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2025年秋アニメ68作品をデータ検証!秋アニメ最大のダークホースは『羅小黒戦記』──8週目で400%成長した理由とは?「2025年秋アニメの注目度分析レポート」

株式会社ブシロード

2025年秋アニメ68作品をデータ検証!秋アニメ最大のダ


株式会社ブシロード (本社:東京都中野区、代表取締役社長:木谷高明)のグループ分析組織にあたるアニメデータインサイトラボ(代表:大貫佑介)は、アニメビジネスにおける調査を実施しました。今回は、2025年秋クールのアニメ作品を対象に、トレンド指数(Google検索量)とファン指数(X投稿量)の両面からアニメの注目度推移を検証・分析していきます。報道関係の皆様におかれましては、ぜひ本情報をお取り扱いいただきますよう、お願い申し上げます。

[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/14827/9179/14827-9179-e791038ef165a399dff0532c2c500ce7-3577x2074.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


はじめに
2025年秋アニメの放送開始から8週間が経過した。前回の初速レポート(3週目時点)では、『キングダム』や『僕のヒーローアカデミア』といった大型続編の圧倒的な初速が浮き彫りになった。初週のトレンドスコアTOP5はすべて続編が占め、続編は新作の約4.3倍の初速を記録していた。また、『野原ひろし 昼メシの流儀』は3週目にOPの「領域展開風」演出がバズを起こし、爆発的な伸びを見せた。

では、あれから5週間。初速で注目を集めた作品は、その勢いを維持できているのか。それとも、新たな作品が台頭しているのか。

本稿では、初速から8週目までの維持率データを中心に、「初速の勢いは続いたのか」「どのような作品が持続力を持つのか」という視点から、2025年秋アニメの真の実力を検証する。
分析概要
分析対象
2025年秋アニメ 全68作品(新作48作品、続編20作品)

使用データ
- トレンドスコア(Google検索量を相対値化):一般認知・新規流入の指標- ファンスコア(X投稿量を相対値化):熱量・エンゲージメントの指標- 8週目維持率:初週を100%とした場合の8週目時点での維持率※例)初週のトレンドスコア50→8週目75なら、維持率150%
分析期間
秋アニメの放送1週目~放送8週目
8週目の勢力図:大幅な入れ替わりが発生
トレンドスコアTOP10(8週目)
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/14827/9179/14827-9179-531fcb14d3365d624efe17e90678e69e-1136x1356.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


8週目時点では、上位4作品を大型続編が占める構図は初週と変わらない。しかし、その中身を見ると、維持力に大きな差が生まれている。

初速組の明暗が分かれた。『僕のヒーローアカデミア』、『キングダム』、『ワンパンマン』は維持・成長を続ける一方、『SPY×FAMILY』、『とんでもスキルで異世界放浪メシ』は急降下した。

一方、初週のトレンドTOP10圏外だった新作が台頭している。『野原ひろし 昼メシの流儀』は3週目バズ後も125%維持で6位、『信じていた仲間達にダンジョン...』は132%成長で9位に新登場した。
ファンスコアTOP10(8週目)
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/14827/9179/14827-9179-8ca05528e67b7b393cbcf59db12873cb-1092x1294.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


ファンスコアでは、初週2位だった『ワンダンス』と6位だった『グノーシア』がTOP10から姿を消す大きな変動が起きた。

代わりに、初週は目立たなかった作品が次々とランクインした。特に注目すべきは4位の『羅小黒戦記』で、初週22.2から8週目37.1へと167%成長し、初週のファンスコアTOP10圏外から一気にTOP5入りを果たした。

初速で圧倒的だった『僕のヒーローアカデミア』も、8週目には低下しているが、それでも2位を維持している点は、初速の貯金の大きさを物語っている。
維持率ランキング:後伸び型作品の台頭
8週目トレンド維持率TOP10
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/14827/9179/14827-9179-6cc86547a3ab9fe43ba5970b7e2b4ca4-1020x1382.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


維持率ランキングを見ると、初速とは全く異なる景色が見えてくる。最も驚異的なのは、1位『羅小黒戦記』の400%という数値である。

初週トレンドスコア1.5という平均以下のスタートから、8週目には6.2へと4倍に成長した。初週ランキングでは50位圏外だったこの作品が、維持率という指標で見ると、今期最高の成長を遂げている。

TOP5のうち4作品が新作で占めており、「初速は弱いが成長余地が大きい」という新作の特性が明確に表れている。一方、初速TOP5に入った大型続編の中で、維持率100%超を記録したのは『僕のヒーローアカデミア』と『キングダム』のみである。

8週目ファン維持率TOP10
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/14827/9179/14827-9179-05f63ea8e9c42de31930d4f9ead92529-1028x1296.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


ファン維持率でも『羅小黒戦記』が1位にランクインした。トレンド維持率400%、ファン維持率167%と、検索とSNS投稿の両面で高い成長を示した唯一の作品となった。

注目すべきは、トレンド維持率では41%と急降下した『SPY×FAMILY』が、ファン維持率では125%と4位に位置している点である。これは、一般層の関心は薄れても、コアファン層が継続的に作品を支持している典型的な「ファン継続型」パターンを示している。
注目事例の詳細分析
『羅小黒戦記』:劇場版ヒットとTVシリーズの相乗効果で400%成長
[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/14827/9179/14827-9179-f8af4f868436cb0be61e9bec2509050a-1022x612.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


2019年劇場版『ぼくが選ぶ未来』は、わずか1館10日間の予定が口コミで約半年のロングランへと発展した作品である。

2025年秋のTVシリーズは初速で平均以下に留まり、3週目時点でも話題にならなかった。しかし5週目を転換点に状況が一変する。トレンドスコアが1.5から5.3へ急上昇し、6週目には7.2とピークに到達した(初週比約5倍)。

この急成長の背景にあったのが、11月7日公開の劇場版2『ぼくらが望む未来』との相乗効果である。劇場版の口コミ拡散が「TVシリーズも放送中だった」という気づきを生み、両者の認知が相互に高まったと考えられる。

本作は「後伸び型」の典型例である。初速では見えなかった作品価値が、劇場版との相乗効果と配信での一気見視聴を通じて後から顕在化した。トレンド維持率400%、ファン維持率167%という数値は、初速評価の限界と、複数メディア展開による遅効性の重要性を示す象徴的事例である。
『SPY×FAMILY Season 3』:トレンド41%/ファン125%、成熟IPへの移行
[画像7: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/14827/9179/14827-9179-d6fe5208df214221b094b5affb0f1923-1060x637.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


初速ではトレンド55.2(4位)、ファン63.6(3位)と上位だったが、トレンドスコアは継続的に低下し、8週目には22.4(41%)まで下降した。しかしファンスコアは79.6(125%)を記録し、トレンドとの差が約3.5倍に開いた。

この乖離は「社会現象から安定期への移行」を象徴している。Season 1で累計発行部数が1,700万部から3,000万部超へ急増した爆発的ブームが、Season 3では安定した人気作へとシフトしている。
本作は「ファン継続型」の典型である。トレンドの急降下は失敗ではなく、成熟したIPの自然な推移と解釈できる。ファン維持率125%は安定したファン基盤による長期的な価値を示しており、グッズ展開やIP展開という観点では依然として高いポテンシャルを維持している。

またトレンドスコアが5週目~6週目にかけて反転し、そこからファンスコアが伸びてきている点も注目だ。こちらは「後伸び型」というより、Season3のコンテンツ数が増えてきたことで一気見勢の視聴が始まり、SNS上での会話が広がってきたためとも考えられる。続編の分析の分岐点の兆候として注目していくと面白いかもしれない。
『野原ひろし 昼メシの流儀』:一過性バズから“継続視聴”へ
[画像8: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/14827/9179/14827-9179-5cf14a30696063d9dec132df7e9ff84e-1033x620.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


3週目にOP映像の「領域展開風演出」がバズし、トレンド32.8、ファン77.7という爆発的な伸びを記録した。

8週目時点では3週目のピークから落ち着きを見せているものの、トレンド8.6(125%)と初週を上回る水準を保っている。一過性で終わらなかった要因は複合的である。ニコニコでのコメント付き視聴体験、30代以上の「ひろしと同年代」が共感するターゲット設定、毎話更新される料理ネタが視聴継続を促した。

バズの勢いは落ち着いたが、125%維持は口コミによる新規視聴者の継続的な流入を示しており、「クレヨンしんちゃん」という強固なIP基盤が、一過性のバズを超えた継続的な支持を生み出している。
まとめ:維持力時代の示唆
初速評価の限界-『羅小黒戦記』が証明した後伸びの価値
前回の初速レポートでは一度も言及されなかった『羅小黒戦記』が、8週目にはトレンド維持率1位・ファンスコア4位という今期のダークホースとなった。TVシリーズ単体では初速で目立たなかったが、劇場版2の口コミ拡散が「TVシリーズも放送中だった」という気づきを生み、両者の認知相乗効果で後から伸びた好例である。

配信環境の充実により「初速で見逃しても後から追いつける」視聴スタイルが定着した今、アニメ評価には初速(1~4週目)だけでなく、中盤の口コミ拡散や後半の維持力を含めた長期的な視点が不可欠だ。特に劇場版展開を伴う作品では、公開タイミングとの相乗効果まで見据えた評価設計が求められる。
トレンド/ファン両面評価の必要性-『SPY×FAMILY』が示した成熟IPの価値
『SPY×FAMILY Season 3』は、トレンド41%/ファン125%という対照的な数値を示し、一般話題性とファン熱量が別の評価軸であることを浮き彫りにした。トレンド優位型(キングダム、ワンパンマン)は短期的な話題性と広告効果に、ファン優位型(SPY×FAMILY、ウマ娘)は長期的なIP価値とグッズ展開に強みを持つ。

ロイドの過去編はコアファンから高く評価されており、ファン維持率125%は安定したファン基盤の強さを示している。作品の特性と事業目標に応じて、トレンドとファンどちらを重視するかのバランスを設計し、初速だけでは測れない「成熟したIP」の価値を評価する視点が重要になる。

・レポート著者
株式会社SevenDayDreamers
湯通堂 圭祐
株式会社マクロミルでデータサイエンティストとして複数の新規事業を立ち上げ、その後、FiNC Technologiesにてデータ分析、グロースハック、プロダクト開発、経営企画、人事の責任者を歴任。現在は、株式会社SevenDayDreamersを創業し、データとAIを活用してコンテンツIPの価値最大化に取り組む。

・レポート編集
アニメデータインサイトラボ
代表:大貫 佑介
コンテンツ・IPビジネスプロデューサー。 株式会社ブシロードメディアコンテンツユニット副ユニット長、株式会社ブシロードムーブ代表取締役社長、株式会社ゲームビズ代表取締役社長、新日本プロレスリング株式会社の社外取締役も務める。ブシロードグループ内でアニメ・ゲーム・音楽のメディアミックス展開を統括している。


【メインビジュアル掲載作品の権利表記】
(C)臼井儀人・塚原洋一/「野原ひろし 昼メシの流儀」製作委員会
(C)2025 Beijing HMCH Anime Co.,Ltd
(C)白岩久弥・いつきたかし/ガングリオン製作委員会
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(C)️Anime Data Insight Lab

プレスリリース提供:PR TIMES

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