレッジワイヤ調べ)


■研究成果(概要)
1. ヒト小腸オルガノイドの細胞老化を誘導したところ、糖やアミノ酸の取り込みに関与する遺伝子発現量の減少が確認され、細胞老化による栄養素吸収低下が示唆されました(図1)。
2. EMTを誘導する遺伝子や、間葉系細胞のマーカー遺伝子の発現量が増加することが確認され、細胞老化によるEMTの誘導が示唆されました(図2)。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/73077/1391/73077-1391-e5321b3a82458f3b93c4a400914004ce-1691x863.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図1. 細胞老化による栄養素吸収関連遺伝子発現の減少
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/73077/1391/73077-1391-7bd9c3a3d0719f02aee95a435383b4c7-1631x874.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図2. 細胞老化によるEMT関連遺伝子発現の増加

■得られた示唆
 細胞老化により小腸上皮細胞での栄養素吸収機能が低下することを確認し、さらにそのメカニズムとして、EMTにより小腸上皮細胞としての機能を失ったことが原因である可能性が示唆されました。

■今後の展望
 老化による腸の機能低下のメカニズム解明を通じて、人生100年時代を支える土台ともいえる腸の健康維持につながる新しい機能性素材の開発を目指します。

 キリングループは自然と人を見つめるものづくりで、「食と健康」の新たなよろこびを広げ、心豊かな社会に貢献します。


【参考資料】細胞老化モデルヒト小腸オルガノイドにおける栄養素吸収低下に関する研究成果
■背景・目的
腸の老化は全身の老化と関連し、特に栄養素吸収の低下は高齢者の栄養失調やフレイルにつながると考えられています。しかし、高齢者の腸の直接的な評価が困難であることから、詳細なメカニズム解明や予防法確立は不十分なままでした。これまでに私たちは、ヒト小腸オルガノイドを用いた細胞老化モデルの構築に成功しています。さらに本研究では、本モデルを用いた老化による栄養素吸収低下の再現と、そのメカニズム解明を目的としました。

■研究方法
単層培養したヒト小腸オルガノイドに、老化誘導剤として抗がん剤の一種であるシスプラチンを処理し、細胞老化を誘導しました。糖やアミノ酸などの栄養素吸収に関わる遺伝子発現量、ならびにEMTに関わる遺伝子発現量を定量的PCR法により評価しました。また、放射線同位体により標識された糖を用いて、糖吸収量への影響を評価しました。

■結果
 正常なヒト小腸オルガノイドと、細胞老化モデルヒト小腸オルガノイドにおいて、栄養素吸収に関わる遺伝子発現量を比較しました。細胞老化の誘導により、糖の吸収に関わる遺伝子であるSLC5A1、アミノ酸の吸収に関わる遺伝子であるSLC16A10の発現量が減少していることが明らかになりました。さらに、細胞老化モデルにおいて、細胞内への糖吸収量が減少していることが明らかになりました(図1)。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/73077/1391/73077-1391-a5fde980cb3836592a4c9ae7e388bca2-2000x730.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
 図1. 細胞老化モデルヒト小腸オルガノイドにおける栄養素吸収関連遺伝子発現および糖吸収量の減少


続いて栄養素吸収低下のメカニズムを探索したところ、EMTの誘導に関与する遺伝子であるTGFB1、および間葉系細胞のマーカー遺伝子であるACTA2やCDH2の発現量が増加していることが明らかになりました(図2)。
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/73077/1391/73077-1391-cef4297e58774bc40d1ecd8fb44224aa-1999x757.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図2. 細胞老化モデルヒト小腸オルガノイドにおけるEMTマーカー発現の増加


■研究成果
 本研究により、細胞老化モデルヒト小腸オルガノイドにおいて栄養素吸収が低下すること、ならびにEMTが誘導されることが明らかになり、EMTにより栄養素吸収などの小腸機能が失われる可能性が示されました。今後、栄養素吸収改善やEMT抑制を標的とした、腸の老化を予防する機能性素材の開発が期待されます。

■上皮間葉転換(EMT)とは
 皮膚や腸などで体の表面を覆っている「上皮細胞」が、その性質を失い、体の内部で働く「間葉系細胞」のような性質を獲得する現象です。この変化によって、上皮細胞が持っていたバリア機能(外からの異物を防ぐ働き)が弱まり、代わりに、コラーゲンなどの細胞外マトリクスの分泌や浸潤性など、間葉系細胞の特徴が現れます。この現象は、皮膚が傷ついたときの修復過程などで重要な役割を果たします。一方で、EMTが過剰に進むと、組織の線維化や、がん細胞の浸潤・転移が進むといわれており、疾患との関係も指摘されています。

プレスリリース提供:PR TIMES

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記事提供:PRTimes

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