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【国立映画アーカイブ】上映企画「アンソロジー・フィルムアーカイブス――アメリカ実験映画の地平へ」開催のお知らせ

文化庁

【国立映画アーカイブ】上映企画「アンソロジー・フィ


知られざる映画たちがニューヨークからやってくる――自由でラディカルな実験映画の作品群が一堂に会する特集企画!

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上映会チラシ

 国立映画アーカイブは、2026年1月15日より、アンソロジー・フィルムアーカイブス(以下アンソロジー)との共催企画「アンソロジー・フィルムアーカイブス――アメリカ実験映画の地平へ」を開催します。
 本企画では、アンソロジーの復元によって蘇った珠玉の作品群だけでなく、アンソロジーで展開されている映画の形式や概念を批評的に問い直す先鋭的なプログラムを中心に、アメリカ実験映画、個人映画、インディペンデント映画115本(23プログラム)を上映します。多くは日本では未上映または上映機会の少ない作品です。アンソロジー等が所蔵する貴重なフィルムでの上映を通じて、映像表現の可能性を模索しつづけたアメリカ実験映画のめくるめく豊穣な世界を体験できるまたとない機会となるでしょう。

アンソロジー・フィルムアーカイブス(Anthology Film Archives)について

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アンソロジー外観
 アンソロジー・フィルムアーカイブスは、映像作家たちが中心となって設立したインディペンデントな組織として、“周縁の豊かさこそ文化を活気づける”という強い信念のもと、映画史において見落とされがちな個人映画や実験的な映像作品を軸に保存・研究・上映を行う、世界的に見ても非常にユニークなフィルムアーカイブです。



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「エッセンシャル・シネマ」選考委員たち
 第二次世界大戦後の米国では、16mmカメラの普及やスーパー8、シングル8などの登場を受けて個人や小規模のインディペンデントによる独自の実験的試みが繰り広げられ、特に1960年代のニューヨークでは、映像作家、詩人、音楽家、美術家など分野を越えた交流が活発化、フリージャズ、ポップアートなどの様々な文化的潮流と共鳴しながら、アンダーグラウンド映画のムーブメントが形成されました。そして1970年、映画芸術の伝道師として、今や伝説的な存在ですらある詩人・映像作家のジョナス・メカスをはじめ、ジェローム・ヒル、P・アダムス・シトニー、ペーター・クーベルカ、スタン・ブラッケージによってアンソロジーは創設されました。




見どころ

▲既成概念を覆すラディカルな作品群
 1960年代アンダーグラウンド映画の若き才能として注目されたロン・ライスやデイヴィッド・ブルックス、ジョナサン・デミやポール・トーマス・アンダーソンが敬愛する反体制的なインディペンデント映画の伝説的監督ロバート・ダウニー・シニア、キャンプな低予算映画を次々と発表しジョン・ウォーターズやケリー・ライカートに影響を与えたクッチャー兄弟、サイケデリック時代に先駆けた異才ハリー・スミス、そしてジョナス・メカスをはじめとするアンソロジーの創設者たち……。米国の実験映画、個人映画、インディペンデント映画の歴史に偉大な足跡を刻む作家たちの作品が一堂に会します。
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『花泥棒』
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『パリのD・Hへの手紙』
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『裸のまま抱きしめて』(C) Kuchar Brothers Trust
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『ナンバー11:ミラー・アニメーション』

▲復元によって蘇った女性映像作家の作品群
 ジョナス・メカスの作風にも多大な影響を与えた、ニューヨークアンダーグラウンドの重要人物であるマリー・メンケン、そして映画評論家J・ホバーマンが「アヴァンギャルドの中で最も非利己的なチャンピオン」と称したマージョリー・ケラー。これまで上映の機会が限られていた二人の短篇群を、アンソロジーの復元によって蘇った16mmフィルムをもって紹介します。また、リジー・ボーデンの2作品――ニューヨークのフェミニスト・コレクティブを考察した初長篇作品『リグルーピング』(1976)と現在ではフェミニスト映画の古典とも称される近未来SF作品『ボーン・イン・フレイムズ』(1983)――を上映します。
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『ライツ』
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『6つの窓』
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『リグルーピング』
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『ボーン・イン・フレイムズ』

▲アンソロジー・フィルムアーカイブスのキュレーションプログラム
 1970年の設立以来、アンソロジーの活動の重要な位置を占める上映プログラム。そのうち、ニューヨークで話題を呼んだ5つのプログラムより厳選した作品群を紹介します。映画の構成要素に対する従来の概念を問い直す「イメージレス・フィルムズ」と「モーション(レス)・フィルムズ」、ドキュメンタリー映画制作における倫理的側面を問う「ドキュメンタリー・フィードバック」とその関連プログラムである「オーディオビジュアル・フィードバック」。2025年11月からアンソロジーで開催された「アヴァンギャルド広告」では、”商業的”目的で制作された広告映像、そして依頼主から却下されるほどアヴァンギャルドなCMも含み、“非商業的”と呼称してきた映像作家とその作品の再定義を促します。
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『SPACY』
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『シンバイオサイコタクシプラズム:テイク・ワン』
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『デュエット』
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『燃え上がる愛』


トークイベント

 アンソロジーからアーキビストのジョン・クラックスマン氏とプログラマーのジェド・ラプフォーゲル氏を迎えた講演だけでなく、国内の識者による講演やトークも多数開催します。
- 『時を数えて、砂漠に立つ』上映後講演1月17日(土)12:00の回 登壇者:一之瀬ちひろ氏(写真家・研究者)- 『トム、トム、笛吹きの息子』上映後講演1月18日(日)12:00の回 登壇者:西嶋憲生氏(映像研究者)- 「抽象アニメーション作品集」上映後講演1月24日(土)13:00の回 登壇者:山村浩二氏(東京藝術大学教授、アニメーション作家)- 「モーション(レス)・ピクチャーズ」上映後トーク1月24日(土)19:00の回 登壇者:伊藤高志氏(映像作家)、山下宏洋氏(イメージフォーラム・フェスティバル ディレクター)- 「アンソロジー・フィルムアーカイブスの創設者たち」上映後解説1月28日(水)19:00の回 登壇者:当館研究員- 「ロン・ライス作品集(2)」上映後講演(逐次通訳付き)1月31日(土)13:00の回 登壇者:ジョン・クラックスマン氏(アンソロジー・フィルムアーカイブス アーキビスト)- 「アヴァンギャルド広告」上映後講演(逐次通訳付き)2月1日(日)13:00の回 登壇者:ジェド・ラプフォーゲル氏(アンソロジー・フィルムアーカイブス キュレーター)- 『リグルーピング』上映後オンライントーク(逐次通訳付き)2月7日(土)12:00の回 登壇者:リジー・ボーデン氏(監督)

上映作品(23プログラム、計115作品)

- ロン・ライス作品集(1)花泥棒(1960)/テイラー・ミードの演技クラス(1960)/チャールズ・シアターでのロン・ライス(1962)- ロン・ライス作品集(2)チュムラム(1964)/無感覚(1962)/チュムラム アウトテイク(1964)/メキシコにおける未完のフッテージ(1964)- ふたたび男が(1963)- 構造映画作品集波長(1967)/スプロケットの穴やエッジレターや汚い粒子などのある映画(1966)/S:TREAM:S:S:ECTION:S:ECTION:S:S:ECTIONED(1971)- 詩篇23枝篇(1966-67)- デイヴィッド・ブルックス作品集ジェリー(1963)/夜の泉・昼の星(1964)/ローランド・カーク(1964)/冬 64-66(1964-66)/パリのD・Hへの手紙(1967)/イール・クリーク(1967)- トム、トム、笛吹きの息子(1969)- クイック・ビリー(1970)/クイック・ビリー:6つのロール(1968-69)- グリーサーズ・パレス(1972)- 抽象アニメーション作品集フィルム・エクササイズ1(1943)/魅惑(1961)/ラピス(1966)/神を逆さに綴ると犬(1967)/オプチカル・ポエム(1938)/ポルカ・ゲラフ(1947)/呼吸(1963)/デュオ・コンチェルタンテ(1962-64)/フランク・フィルム(1973)- リグルーピング(1976)- クッチャー兄弟作品集裸のまま抱きしめて(1966)/フレッシュアポイドの罪(1965)/私、女優(1977)- ハリー・スミス作品集ナンバー11:ミラー・アニメーション(1957)/ナンバー15(1965-66)/ナンバー14:レイト・スーパーインポジション(1964)/ナンバー19(1978)- マリー・メンケン/マージョリー・ケラー作品集急いで!急いで!(1957)/ドワイティアーナ(1957)/庭の印象(1957)/アラベスク(1961)/ムーンプレイ(1964)/ドリップス・イン・ストリップス(1962-64)/ライツ(1964-65)/アンディ・ウォーホル(1965)/シ/ヴァ(1973)/6つの窓(1979)/アウター・サークル(1973)/カオスの娘たち(1980)/フィルム・ノートブック:1969-76, 私たちの一部は機械時代にいる(1977)- ボーン・イン・フレイムズ(1983)- アンソロジー・フィルムアーカイブスの創設者たちカシス(1966)/サーカス・ノート(1966)/窓・水・赤ん坊・動き(1959)/ワンダー・リング(1955)/猫のゆりかご(1959)/蛾の光(1963)/ルーニー・トム、幸福な恋人たち(1951)/落下の世界(1983)/アルヌルフ・ライナー(1960)- 時を数えて、砂漠に立つ(1985)- ストム・ソゴー作品集ペリオディカル・エフェクト(2001)/シルバー・プレイ(2002)/ゆるやかな死(2000)/追伸 死んでしまうと思った瞬間(2003)/TRI(2004)/リピート(2006)- 「イメージレス・フィルムズ」シリーズよりプロジェクション・インストラクションズ(1976)/スペシャル・エフェクツ(1972)/カラー・シークエンス(1943)/白(1968)/ワード・ムービー(フルクサス・フィルム No.29)(1966)/Evil.27: セルマ(2011)/テレビジョン・デリバーズ・ピープル(1973)/ウィークエンド(1928)/モナ・リザと微笑み(1964)- 「モーション(レス)・ピクチャーズ」シリーズよりエンジェル・ビーチ(2001)/パサディナ・フリーウェイ・スティルズ(1974)/SPACY(1981)/資本主義:奴隷制(2006)/アンダースキャン(1974)/ノスタルジア(1971)- 「ドキュメンタリー・フィードバック」シリーズよりシンバイオサイコタクシプラズム:テイク・ワン(1968)- 「オーディオビジュアル・フィードバック」シリーズよりミラー(1969)/ダブル・ミラー・ビデオ(1971)/レフトサイド・ライトサイド(1972)/デュエット(1972)/ミラーリング(1975)/鏡張りの理由(1979)/パフォーマー/観客/鏡(1975)- 「アヴァンギャルド広告選」シリーズより勝者(1921)/奇跡(1922)/侯爵夫人の秘密(1922)/舟歌(1924)/キーフォ・フィルム(1925)/上昇(1926)/2ペンスの魔法(1929)/カレイドスコープ(1935)/ロボットの誕生(1935)/トレード・タトゥー(1937)/カラー・フライト(1938)/泡の戯れ(1937)/宇宙の響き(1935)/秋の歌(1937)/ハイウェイが歌う(1937)/燃え上がる愛(1939)/光(1942)/クロニクル(1955)/輪(1933-34)/ムラッティ(1935)/マンツTVコマーシャル(1953)/アデバー(1957)/シュベカター(1958)

巡回情報(※一部作品のみ)

福岡:2026年2月5日(木)-2月22日(日)@福岡市総合図書館 映像ホール・シネラ
京都:2026年2月~3月 予定 @京都文化博物館フィルムシアター
*詳細は今後随時更新予定。各機関のHPをご確認ください。

開催概要

企画名:アンソロジー・フィルムアーカイブス――アメリカ実験映画の地平へ
(英語タイトル:Anthology Film Archives: Surveying American Experimental Cinema)
会期:2026年1月15日(木)-2月8日(日) ※月曜休館
会場:国立映画アーカイブ 長瀬記念ホール OZU[2階]
HP:https://www.nfaj.go.jp/film-program/anthology202601/
主催:国立映画アーカイブ、アンソロジー・フィルムアーカイブス
問合せ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
チケット:一般1300円、65歳以上1100円、高校・大学生700円、小・中学生・障碍者手帳をお持ちの方(付添者は原則1名まで)・国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズ500円

プレスリリース提供:PR TIMES

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記事提供:PRTimes

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