外国人への空き家売却に“NO”--アンケート調査で「反対」が多数派に
Webguru合同会社
全国的な人口減少や高齢化、大都市への“一極集中”の加速に伴い深刻化している「空き家問題」。外国人による日本の空き家購入が国内でどのように受け止められているのか、アンケートによる意識調査を実施しました。
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全国1,000名を対象に実施したアンケート調査から、空き家を外国人が購入することに対して、日本の多くの人々が幅広い懸念を抱いていることが明らかになりました。日本の物件を海外の人に販売するための仲介サービスが増えるなか、「投機目的で放置されるのではないか」「適切に管理されず地域の治安や景観が悪化するのではないか」といった声が多く寄せられ、また、「生活習慣や地域に根付いたルール・マナーの違いから、地域コミュニティの調和が損なわれるのではないか」と懸念する意見も。”空き家が外国人の手に渡る”という状況そのものに対する、国民のさまざまな不安がうかがえます。
安全面に関する不安の声も多く見られ、「外国人所有の空き家がトラブルの原因になるのではないか」「人口減少で脆弱になっている地方コミュニティがさらに不安定化するのではないか」と心配する人は少なくないようです。その背景には、実務的な問題だけでなく、”先祖代々の土地や家を外国人に託すことへの抵抗感”といった情緒的な側面も見られます。
空き家は多くの人にとって、家族の歴史や地域文化と結びついた存在であり、外国人の所有に対して拒絶感をもつ傾向が見られます。
こうした結果から、日本社会には外国人による空き家取得に対して慎重な姿勢が根強く存在していることが分かります。個々の物件管理への不安だけでなく、地域の安定や文化的なつながりを守りたいという意識が、世論を大きく形づくっているのでしょう。
主な調査結果
- 外国人による空き家の取得は「日本にとってマイナス」と考える人が多数 回答者の4割以上が外国人所有に否定的で、メリットがあると答えた人はごく少数でした。土地や地域文化を守りたいという意識の強さがうかがえます。- 空き家を外国人に売ることへの拒否感が非常に強い約半数の人が「どんな状況でも外国人には売らない」と答えており、これは今回の調査で特に強く表れた保守的な意見の一つです。- 主要な懸念は「投機・放置・治安」 外国人購入者が物件を放置したり不適切に扱うことで、地域の衰退を加速させるのではないか、または資産の海外流出や地域のコントロール低下につながるのではないかと懸念する声が多く見られました。- 「長期在留外国人」でも慎重姿勢は変わらない 条件次第で検討するという人が一定数いる一方、完全に拒否する層も依然として多く、在留年数よりも国籍を重視する傾向が見られます。- 外国人による空き家取得に対する規制強化を望む声が多数 8割以上が自治体による規制強化を支持しており、地域の土地やコミュニティを守るための仕組みを求める意識が強く表れています。
調査結果
Q1 あなた自身が手放したい空き家を持っているとしたら、外国人への売却を検討しますか？
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回答では、「検討もしたくない」とする層が最も多く、43.6％に達しました。一方で「日本人を優先する」が30.7％、「わからない」が20.2％、「ぜひ検討したい」が5.5％という結果でした。全体として、明確な拒否が最多であり、前向きな受け入れよりも”条件付きの慎重姿勢”が主流であることが分かります。
Q2 外国人による空き家の所有は、日本にとって良いことだと思いますか？悪いことだと思いますか？
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回答では、「外国人による空き家所有は日本にとって良くない」と考える人が最も多く42.9％を占めました。一方、「どちらとも言えない」が33.7％、「良い」と評価する人は7.5％にとどまり、「わからない」が15.9％という結果でした。全体として、否定的または判断を保留する意見が大半を占めていることが分かります。
Q3 空き家の外国人所有について、自治体がより厳しく規制すべきだと思いますか？
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回答では、「より厳しい規制が必要」（43％）、「ある程度の規制強化が必要」（41％）が圧倒的多数を占めました。一方で「現行の規制で十分」は6％、「規制は不要」は3％にとどまり、「わからない」は7％という結果でした。全体として、外国人による空き家取得に対して、自治体による規制を強化すべきだと考える意識が明確に表れています。
Q4 なぜ外国人に空き家を売却したくないのか、その理由を教えてください。（自由回答）
1回目のアンケートで「外国人への空き家の売却を検討したくない」と回答した人に、外国人に空き家を売却したくない理由を尋ねました。その回答の一部を以下に抜粋します。
「思い入れがある土地なので、外国ルールで雑に扱われそうなイメージがあるから」
「文化の違いやいろいろトラブルがありそうなので」
「民泊などにするのは良いが 外国人はマナーが悪い その地域に対して影響があるから」
「外国人問題が日本にかなり悪い影響をおよぼしているから」
この設問では、回答者のおよそ3分の2が、何らかの形で反対や懸念を示しており、外国人への空き家売却に対する態度が圧倒的に否定的であることが明確に読み取れました。
まとめ
日本の空き家問題は経済的な側面から語られることが多いものの、今回の調査結果は、それだけでは捉えきれない深い背景が存在することを示しています。多くの人にとって空き家は単なる未利用資産ではなく、家族の歴史や地域のアイデンティティ、そして長い年月を経て受け継がれてきた土地の姿そのものを象徴する存在です。こうした情緒的な重みが、外国人による所有が敏感なテーマである理由の一つだといえます。
地方の人口減少が進み、小さな地域社会が生き残りに苦戦するなかでも、外国人による空き家購入を解決策として捉える人は多くありませんでした。投機・放置への懸念、安全保障面での不安、地域文化の希薄化といった声が強く、外部からの所有が地域に与える影響を慎重に考える姿勢が際立ちます。
本調査から浮かび上がるのは、「活性化は必要だが、その担い手は地域の内側であるべきだ」という意識です。地域に合ったインフラ整備、行政の支援、そして日本の家庭が古い住宅を受け継ぎ、改修し、維持できる政策を求める声が多く見られました。また、地方コミュニティが文化や習慣を保ちながら発展していくことを望む意識も根強いことが分かります。
空き家対策が全国的な課題として注目を集めるなか、今回の調査結果は、地域の景観やコミュニティを未来に受け継ぐためには、活性化と文化的配慮の両立、そして行政の支援や規制の強化が求められることを示しています。
調査方法
本調査は、日本人の空き家の外国人売却に対する意識を把握することを目的に、2025年に セルフ型アンケートツール「Freeasy 」を通じて 2 回実施しました。
1回目の調査は 2025年9月5日に実施し、全国20～99歳の1,000名を対象としました。回答者は年齢、性別、職業、収入、住居形態など、幅広い属性から構成されています。
2回目の調査は 2025年10月9日に実施し、1回目の調査で「空き家を外国人に売ることに反対」と回答した100名を対象に行いました。
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- ウェブサイト内の元記事URL（
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本共同プロジェクトについて
本記事は、Webguru と
So Communications による共同リサーチおよび編集協力のもと制作されたものです。データ分析を強みとする Webguru と So Communications が協働し、調査設計から分析、記事制作に至るまで連携し、外国人による空き家所有に対する日本人の意識に関して全国的な意識調査を行いました。
プレスリリース提供：PR TIMES
記事提供：PRTimes
