維持管理性・高耐久性・短工期に優れた橋梁補強「DiFi工法(TM)」静岡県伊東市・国道135号 渚橋にて全国初の試験施工を実施
オリエンタル白石株式会社

FRPプレートを使用したシンプルな工法で床版の高耐久化を目指す
オリエンタル白石株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長:大野 達也、以下「オリエンタル白石」)は、2025年12月5日から17日にかけて、国道135号 渚橋(静岡県伊東市)において、FRPプレート(注1)によるPC(プレストレストコンクリート)T桁間詰め部(注2)の補強工法である「DiFi工法(TM)」の試験施工を行いました。なお、この技術を実際の橋梁へ施工するのは全国初となります。
今後はこの補修技術を活用しPCT桁床版間詰め部の脱落対策を主眼に実用拡大を目指していきます。
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FRPプレート埋め込み作業
現在、日本国内に存在する道路橋、トンネル、河川、下水道、港湾等のインフラは高度経済成長期に集中的に整備されたものが多く、今後一斉に老朽化することが懸念されています。国土交通省が発表(注3)している通り、道路橋については2030年3月時点で建設後50年経過した施設の割合が約54%と半数を超える状況となるなど、インフラの補修や補強について需要が高まることが予想されます。
そのような状況の中、オリエンタル白石と日鉄ケミカル&マテリアル株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:右田 彰雄、以下「日鉄ケミカル&マテリアル」)は、簡易かつ効果的な補強工法である「DiFi工法(TM)」を開発し、その施工効果を評価するため、国道135号渚橋にて試験施工を行いました。
DiFi工法(TM)とは、オリエンタル白石と日鉄ケミカル&マテリアルが共同で開発した橋梁の床版間詰め部の補強工法です。間詰め部とPCT桁床版を横断する形で橋軸直角方向に溝を形成し、溝内にエポキシ樹脂を充填、厚さ1.2mmのFPRプレートを鉛直方向に差し込むことで、間詰め部とPCT桁床版の補強を行うことを可能にしています。
現在、橋梁の床版間詰め部に対する補強工法として「鋼板接着工法」「FRPシート接着工法」「アンダーデッキパネル工法」などが一般的に使用されています。これらの工法では、既設部材の維持管理性、補修後の漏水によって再劣化することの懸念、施工時の簡易性の観点で課題が存在していました。それに対し、今回開発した「DiFi工法(TM)」は、既設面の開放による維持管理性、非腐食材料かつ漏水が滞水しない構造による高い耐久性、重機不要でスピーディーな施工といった特長を備えています。DiFi工法(TM)を使用することで、床版間詰め部の耐久性や維持管理性を損なうことなく補強を行うことができます。また、大規模な道路規制や大掛かりな足場が不要となるため、補修補強計画の迅速かつ簡潔な立案・実行に寄与することが期待できます。
【DiFi工法(TM)の特長】
- 簡易な施工方法で工期が短い
重機を必要とせず、施工全体も簡潔なもので構成されるため、施工難易度が比較的低く、短い工期で施工できる。
- 複雑な床版形状に対応できる
補強を行う対象の形状に合わせて、補強材を制作する必要がない。
- 高耐久性(腐食、疲労、アルカリ)
補強材が非腐食材料で構成されるため腐食する懸念がなく沿岸地域などでも施工可能。
- 施工後に既設部材の目視観察が可能
一定間隔で溝を形成するため、既設部材の目視観察が継続して可能である。また、床版上面からの漏水が滞水せず、補強材の機能低下を抑制できる。
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DiFi工法(TM) 略図
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DiFi工法(TM) 模式図
今回の試験施工では、国道135号渚橋に対して、施工前の計測、溝の形成、エポキシ樹脂の充填、FRPプレートの差し込みというDiFi工法(TM)の一連の施工に加え、モニタリング機器の設置による構造性能の経時評価を行います。
試験施工を通して、実際の橋梁への施工が可能であることの確認、また、適用後の性能評価を継続して数値的に確認します。
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断面修復後
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樹脂・FRPプレート施工後
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表面上塗り施工後
オリエンタル白石は、本試験施工で得られた知見をもとに、DiFi工法(TM)の実用拡大に向けて取組みを進めて参ります。今後は、補修補強を含め、インフラの整備に係る研究開発を進め、持続可能な社会インフラ整備に貢献していきます。
(注1) FRPプレート(Fiber Reinforced Plasticsプレート):繊維強化プラスチックプレート
(注2) 間詰め部:部材同士の間にできる空間を埋めるために打設されたコンクリート
(注3) 国土交通省「社会資本の老朽化の現状と将来」(https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/maintenance/02research/02_01.html)より
プレスリリース提供:PR TIMES





記事提供:PRTimes